桜
無だった私の心が。
初めて震えた。
彼を見た瞬間、私のなかで何かが動き出した。
初めは、勘違いだと、思い違いだと。
自分は、気でも狂ったかと思った。
だって、彼は、私のことなど、。。
だけど、奇跡が起きて。彼が私に話しかけてくれた。
一緒に帰りましょうと、危ないですからと。
私の隣に、彼がいた。彼と一緒に歩いたとき、今まで無色だったはずの景色が。
こんなにもキラキラと輝いているなんて。
色づいているなんて。
私は、彼の方を向けなくて、それでも全神経がまるで、生き物のように彼の方を向いていた。
彼だけが見えた。そのときの桜の色を、私は、忘れない。
私は、いつも嘘つき呼ばわりされていた。彼だって思っていた。
面と向かって言われたこともある。だから。
諦めていた。遠く離れた場所で、彼の姿を見るのが精一杯だった。
なぜ、私は、真っ当に生きなかったのだろうと。初めて悔やんだ。
普通の人としての道を歩んでいれば。もしかしたら、『友達』になれたかもしれないのに。
そのあとで、彼が私と一緒に帰った理由がわかった。
罰ゲームだったらしい。誰か恩義のある人に頼まれたのだと。
そうだと思った。そうでないと、こんな奇跡は。
桜の花が咲く頃は、私は、真っ当になっているだろうか。
無だった私の心が、初めて色をつけて、キラキラと輝いたあの瞬間。
私は、確かに、人を好きになることができた。
人であることができた。
憧れていた、恋をすることができた。
私の幸せな思い出。
皆様、こんばんは(*^^*)いかがお過ごしでしょうか?
この詩は一年前ほどにブロクで書きました。今でも大好きで涙がこぼれます。読むたびに心が張り裂けそうになる詩です。
幸せになりましたよ。大好きな人と結ばれましたよ。未来にはちゃんと幸せが待っていますから、安心してくださいね。
ではでは皆様、これからも素敵な時間をお過ごしくださいね(*^^*)