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Tank you EveryBody 〜主を守る者〜  作者: 水矢伸
兵士編
2/12

兵士としての研修

2話目です。

章管理の使い方が・・・

覚えたら整理して、もう少しわかりやすいようにしていきます。

 驚きの演説のあと、もうひとりの兵士がさっきの兵士の人と代わり、話をし始めた


「君らは、これから兵士としての定めにしたがい、主を守ってもらう訳だが、君らはまだ生まれたばかりで、何の戦力にもならない。そこで、君らには、これから研修を受けてもらう」

「「「はい」」」


 俺以外の人たちは、その話に対して、まるで神からのお告げのように従順に返事をしている


「まずは、5つに分かれ、それぞれの講義にあたってもらう」

「「「はい」」」


 前に待機していた兵士が


「ここで分かれろ」


 その指示に従い、集まっていた人たちが、まるでモーゼの絶海のように人の波が分かれ、あっという間に5つに分かれた

 俺はその中で3番目のところに位置していた


 俺たちの前に立っていた兵士が


「では、わたしの後についてこい」


 指示に従い、俺たちのチームは、別の部屋に案内され、そこに入っていく

 全員が入ったのを確認した兵士の人が


「まず、君たちには白血球隊の組織について説明をする」


 と宣言し、兵士の人の説明が始まった


 まとめるとこんな感じだ


 まずは、俺たちの立場であるが、研修員という立場らしい

 そして、この研修をすべて終えると新米兵士になるとのことだ

 どこでそれを見分けるのかと思ったが、どうもバンダナの色で簡単に区別できるとのこと

 研修員はバンダナの色が黒。兵士に成長すると白になるみたいだ


 新米兵士と兵士は特に明確な違いはない


 兵士は、ある一定の経験をすると兵士長にあがる

 このある一定の経験というのは、緊急招集を生き残ること

 緊急招集は、主が普段起きないような危機がせまると発令されるらしい

 俺が兵士と呼んでいたが講師の人は、その緊急招集を生き残った立派な兵士長だそうだ


 兵士長は、主を守るために兵士をまとめ、柔軟に対応することが役目。その役目を全うして、評価されると隊員に抜擢される

 もちろん隊員をまとめる隊長もいる


 隊長として能力、実力共に認められると、今度は団員になる

 しかし、ここで今までの組織で大きく違うのは、団員から団長になる経緯だ


 団長になるためには、ある特殊な能力に目覚める必要があるのだが、ここで講師をした兵士長の人も


「わたし自身も特殊な能力については見たことがない」


 とのことで、内容は不明だった

 ただ、その講師の人曰く


「そもそも団長が赴き、戦う必要がでる現場で生き残れるのは隊長以上だ」


 と、なぜか自信満々にそう言っていた


 結局のところ、兵士、兵士長、隊員、隊長、団員、団長と6階層に分かれている


 そして、一番驚いたことは、上の階層に上がるための確率である

 なんと4000分の1とのことだ。それぞれの階層にあがる確率に若干の違いはあるそうだが、それでも4000分の1というのが、最低で、それ以上が普通だそうだ

 確率だけで考えれば、団長などはっきり言って、雲の上の人だと実感した


 ちなみに今回俺と同じ時期に誕生した人たちの数は2500体いる

 その中で兵士長に上がる人は一人いるかいないかの状況だ

 これを考えると兵士が溢れかえっていると思ったのだが


「兵士のほとんどは生き残れないので、次々と新しい兵士が生まれる」


 と、残酷な実態が証明される

 しかも、それは兵士だけでなく、兵士長も隊員、隊長も同じく、厳しい戦いの中を生き残れないらしい

 ただし、団員ともなると、戦いの中でもほとんどが生存するらしいが、講師の人も団員クラスの人にはあったことがないらしい


 とまあ、過酷な組織の説明を受け、白血球隊の組織についての研修は終了した


 その研修終了と共に、周りの研修員たちのバンダナの色が少し薄く変化したのだった


 組織についての研修が終わり、今までの講師は部屋から出ていった

 そして入れ替わりに次の講師が入ってきた


「今から血液部隊の構成とその職業について説明をします」


 次に入ってきた講師は、先ほどの講師よりもインテリな感じ。恰好は依然と革の装備一式だが、真面目な雰囲気と容姿がぴったりとしていた


「血液部隊の構成ですが・・・」


 血液部隊の構成について次の通りだ


 まず、血液部隊にはそれぞれ赤血球部隊、白血球部隊、血小板部隊、血漿部隊の4部隊がある

 まさに中学、高校で習った血液の構成と同じだ


 赤血球部隊にも大きく二つのチームに分かれており、主に運搬を行うヘモグロビンチーム、白血球部隊と共に闘う戦闘チーム。ただし、戦闘チームは支援的な要素が強く基本的には後方部隊らしい


 個体数としては一番多い部隊であるが、そのほとんどはヘモグロビンチームであり、運搬用の乗り物で常に移動しているため、存在ははっきりしているのだが、直接関わることはないそうだ


 そして重要なのは、戦闘チームである


 白血球部隊と同じ組織とのこと(これって、組織の話を聞いていたから良いが)

 白血球の人にとって、赤血球の人はまさにパートナーらしい。つまり、優秀な赤血球の人と同じ戦闘にいることが、白血球の生存率を大幅に改善するようだ


 しかし、パートナーと言っても、兵士クラスの人は常に同じ赤血球の人と一緒には行動できないため、初めは運が良かったが、次は運が悪く、戦闘で生き残れないことはよくあるとのこと


