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ここから私は逃げ出したい!

作者: 莉奈
掲載日:2011/07/05

目が覚めると床に寝転がってた。

いえいえ。私の寝像が悪いというわけではなく、故意に寝かされてるだけだから。

そこのとこ勘違いしないように!






別荘の庭で夜の散歩をしていると後ろから急に羽交い絞めにされたのよね。

それでお決まりの薬を嗅がされて、気がついたら床に寝て今現在に至るってわけなの。


薬の影響か分からないけど、少しボーっとしてる頭で周りを見渡すと、蝋燭の明かりがポツポツ灯されていた。

部屋は薄暗くかなり小さい&ボロそうな感じだ。

さらにキョロキョロ見回すと怪しげなローブを頭から被った男?が2人いた。


この状況ってやっぱりアレよね。

少し?頭が悪い私でも分かるわよ!

これって・・・これって・・・。


「やっと起きたか。今の状況が分かるか?俺達はお前を誘拐した」


声は男よね。じゃあ、あと1人も男ね。勝手に決定!

背が高い方の男が淡々と私に告げる。

やっぱり誘拐なのね!

それって・・・それって・・・。


「最高じゃない!あなた達誰かは知らないけど良い仕事したわ!グッジョブ!」


縄で手を縛られてるから出来ないけど、心の中で親指を立て私は嬉しさのあまり泣きそうになった。

普通怖かったりパニックになって泣くことはあると思うけど、きっと誘拐されて喜んで泣くのは私ぐらいよね。きっと。


あっ!変な子って思わないで。

私だって怖がるぐらいの感情は持ってるわ。

けどね・・・今は誘拐されて喜ぶぐらいの状況に私はいるの!


「なっ・・・頭は大丈夫か?俺達は誘拐したんだぞ!」


今度は背の低い方の男が私に驚いて声をかける。

なによ誘拐したのはそっちなのに、その言い方って可笑しくない?

けど、良いわ。今の私はとっっっても幸せな気持ちだから。気にしない気にしない。


「あら?私は至って正常よ。それにあなた方が誘拐した理由は分かるわ。私が邪魔なんでしょ?誰かに頼まれたのかしら?心当たりは沢山いるけど、言わなくて良いわ」


犯人の名前を変に聞いて、自分の命の危険度をこれ以上、上げたくないしね。


「可笑しな娘だな。貴族令嬢だろ?」

「お父様が男爵ってだけよ。私はたまたまその家に生まれただけ。貴族ってことは間違いないけど」


王都に住んでいる王族や貴族の方々と比べたら、私達の暮らしは天と地の差がある。

お父様は中々の手腕で、無理に税を徴収したり作物を領民から巻き上げたりしてないから、評判も上々で田舎にいるのは勿体ないってよく言われてるけど、お父様始め家族全員今の暮らしに不満は一つもない。

暮らしは裕福ではないけど、困るほどではない。

何もしなくても1年ぐらいは余裕で暮らせるらしいけど、お父様の考えで贅沢は厳禁なの。


家族全員仲が良く本当に幸せな16年間を過ごしてきた。

本当だったら誘拐する価値もない田舎令嬢の私だけど・・・理由が最近出来ちゃったの。

えぇ・・・本当に不本意だけどね!


「それで私をどうするつもり?殺すとか勘弁してね。痛いのは嫌いなの」

「本当に可笑しな娘だ」

「よく言われるわ。・・・それで今ここはどこ?」

「本来なら教えたくないが、あんたなら変な事を考えそうにもないから・・・教えても良いか。ここはカラスト村だ」


カラスト村って・・・確か私の別荘よりも東よね。

歴史は好きだけど、地理は苦手だから曖昧にしか思い出せない。


「私がいたところより東の方向で合ってるかしら?」

「そうだな。あれから1日経っている」

「そうなの。なら王都からここまで来るのに3日ぐらいね。ふふふっ」


私がいた別荘が王都から約2日でかかる場所にある。

だから1日でここまで来たってことは王都から約3日かかるってこと。

簡単すぎる計算だけど、正しいのは間違いないわ。

これなら今から捜索してもここまで来るのに時間がかかるし、チャンス到来よ!


