プロローグ
続いて投稿。こちらも更新は『制限された世界で』が終わってからになります。
新大統領の指示で在日米軍の撤退し、それに合わせて増していく中国の軍事的圧力と売国的言動を繰り返す野党と左翼を前についに国民は激怒。2017年4月、弱小野党出身の前田敏則を首相とする極右政権が誕生した。
前田首相は在日米軍撤退と引き換えにアメリカから供与された各種軍事技術を元に自衛隊改め国防軍を強化していった。空母機動部隊、機甲師団、F-35Aといった正面装備はもちろん輸送機や輸送艦、諜報機関の整備と基地の防御力強化や後方戦力の増強も行われた。
同時に経済改革も行われた。強引だが革新的な政策は落ち込んでいた日本経済を活気づけ、増えた税収入は法改正によって莫大な報酬を得られるようになった研究者や技術者の支援と軍事費に投入された。
だが国力増強を開始してから8年後の2025年8月15日。敗戦の日であるこの日、突如外国との通信が途絶し、国内の外国人とその資産は消え失せて代わりに外国にいた日本人は資産とともに国内に戻っていた。
この事態に内閣は総辞職、第2次前田内閣が組閣された。前田内閣は警察と陸軍に厳戒態勢を敷くように、空軍と海軍には日本周辺の調査が命じられた。
海軍航空隊のP-1が調べたところ、日本の周辺の陸地は小さな島がほとんどであり、大陸は小さいものの2つほど確認された。それらの大地には製油所や工場、造船所などの近代的な建築物が確認された。さらに防衛省情報本部が行った無声傍受によって、この世界は資本主義陣営と共産主義陣営が対立している冷戦世界であり、ガロメア連邦を盟主とする第1世界とグリミア人民共和国が支配する第2世界、そして両世界に比べてあらゆる面で遅れた複数の国が群雄割拠する第3世界に分かれていることが分かった。
日本が位置する第3世界は技術大国でも第2次大戦相当の技術しか有しておらず、第1、2世界からは半ば見捨てられた地域であった。資源は豊富なのだがお互い睨み合って身動きが取れないことと厄介払いのために行っている国内の亜人の強制移住先の確保ために必要だったので両世界共に資本投下を行わず武器を流し込んで紛争を発生させている。
国内の状況と情報を知った政府は物流を支えていたGPSの早期回復、周辺領域への武力進駐を含めた干渉を決定。最も近いフィジット共和国へ艦隊を派遣した。