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プロローグ

 平凡な主人公が、トラックに轢かれて異世界に転生して無双、ハーレムを繰り返すといういわゆる「異世界モノ」のアニメや漫画、ライトノベルを見てウオオオオオオとなっていた中学生時代。


「自分も、こういう作品を書いてみたい!」


 と、意気込んで小説投稿サイトに、「異世界ほへと」という処女作を連載し始めたところ、なんじゃこのPV数は!?

 あっという間に、お気に入り数やら「いいねスター」やらがピロピロ増えて行き、サイト内の人気ランキングでは一位を独走。

 それだけには止まらず、ライトノベル大手の出版社から書籍化され、さらにコミカライズ、ドラマCDとメディアミックス展開を経て、今年の春にはアニメ化までされ、来年には劇場版も公開される予定である。


「近年稀に見る大ヒット」


 メディアやネットは、祭りのように騒ぎ立てて、その対象は作品を超えて作者の自分にも向かい、週刊誌からのインタビュー取材、ラジオゲスト、YOUTUBERとのコラボ企画などによって自分は、すっかり時の人。

 街を歩けば、「あ、ほらほら昨日テレビに出てたラノベの人」「結構イケメン」とヒソヒソ囁かれ、街中でそれだから通っている高校では、もっとすごい。


「昨日、公式サイトに載ってた劇場版のPVマジやばかった!」

「ねぇねぇ、新刊いつ出るの?」

「他校の友達からサイン頼まれたからお願い!」


 と、休み時間になると自分の机の周りは、すっかり拙作「異世界ほへと」のファンと化したクラスメイトが、ドーナツ状に取り囲み、おちおち席を立つことも出来ない。

 なんとかクラスメイトの輪をかいくぐって廊下に出ても、今度は他のクラスの連中が寄ってきて質問&サイン責めにあう始末。

 それだけではない。


「ねぇねぇ、今日の放課後デートしない?」

「あ、こら! 抜け駆けすんな! 先輩、私と屋上でランチしましょ♪」

「うふふふ、萌え」


 と、女の子達が腕をとったり、胸を押し付けたりしてきて、まるでハーレム状態。

 作品が売れて金は入るし、周りからはチヤホヤされるし、女子にもモテモテ。


 以前の自分が見たら、腰を抜かすだろう。

 これも全て「ほへと」のおかげ。

 自らの異世界ラノベがヒットしたおかげで、自分は生まれ変わった。

 まさに「転生」したのである。


「ふふん、我ながら上手いことを言ってしまった」


 と小さく呟きながら、廊下の先にある階段に足を踏み入れた。その時、


 ズルッ!!


 突然、何かに右足を取られて、自分は仰向けにひっくり返った。


「キャーッ!」

「うそっ、やばっ!」


 生徒達の悲鳴。

 周りの景色が、斜め上に向かってスローモーションで回転する。

 そんな自分の視界に、黄色い物体が飛び込んできた。

 バナナの皮だった。


「……そんなバナナ!」


 ガンッ!!


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