たしかカラスト村は隣国に近かったわよね。

それなら・・・。


「お願いがあるの。私を早く隣国へ連れて行って欲しいのだけど」


突然の私からのお願いに相変わらずローブを頭から被ってる所為で顔は見えないけど、「はぁっ?」と声を出した男達に向かってさらに話を続ける。


「あなた方の雇い主がどう命令したか分からないけど、とにかく私が邪魔なんでしょ?だったらもう2度とこの国には近づかないって誓うから!私を連れて行ってくれるだけで良いの。お願い!」


縄で縛られてるし、寝転がったままだからお願いしてるようには見えないけど、必死に頼む。

本当は家族とこんな形で離れ離れになるのは悲しいし辛い。

けど、この状況なら家族に害はないから、私の理想としてた逃亡方法に近いの。

普通の貴族令嬢なら絶対無理だけど、私なら大丈夫。

知らない国でも生きていける自信があるわ。

小さい頃から自分の身の回りのことは自分でするようにしてきたし、土仕事だってしてきた。

人間なんとかしようと思えば、なんだって出来るはずよ!


「あんた・・・本当にそれで良いのか?」

「本当に変な人ね。誘拐して来たなら最後まで悪役でいて欲しいのだけど」

「俺達は殺せとは命令されてないからな。・・・隣国に連れて行けばいいんだな?」

「かまわないわ。とにかく今すぐにでも行きましょう。早く行かないとやばいのよ!」

「??・・・まぁ。夜に動いた方が見つからないからな。暴れないなら縄を取るぞ」

「変なことは絶対しないから早くしてちょうだい。痺れて辛いんだから」


背の高い方の男が胸元から小型ナイフを出した時、ドキッとしたけど肌を傷つけることなく、私の両手を縛ってた縄は外れた。

漸く立ち上がることができ、埃のついたスカートを手で叩く。

窓から外を覗くと辺りは真っ暗で、村の明かりが1つもない。ここがカラスト村のさらに辺境にいることが分かる。


辺境ならだいぶ隣国に近いはずよね。

それなら早く動いてとっととこの国から出て行きましょう。


「馬か馬車のどっちで移動するの?」

「馬車の方だ」

「そう。なら悪いけど、馬で行きましょう」

「そこまでして早く隣国に行きたいのか・・・分かった。馬で行こう」


背の低い方の男が用意のため部屋から出て行く。

私は椅子もなかったので、また床に座り待つことにした。

背の高い方の男が私の方をジーっと見ていることに気づく。


「何かしら?」

「そんなに隣国へ行きたいのか?誘拐した俺達が言うことじゃないが、家族ともう2度と会えないぞ」

「別に良いわ。寂しくないのは嘘になるけど、どっちみちこのままだと家族には会えなくなる状況は変わりないもの。それに私感謝してるのよ」

「感謝?」

「そうよ。昨日別荘の庭を歩いてる時、逃げだそうかと考えたわ。けど、私が逃げたら家族に迷惑がかかるから出来ないでしょ?でも誘拐なら話は別よ。私のせいでも家族のせいでもないんだから。だから本当に感謝してるの。ありがとう!」

