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斬殺死体

第5話では、比嘉の仕事は審議官ではなく次長です。

階級は、警視監です

事件の一報が入る10分前


捜査一課の職員は皆デスクワークに励んでいた。事件なんか起こらないでほしい。そう切に願い、橘は書類の整理を行っているが李は吉野の体調を気にしていた。


夢を見た後は必ず体調を崩して小一時間動けなくなる所を何度も見ているからだ。

いざ出動となって1人居残りは可哀想だと思い何度も気にかけている。


「優子ちゃん。だいじょっ?(大丈夫?)体冷やしたら駄目じゃっでおいの上着着て温まって」



そう言うと着ていた上着を脱いで吉野の肩にかけた。



「いいの龍一くん?寒くないの?」


「俺は平気じゃっで」



吉野はその言葉に甘えて袖を通した。


「ありがとう龍一くん。少し元気が出たよ」


「そっ!そいなあいいんだ。」


そういういいながら李の顔は段々と赤くなっていった。李は女性の笑顔にとても弱いのである。

その様子を見て下川と橘はニヤリと笑いながらおもむろに携帯を取り出し写真を撮り始めた。



「かわいいでちゅねぇー!龍一ちゃんこんな風に笑えるんでちゅねぇ」


「かわいいでちゅねぇー。おっちゃんこんな龍ちゃん見るの初めてでちゅ」


いい歳した2人がひたすらに携帯のシャッターを押し続けた。流石に他の職員もやめて欲しいと感じた時だ。

満面の笑みを浮かべ2人の肩にそっと手をかける浅野激おこ大魔神が小さく呟く。



「2人ともお写真撮って楽ちいでしゅか? そんな暇があるなら」


というと徐々に臨戦態勢に突入していく、防弾の窓ガラスがミシミシと言い始め蛍光灯が点滅し始めると同時に浅野は2人の耳元で囁いた


「お仕事しましょうね。はるとちゃん、信義くん。」



2人は奥歯が噛み合わずカチカチと鳴らし、冷や汗をだらだらと流していた。


「龍一くん、優子ちゃんの気にかけてくれてありがとう。あの2人に注意しておいたから大丈夫だよ」


「감사합니다 (ありがとうございます)」


「優子ちゃん、だいぶ落ち着いたようだね。よかった、余り無理せずになりかあったらすぐに言ってね。」


「ありがとうございます」


こそこそと逃げようとする下川と橘に対して浅野は優しく声をかけた。



「次はありませんからね」


そういった瞬間に蛍光灯のライトが切れてしまった。


「すいませんでした。浅野様」


「わかればいいのです」


他の職員も冷や汗をだらだらと流してパソコンの画面を、見ていた時だった。



『警視庁より各局、警視庁より各局。新宿区歌舞伎町二丁目より人が殺されているという内容の通法。現在も入電あり。警視庁より各局新宿区歌舞伎町より入電。』



二度目の放送がなった時、橘のデスクの電話がなり、受話器を上げた


「はぁい、橘。内容は50から60代の男の死体で、首と手足の両方にロープで結ばれていて右肩から左脇にかけて切り裂かれている!?壁に英語で文字が…了解した。」



受話器を下ろしたと同時に、臨場する人員を呼び出した。



「現場指揮は萩原の正にまかせる。萩原に指揮させるから俺と会計の笹野以外は臨場だ。

鑑識さんと所轄の刑事さんに迷惑かけんなよ。 かけたらしばくからな!」



全職員が返事をした後一斉に駆け出していったが、吉野は不安そうな顔をしていた。



「優もいけ!今回ばかりはお前の力がいる。なぁに春の坊に龍一にぃにぃが付いてんだ、心配せずに行け!」


「わかりました、行ってきます。」


「ゲロ袋忘れんなよ!」



そういうと吉野もすかさず駆け出していった



「それにしても惨殺死体か…怨恨の線の方が濃いな、それとも猟奇殺人か?」





1人ブツブツと呟きながら電話の内容を書いたメモをみつめていた。その動きを1人の人間がある人間にリークした。


[Sヨリ報告。予定通リ、贈物ハ無事ニ届ケラレタリ。今回ノ捜査員ハSト橘以外ノ総員デアリマス。貴方様ノプランニ成功ヲ祈リ申シ上ゲマス。]


