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世界の終わりと初まり

※この作品は全てフィクションです。実際にある国や建造物などすべてのものとは一切関係しておりません。若干のBL.GL.流血表現などが予告なく含まれますのであらかじめご注意ください。

昔昔、1人のとても麗しい神様がいました。神様は生き物や空や海や大地を創り、それらを『世界』と呼ぶことにしました。


長い間世界は平和でした。


人間、魔族、妖精や動植物まで、全てのものが神様を信じ、全てのものに神様の奇跡が贈られました。事故で死にそうになった男は奇跡により生き残り、枯れてしまいそうな土地には恵みの雨が降り注ぎ、人間や異種族の間の戦争は神様の仲介によって終止符を打たれ、各地で神様の存在が絶対となったのです。



〈ある時〉までは。



これまで平和だった世界に突然、大きなヒビがはいると大地は割れ、空は裂け、海は別れ、世界がまるでパズルのピースのようにバラバラにされてしまったのです。バラバラになった世界と世界の間には虚無の空間ができ、そこからは得体の知れない魔物がうまれるようになりました。そして神様はその事態をおこした何者かに神様である力を奪われ、ただの人間にされてしまったのです。


それからというもの、神様のいなくなった世界では異種族同士の戦争や、原因不明の奇怪な出来事、飢餓や自然破壊、動植物の絶滅、これまでなかった不幸が訪れるようになりました。


負の世界をどうにかしなければ。


神様は失っていく最後の力を振り絞り、神様の代わりとなる3人の使者をつくりました。1人はバラバラになった世界の秩序を正し、1人は虚無の魔物から世界を守り、1人は世界を壊した異端者を探しにいきました。




「しかしその後、神様の息は途絶え、使者は殺され、神様のいない世界は崩壊へと進んでいきました。めでたし、めでたし♪」




少年はボロボロの分厚い本を閉じて楽しそう言った。黒いフードのついたマントで全身を覆い、見えるのは口元の微笑のみ。天井の高い書庫には窓がなく、一本のロウソクの火が灯っている。そんな不気味な書庫で、少年はひとり呟いた。



「さあ、楽しい終焉の初まりだ」




静かな書庫に、少年の高笑いだけがいつまでも響いていた。






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