表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/119

何度始めれば、終わりは許されるのだろう

「嫌だね」

「またわがまま言って」

 露骨に嫌そうな顔をするシンにルークは苦笑しながら彼の胸を小突いた。

「何の意味があるんだよ」

「教えてくれると思う?」

「むう」

冗談めかした口調ではあったが、シンにとっては死活問題だった。彼女自体にはうらみも何も無いが、その周りのような信者になりたくは無かった。

「何でそんなに嫌がるのかな」

「洗脳されてたまるか!」

「サングラス付けたら?」

「宇宙服でも借りたい気分だ」

「はは、そのまま飛んでっちゃえ」

実際の所、それで防御できるならこんな考えには至っていない。直接会うことなく済ませることができるなそれが一番だが、恐らくそれも彼らの狙いの一部であるのだろう。

「結局こき使われるのか」

「しょうがないよ。それでも何とかやってくしかないみたいだし」

どの道彼らは使われる立場だ。彼女たちの側に付いても現時点で勝ち目は無い。素直にいう事を聞いておくのが無難だった。

「自分をきっちり持てば大丈夫だよ」

「そうなるように願っとく」

 結局大した結論を出すことも無く彼らはそこで別れた。ルークはキュラスやカインに詳細を聞く必要があるし、シンはシンでロイヤルナイツの面々に色々聞きたい事もあった。

「チャンスかもな」

 自分の部屋へと戻りながらシンはこれからの展開を頭に浮かべ、不敵に微笑んだ。


「今日は来ないかと思いました」

夕日も沈みかけ薄暗くなった室内で、マリアはカインの姿を見つけて駆け寄った。誰もいれていなかったのだろうか、突然訪れたにも関わらず他の隊員の姿はどこにも無かった。

「明日、一つ終わらせる」

「一つ?」

カインの姿はいつもの制服ではなく、彼にしては珍しい黒のワイシャツにズボンというラフな服装。どこか悟りきった表情で口を開いた彼は、マリアの肩に手を置いてやさしく語りかけた。

「そして、始めるんだ」

「あなたの意思で?」

 その瞳は今まで、数知れぬ者を従わせ、数知れぬ者に救いと、羨望と、希望を植え付け。

そしてその瞳はまた、かつてないほどの自信と、誇りと、意思を与え。

「そして終わらせる。全て」

「終われば、どうなるのですか?」

 そして全てを終わらせるべく立ち上がる彼に、力を。

「何も変わらない。変わらないために、終わらせるんだ」

「信じていますから。あなたの望む道を」

 見てきた景色はあまりに狭く、醜く、愚かで、情けない。

「ああ」

 無意識に力が入り、結果彼の手は彼女の肩を強く掴んだ。

「あなたの力なら、きっと私と共に歩める」

そして彼女はその手をそっと上から触れ、微笑んだ。誰もが魅了され、結果、世界は生まれ変わった。彼女の力によって。

「道は、明日作る」

 そして世界は何度でも生まれる。形など、彼らの知った事ではなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