「誘拐してお礼を言われるのは初めてだ」

「あら?だったら私が記念すべき第1号ね」


誘拐した側とされた側とは思えないぐらい穏やかな空気が漂う。

私だって誘拐なんてされたくない。けど、本当に嫌で逃げ出したかったの。

家族は心配してるでしょうね。けど、心のどこかで分かってたと思うわ。私が逃げ出したたがってたことを。だからある意味良かったのよ。これで。





少しして用意が出来たと声がかかり、外に出る。

夏だというのに、妙に涼しくて気持ちが落ち着く。

本当はスカートで乗るなんてはしたないけど、今は許してもらいましょう。

ゴテゴテしたドレスでもない、普段着のワンピースドレスで良かったと改めて思ったわ。

これならなんとか馬に乗れるもの。


「森を抜けるの?それとも道沿い?」

「森を抜けた方が早いが、道沿いの方が安全だ。それに今の時刻なら人目に付かないから大丈夫だろう」

「そうね。私もさすがに獣相手だと負けちゃうわ。あら?あなたは行かないの?」


用意された馬は2頭だけで、背の高い男しか馬には乗らなかった。

背の小さい方の男に声をかけると、男は笑った。


「あぁ。俺は報告もあるし、いなくても大丈夫だろう。まぁ、気をつけて行けよ」

「私を心配してくれるの?私のこと可笑しいって言ってたけど、あなたも十分可笑しいわ」

「そうかもな」

「2度と会うこともないけど、本当に感謝してます。ありがとう」

「じゃあな」


男が背を向けると同時に私も馬を走らせる。

本当に感謝してるのよ。私に別の生き方を与えてくれたあなた方に。

そう私は心の中で呟いた。







「もう少ししたら隣国に着くぞ」


男の声に声を出す事も出来ないので、頷くのが精いっぱいだった。

あれから2時間ひたすら馬を走らせ続けて、疲労困憊で体力も限界に近い。


出発直前に水と保存食を軽く食べさせてもらったけど、それだけじゃ足りなかったわ。

それに馬に乗るのが好きでもこんな長い時間乗ったことなんてないし、当り前よね。


けど、疲れてても気持ちは晴れ晴れして最高よ。

生まれ育った街も国から別れるのは辛いけど、これで自由になれる。

あっ、家が窮屈だったわけじゃないわ。むしろ伸び伸び暮らせてもらえて感謝してるぐらいだわ。


・・・自由になれるっていうのはね、私あと3カ月後に結婚する予定だったの。

それも相手はこの国の第一王子よ!

最初はなんの冗談かと思って笑ってたけど、王宮に呼ばれて陛下から直々にお言葉を受けて本当だって初めてその時分かったの。

それまでに本当だって分かってたら何らかの手は打ったのに!

・・・分かってるわ。私が聞く耳を持たずに無視してたのが一番悪かったってことは。

でもね。でもね!どうして本当だって思えるの。

私だってパーティとか何回も行ったわよ。

けど、高貴な方々が集まる場所には行けなかったし(行きたくもなかったけど)、そんな第一王子と触れ合える機会なんて1度もなかったのは間違いないわ。

でもね・・・なんでか分からないけど、その第一王子―――レン様の希望らしいの。


幾ら王子自らの希望でも田舎の男爵令嬢なんて身分の違いもあるし、周りの大臣やら貴族達がこぞって反対するだろうと予想してたけど、何故かそこまでの反対はなかったの。

私の顔を見て嫌みを言う人はたくさんいたし、私よりも身分の高いご令嬢の方々からは殺気のこもった眼差しは受けたけど。


「なんで!?」って思わず叫んだわよ。

「我が娘の方がお似合いです」とか「レン様は渡さないわ!私の方がお似合いよ」とかレン様や陛下に進言する奴はいないのか。腰抜けめっ!

こういう時のために普段からやってる賄賂を活用しないか!と私は怒ったわ。


けど・・・いたのね。誘拐までする気骨のある方が。

心当たりはたくさんいるけど、そこまでしてくれる人がその中にいるとは思わなかったわ。

本当に感謝感謝。どうぞ勝手に婚約でも結婚でも誰かとして欲しいわね。


私がいなくなったらあの甘ったるい顔で私を見てきたり、仮にも婚約中なのに迫ってくる馬鹿・・・いえいえ素敵なレン様も過ちに気付くでしょう。

最初から私はつり合わなかったのよ。

私は身分のつり合う優しくて、ほのぼのとした田舎暮らしが似合うそこそこの人が良かったの!

だからそういう人を隣国で見つけて幸せに暮らすわ。


そう心の中で決心し、馬を進めていると薄らと明かりが見え始めてきた。

――――隣国だ。

とうとうここまできたのね。

あとはどうやって入国したら良いのだろうか。

隣国とは比較的良好な関係だけど、いきなり入国書も何もないのに入れないわよね。

何か策はあるのかしら?