 ただ、運が良く優秀な赤血球と一緒になっても、兵士クラスでは、ほとんど戦闘になると生き残れないため、上の階層に上がるには、本当に強運が必要になりそうだ


 そして隊員クラスになると、赤血球も同じ隊員がパートナーになる

 相性の良いパートナーか優秀なパートナーに巡り合うことで、隊員クラスになると生存率は上がるが、そこから団員クラスにあがるには、生存よりも実力が必要になってくるようだ


 赤血球部隊の職業としては、ヘモグロビンチームの人はトランスポーターという運搬の非戦闘職

 戦闘チームの人は、ヒーラーという回復を専門とする職とバッファーという強化を専門とする職があり、そこから上級職として、クレリックとモンクという上級職があるとのこと


 クレリックは、回復と強化を同時にこなせる職であるが、モンクは一般的に思われているイメージとは少し違い、回復中に襲われたとき、反撃しながら対応できる職だそうだ。




 白血球部隊は、全員が戦闘職。そのため、入れ替わりが激しく、常に新しい顔ぶれになる。戦闘では基本的には前衛職の壁役。しかし、個々の能力によっては、二列目や後衛職の人も存在する


 そんな戦闘職の白血球部隊の職業は


 一番多いのが壁役としてのナイト。しかし名前のイメージとはかけ離れていて、単なる身を呈して盾になるだけで、兵士のほとんどはナイトである


 ナイトを経て、武器を持つことで攻撃の手段を身に付けた人が、ファイターやランサーといった戦士職になる

 武器の種類は自分でオーダーし、そのイメージを元に製作されるらしい。上級職については、すでにファイターやランサーがそれにあたるようだ


 兵士の間ではランサーに人気があるようだ。理由は、二列目から攻撃できる点で、生存率を少しでも上げることが目的だろう


 そして戦闘職ではあるが、まれに浄化と呼ばれるおそらく魔法みないなものと思われるが、その能力に恵まれた人が誕生しメイジと呼ばれる後衛からの攻撃ができる職になるそうだ


 攻撃面ではかなり優れていて、さらに後衛であるがために、メイジ職の兵士は、かなりの確率で隊員クラスになる人が多いそうだ。

 続いて血小板部隊であるが、ここは主に生産職といったチームと戦闘後の処理チームがいる


 戦闘後の処理チームは、主が出血を伴ったときに活躍するチームで、血小板本来の役目でわかりやすい


 そしてメインとなる生産職であるが、ブラックスミスと呼ばれ、武器を製作してくれる。つまりは、白血球兵士の武器を作ってくれる武器屋さん的存在である


 防具については、触れられていなかったが、どうも防具については、その人の能力によって、自動で変わるらしい。バンダナの色と同じで、能力が上がっていくと、見た目も性能も良くなるようだ


 武器については、結構すぐに壊れてしまい、作っても作っても不足するので、血小板部隊のほとんどがブラックスミスになる必要があるようだ


 また武器以外にも道具があり、単純な投擲武器や盾などもある

しかし、ゲームのように回復するアイテムはないみたいだ

よって回復するには、赤血球部隊の人にお願いするか、もしくは自分の浄化能力として、自己再生で回復するのどちらかになるようだ



 最後が血漿部隊

 血漿部隊は、情報の伝達部隊で、問題があるとそれを伝達するチームだ


 伝達する情報が正確であればあるほど、それに適した部隊を編成し対応できるため、主の体を守るためには、重要な役割があるようだ



 以上の4部隊になるのだが


 なんと、赤血球部隊は女。白血球部隊は男。血小板部隊はドワーフ。血漿部隊は獣人

 という構成でまさにファンタジーの世界だった


 この研修が終わると、またバンダナの色が少し薄くなった


 インテリな教官が部屋を出ていくと次は、少し老け気味などこか落ち着いた雰囲気の教官が入ってきた



「これから、役目と主の敵である害虫について説明をする」


 まず、白血球隊の役目は、害虫を駆除し、主の体を守ることが仕事

 害虫というのは、主に黴菌やウィルス

 黴菌の種類に関して詳しく説明を受けたが、結局のところゲームのモンスターといった多種多様な形のものだ


 ウィルスについては、人型のモンスターで、知能が高く、単純に強いそうだ。もし発生した場合には、緊急招集がかかり、団長クラスも出動するらしい。まあ、兵士では太刀打ちできないのだろう


 武器を持たない兵士である俺たちは、優先して害虫に飛び込み、相手の進行を遅らせることが役目となる


 害虫との戦いにおいて、兵士として生き残ることができると、その貢献度に応じて、EPエヴァポイントと呼ばれる評価ポイントを獲得できる


 そのEPは、ちなみにベルトにあるバックルの色で判別される


 低い順に、赤 < 橙 < 黄 < 緑 < 青 < 紫 < 白、となる

 ただ、EPはお金のようなもので、使うと減る


 つまり、武器などのアイテムを買うとその対価によって、EPは消費されるそうだ

 EPが溜まれば、ランクアップできるが、生き残るためには、良い武器が必要で、しかも武器はすぐ壊れるので、EPはなかなか溜めるのが難しいとのこと


 その兼ね合いを計算しながら、EPを溜め、ランクを上げていくことが重要みたいだ


 そのあとに、理科の授業のように体の部位や血管などについても説明があった


 これで5つの研修の内3つが終了となり、バンダナの色も白にかなり近づいていた


 ここまでの研修を受け、「やっぱりファンタジー世界だろ」と思いながら、次の研修を迎えるのだった

はじめは1つずつでまとめようかとも思いましたが、

一気に3つ行きました。ちょっと長めですが・・・

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