この伝令がとある場所に知らされた。


「次長。Sより連絡です。コードAが無事届けられたそうです。」


「そうか。なら彼女に届けられたか、ならこの事件という名のプレゼント是非受け取って欲しいな。彼女のためのプレゼントだからちゃんと受け取って欲しい、橘でもなく下川や李ではなく優子ちゃん、君にだよ。」




Sによるリークがあった時、吉野達は現場に到着した。



「なんだよ、これ。」


下川は目を塞ぎたくなった、死体の損壊が激しいだけではない。

入電の内容よりも実際は酷く、内臓は抉りだされ眼球は潰され口から舌を引き抜かれ地面に置かれていた。

所轄署の若い刑事は規制線から出て行き用意してきたものであろう袋にもどしていた。

鑑識の1人が萩原の元へやってきた。


「鑑識の田中だが、仏さんの損壊が激しくてな司法解剖に回そうにも出来ないのでな。すまんがもう少し待ってもらえるか?」



萩原は困惑した。死体は何かを語ってくれると常に信じていたからだ。


「こうも酷いと仕方がないな。吉野、李、下川、浅野はあのニューハーフに話を聞いてきて欲しい。それ以外は他に目撃者がいないか探してきてくれ!以上」



萩原の号令でそれぞれ目撃者を探しに出かけた。



「うーん。ニューハーフに話を聞きに行くの面倒だな、」


下川は気落ちしていた。ニューハーフと聞いてなんか変な気持ちになってしまった。



「ニューハーフのどこが嫌なの?別にええやんか」


吉野は別にニューハーフと聞いてきおちなどしていない。むしろ興味があったのだ。


「いや、春人君の気持きもっわからなくもないな。」


どうして?


聞こうとした浅野は我が目を疑った。

顔立ちは女性そのものだがからだは体は筋肉質を超えてゴリマッチョそのものだった。

4人は回れ右して逃げようとしたが大切な証言を聞くため変に勇気を出して声をかけた。


「あの、通法をしてくださった方ですよね?」


「そうよ。金子アンダーソンっていうのよ」


顔を引きつらせる下川とは反対に吉野は質問を李は質問の返答をメモ帳に記録していく。



「死体発見の概要をできるだけ詳しく教えて頂いてもよろしいでしょうか?これは任意ですので」



アンダーソンは飼っているチワワを抱きしめて浅野の前近づけた。



「うちのマリリンちゃん。鼻が聞くの。昔、警察犬だったからこの子が最初に見つけたわけなの。確か、うちを出て

商店街の方を歩いて行ったんだけどその時この路地の前を通るんだけど、その時はマリリンちゃんは吠えなかったしこれといった変化はなかったの。でも散歩から戻ってここの路地を過ぎた時ね。急に吠え出して私も地面に変なのがあったから中に入ってみると…あったのよ。」



詳しい内容を間違えないよう注意しながら李はメモを取った。


下川は恐る恐る、気になった事を質問した。


「では、あの死体は散歩する前はなく帰ってきたらあったというのでよろしいですね。」


「そうよ。あの人殺されても…」



最後になにを言ったのか聞こえにくかったので再び下川はアンダーソンに質問した。


「すいません。あの方をご存知で」


「知ってるもなにも、有名人よあの人。

南宗平っていうんだけどこの路地すぐ左曲がった喫茶夜の蝶って店の店長なんだけど、ここだけの話違法風俗よあそこ」



浅野が眉をひそめ真剣にその話に耳を傾けた


「あそこ、表向きバーなんだけど裏じゃ男女問わずストリッパー雇って客とその行為を見せるのよ。それで何人も女のコやめていってるの。売り上げのほとんどが暴力団に回ってたってもっぱらの噂よ」


李と下川はお互いの顔を見合わせメモ帳を何度も読見返した。


この、情報が後に過去の事件と関連していくとは誰もこの時思っていなかった


投稿遅れてすいません。

これから、この次長がいろいろと事件を引っ掻き回わす予定です


次回はSATの隊員が登場します

次の投稿は2月くらいになると思います。


「ユウコチャン、サァオレトイッショニナロウ」

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