ここまできて今更な疑問を頭に浮かべ、隣の男に目を向ける。

男は私の目線に気づいたようで目で何だ、と訴えて来る。


「どうやって隣国に入るの?」

「今まで気づかなかったのか?」


逆に質問で返されてしまったわ。それに何かアホな子を見る様な眼差しは止めてくれるかしら。


「隣国に行くことばかり考えて、入ることまで頭が回らなかったの」

「そんなんでこれから暮らせるのか?大丈夫か?」

「大丈夫よ!住み込みでどこか働けるとこ見つけて、徐々に慣れていくわ」

「そうか・・・お前が大丈夫なら良いんだ。それと入る方法だが、俺は入れないがお前の分の入国書は用意している。それを使って入ったら良い」

「分かったわ。そこまで用意してくれてるなんてありがたいわね」

「用心に越したことはないだろう。他にも色々あるぞ」

「興味あるけど、今は見るの止めとくわ。なんだか怖いものもありそうだし」

「ふっ。そうだな」





それから30分ぐらい経つと、明かりも近くなるにつれ多くなり、国境付近に待機している兵士の姿も見えた。

門も見え、やっと到着出来たようだ。


道沿いではさすがに目立つので、少し離れたところで茂みに隠れる。

馬から降りて男から入国書を受け取る。


「あとこれも持っていけ」


そう言って渡された袋の中身を見ると、お金が入っていた。


「隣国でも使える金だ。あって損はないだろう」

「こんなに良いの?貰える物は遠慮なく貰うけど・・・本当に変な人。これは用意された物じゃないでしょ?あなたが貰うはずのお金じゃないの?」

「お前が変だから影響を受けたのかもな。これ以上にちゃんと金は貰う予定だ。これは予備用だから気にするな」

「あらっ?そうなの。それじゃ遠慮なく頂くわ」


本当は予備ではない、と思ったけど逆に遠慮したら悪いから貰いましょう。

誰もしらない場所へこれから行くのは正直怖いけど、誘拐犯とここまで仲良くなれるんだから隣国でも上手く生きていけるはずよ。

今から出会う人達を考えるとワクワクしてくるわね。


「それじゃ、ここで別れましょう。短い間だったけど感謝してます」

「そうだな。これ以上は危険だ。あぁそうだ。一応念のため言っておくぞ」

「何かしら?」

「お前性格は面白いが、黙っていたら綺麗だから色々気をつけろよ」

「私なんて普通よ。髪も目も平凡な茶色だし。まぁ、忠告は一応聞いておくわ」

「俺は言ったからな。じゃあな」

「さようなら」


そう言って私は背を向け馬に乗る。

別れはアッサリとしていて、逆にそれが良かった。

たった数時間の間だったけど、面白い人達に出会えたわ。




門まで近づき、馬から降りて門番の人に入国書を見せる。

すると何故か目を大きく見開き、入国書と私の顔を交互に見てくる。

・・・その入国書偽物じゃないでしょうね。ここで捕まるのは嫌よ。

とりあえず笑って誤魔化せとばかりに門番の人に向かって笑いかける。

笑いかけると何故か顔を真っ赤にされて、簡単な質問があるのでこちらに来て下さい、と言われる。

風邪かしら?これから身一つで暮さなきゃいけないんだからうつすのだけは勘弁して、と思いながらとりあえず門番の人について行く。


「どうぞ」

「ありがとう」


質素な扉を開けてもらい部屋に入る。

部屋に入ると机と椅子と――――男が1人いた。


「・・・・・・部屋間違えたみたいです。失礼致しました」


そう言って急いで部屋から出ようとした私の腕を男が掴む。

え――――っ!?部屋は狭くても結構距離はあったと思うんですけど。

瞬間移動ですか?そんな技をお持ちでしたか?


現実逃避をするように変なことを考えている私を置いて、門番が部屋から出て行く。

ちょっと!おいこら門番。勝手に出て行って扉閉めるな!

この男と私を2人きりにしないで~~~!


「どうして逃げるんです?逃がすわけないでしょう」


腕を掴んでいる男は――――私が逃げ出した原因の第一王子レン様だった。

相変わらず甘ったるい顔に金髪のサラサラした髪、漆黒の目・・・間違いなくレン様だった。

けどいつもとは違い、その漆黒の目は細められジッと私を睨んでくる。


「何故レン様がいるんですか?」

「大切な婚約者が誘拐されましてね。それで調べたら1人の男に行きついて丁寧に頼んだら教えてくれたんですよ。誘拐した実行犯達もあなたに手荒なことはしない人物でしたので、ここで待ってたんです。ここなら絶対あなたを捕まえられますからね」


誰か知らないけど、黒幕なら最後までちゃんとしなきゃダメじゃない!

なに教えてるのよ。あなたのおかげで逃げれたのに、あなたの所為で捕まっちゃったじゃない!


