武器製作ーその1
ドワーフ登場です。ただ物語上は血小板ですが…
「いらっしゃい」
武器屋に入ると、いかにもドワーフといった、髭を生やしたおやじさんが声をかけてきた
「ちょっと武器について聞きたいのですが」
「おう、あんた新米兵士かい。いいぜ、武器のことならなんでも聞いてくれ」
気前の良い返事を受け、俺はまず武器の製作工程について訊ねた
「おぅ、まずはおれの目の前にあんたの浄化の光を流してもらう。おれはその光を加工できる硬さに固める。それをあんたの体に合うような武器にし、最後はガッチガチに固めて完了だ」
「なるほど、重さとかは?」
「おぅ、あんたの浄化の光だからなあ、あんたにとってみれば、身体の一部みたいなもんだよ。ちびっと重さを感じる程度だ」
「なるほど、じゃあ、俺が出す浄化の光に属性を持たしたものを武器にするなんてことも出来たりしますか?」
「おぅ、出来るが、おれは土属性だけだ。他の属性は、別のとこに訪ねてくれ。まあ、もともと属性ごとで武器屋なんてのは分かれているもんだけどな」
「属性のそれぞれの特徴ってわかりますか?」
「おぅ。火属性は、攻撃した箇所に発火の力を持つ。攻撃力だけをみれば、一番効果的な属性武器だなあ。水属性は、攻撃した箇所を凍結させる力を持つ。これなんかは、害虫の動きを鈍らせるのに効果的だ。風属性は攻撃に斬撃や貫通の効果を持つ。剣や槍なんかにつけるのが一般的だなあ。それで土属性だが、単純に強度が高い。もちろん盾なんかには持ってこいだが、武器として使うのであれば壊れにくいと言った特徴があるなあ。まあ、それぞれの属性の特徴はこんなところだ。ただ一番良いのは、兵士の得意な属性で武器を作ることをお勧めするぜ」
「ありがとうございます」
ふむふむと頷きながら、俺は自分の考えていた武器について、新たな効果を思いついた
「ちなみにEPは?」
「おぅ、属性を込めるとちょいと割高になるが、5EPといったところだ。まあ、兵士クラスの店ではその辺が相場になるけど、あんた橙色だから大丈夫だろう」
「今何EPあるってわかりますか?」
「おぅ、大丈夫だ。こっちきてベルトをよく見せてくれ」
「はい」
おやじさんに近づき、ベルトを見せると、おやじさんは正方形の箱みたいなものを取り出し、俺のベルトのバックルにあてた
「23EPあるなあ。あんた本当に新米兵士かい、まあ橙だけでも驚いたが、別格だなあ」
「はは」と軽く愛想笑いをしておいた
「それで、土属性の武器でもいいのかい?土属性以外なら他にいってもかまわないぜ」
「いえ、土属性の武器を作ります」
「おぅ、じゃあどんなもの作ればいいか、イメージだけでいいから教えてくれ。加工段階であれば、後からある程度は形を弄れる」
「じゃあ、形は手甲で少し盾みたいにしてほしいですが…」
「おぅ、わかった。なんだいあんた格闘系かい?」
「ちょっと浄化も使いたいので、手を空けておきたくて」
「そうかい、まあたまにそんな兵士もいるって聞いたことはあるが、おれは初めて作るんで、あとで細く指示してくれ」
「はい、わかりました」
「じゃあ、土の浄化を出してくれ」
俺は、土をイメージし、バスケットボールぐらいの浄化の塊を渡した
「おい、あんた凄いなあ。形状を形どった浄化が作れるなんて、かなりのセンスだぞ」
「そうなんですか」
と自分の凄さに驚いておいたが、あまり気にせず、俺は浄化の塊をおやじさんに渡し、武器製作が始まった
その後、ああだこうだオーダーしながら、俺の手甲が完成した
せっかくなので、ストーンガードと名付けよう。俺はストーンガードを左手に装着し、手を動かしてみると、確かにほとんど重さを感じず、問題ないことを確認し、おやじさんにお礼を言って、武器屋を出た
俺は新しく出来たストーンガードを手に次の武器屋に入っていった。
「いらっしゃい」
今度は姉さん風の少し色っぽい人だった
「おにいさんは、どんな武器が欲しいんだい」
「あの〜、すいませんが、ここは何の属性の武器を作れますか?」
「なんだいおにいさんは属性武器がお望みかい。あたいは、火だね」
「よかった。それなら手甲を作って欲しいですが」
「なんだいおにいさんの左手にあるやつかい?右手にもつけるのかい?」
「はい、ただ左手のとはちょっと違って、先端部分を尖らして、攻撃用にしたいです」
「はいはいわかったよ。属性武器だから5EPになるけど…大丈夫そうだねぇ。なら早速あたいの前に火の属性を持たせた浄化を流してよ」
俺はおねえさんの前まで行き
「じゃあ、いきますよ」
「はいよ」
俺は火をイメージし浄化を出した
「熱っ、ビックリしたわ」
「だ、大丈夫ですか」
「大丈夫よ、それよりおにいさん中々ね。良い武器出来そうよ」
「そうですか」
再び、浄化を出し始めた
このおねえさんはセンスがいいのか、あまり口出すことはなく、俺のイメージしていた右手用の武器が出来上がった
これにはファイヤナックルと名付け、俺は店を出た
「よーっしと、これで両手の武器が揃った。あとは、両足だ」
そう、俺は属性の話を聞いたときに4属性全てを武器にしようと思いついた。はじめは格闘武器として両手だけに手甲を考えていたのだが、攻撃手段に蹴りを追加するために脛から足の甲にかけ、そこを覆うような武器を作ることにしていた
格闘系にしようと思ったのは、別に喧嘩が強かったという訳ではない。また空手をやったことなんかもないが、ただ素手に近い状態であれば、武器を扱うよりは出来そうな気がしただけだ。また、格闘技は好きだったので、テレビなんかでは、よく見ているし、見様見真似で出来ることも多いと思ったのもある。あとは浄化を活用するためには手を空けておきたいという考えだ
そんなことを考え、俺は次の武器屋へ向った
読んでいただきありがとうございます。
これからも続きをよろしくお願いします。
主人公は剣ではなかったです。ただ今後の展開では剣もぜひ出したいですね。