「あら~それは大変でしたね。けど、私どうしても隣国に行きたいんです。だから誘拐されたままにして見逃して下さい」


ここで持っていたお金を少しレン様に渡す。


「なんですかこれは?」

「賄賂・・・ではなく私からのほんの気持ちです。見逃して下さいませ」

「これで見逃せと?」

「はい。私はこれから隣国で行きます。そして自分の身の丈に合った方といずれ結婚したいと思いますわ」


だから今は見逃して、いずれレン様に合った方と婚約なり結婚して下さい、と言おうとしたらいきなり抱きあげられ・・・・お姫様抱っこをされてしまった。


「なっ・・・何を?」

「少しあなたと気持ちがすれ違っていたようです」

「はっ?」

「俺があなた以外と結婚なんてすることなんてないです。今まで限られた時間の中で気持ちをずっと伝えてきたつもりですが・・・上手く伝わってないみたいですね」

「えっ?」

「それに俺に賄賂をしても無駄です。国1つ持ってこられても了承しませんよ。――――お仕置きですね。気持ち良いのがいいですか?痛いのが良いですか?」

「ど、どっちも嫌です」

「それなら今日は痛い方にしましょう。大丈夫ですよ。慣れたらそれすらも気持ち良くなりますから」


そう言って爽やかに笑ってこられても、嫌な予感しかしないんですけど!

逃げ出そうと暴れてもがっちり押さえられ、逃げ出す隙間なんてない。

っていうか痛いのってやっぱりそういうことかしら。・・・・純粋だったあの頃に戻りたいわ。


「今日・・・いえ数日前から機嫌が悪いので、少し羽目を外してしまかもしれません」

「えぇっ!?」

「愛しい婚約者が王宮に行く前に慣れ親しんだ別荘に行きたいと言っていたので、最後に・・・と思い許したのがそもそも間違いだったみたいです」

「・・・・・・」

「これからは離しませんので、覚悟して下さい」


怖いっ!怖すぎるわ!

さっきまでいた誘拐犯の方が良い人に見えるのは気のせい?


「怯えた表情も素敵ですね。もっと苛めたい気持ちになります。ふふふ。今なら父上の気持ちが分かった気がしますね」

「・・・・・・分かりたくないです」

「大丈夫ですよ。もう少し一緒にいれば分かってきます」


分かりたくありませんって言いたいけど、言ったらどうなるか分かるから敢えて黙るわ。

賢いわよ。私!


・・・けど本当に申し訳ないと思ってしまう。

せっかく誘拐してくれてここまで来れたのに、結局捕まるなんて。

出来ればもう一度誰か分からないけど、誘拐してくれる・・・わけないわよね。

それにあの誘拐犯達無事に逃げれてるかしら?この悪魔・・・いえ、王子から無事に逃げてることを祈るしかない。

もし捕まっても何とかして逃がしてあげましょう。

それにしてもこの先私の人生どうなるのかしら・・・。


「はぁ・・・」

「溜息なんて酷いですね。こっちは本当に心配したんですよ」

「それは申し訳ありませんでした」

「棒読みで言われても心に響かないですよ。―――――少し早いですけど、子ども作りましょうか?」

「はっ?」


驚いて顔を上げると、キラキラした笑顔のレン様がいた。


「まだまだ2人でいたかったので、もう少し後でも良かったですが・・・子どもが出来たら離れることはないですよね?」

「あっあの・・・レン様?」

「大丈夫ですよ。子どもが出来ても一番愛してますから」


そう言って頬に口づけを落とされる。

勝手に話が進んでますが、あまりの展開の早さで私はついていけないのですけどっ!


「ミーナは自分の気持ちに気づいてないだけですよ?ちゃんと私のことを好きだって知ってますから」

「えぇっ!?」


勝手に話を作らないで下さい、と言おうとしたら今度は口を塞がれる。

・・・キスされてしまったわ。いえっ何度も実はされてますし、それ以上のことも・・・・ここでは考えるのは止めにしましょう。疲れるから。





そのまま近くに宿(十分立派だったけど)に連れて行かれあとは・・・・ご想像にお任せします。


そして結婚のお披露目と共に懐妊の報告もあったのは言うまでもないことよね。



ここまで読んで頂きありがとうございました。

分かった人はすぐに分かったと思いますが、レンはグレンとリンの息子です。

その息子の少し?変な恋愛話でした(笑)

本編の方が完結してないのに、短編書いちゃいました。

けど、楽しかったです!


また機会がありましたら、短編で書きたいと思います。

本当にここまで読んで頂き、ありがとうございました!

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