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選ばされた婚約者 〜あみだくじで婚約者を奪われ続けた伯爵令嬢は、ついに“当たり”を引く〜  作者: HIME-HIRO


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第一章 当たりの行方 二話

第一章 当たりの行方 二話


 最初の頃は第一章 当たりの行方 二話

 最初の頃は、本気で悩んでいた………


 幼馴染が病弱だというなら、それは気の毒なことだと思った。

 婚約者が状況によってはそちらを優先するのも、責められないと考えた。


 だから、自分で決めた。

 そのはずだった。


 最初は、楽しみにしていた観劇の日だった。

 次は、二人だけで庭園を歩く約束をした午後。

 その次は、彼女の誕生日に合わせて開いた小さな茶会。

 舞踏会の前夜、仕立て上がったばかりの衣装を見せる約束もあった。


 ……けれど、そのたびに届く。


 ――体調が急変しました。

 そして、あみだくじが差し出される。


 一度。

 二度。

 三度。

 十度………


 数えるのをやめた頃には、ようやく気づいていた。


 ――一度も、当たらない。


 最初は偶然だと思った。

 次は運が悪いだけだと思った。

 その次は、今日は当たるかもしれないと願った。


 そして今では、当たりを引くことだけが目的になっていた。


 もし『約束を守る』が出たなら、その場で言ってやるのだ――


 あなたのその偽善じみた取り決めが、どれほど気色悪いか。

 私はとうにあなたを愛していない、と――


 けれど、その機会は訪れない。

 なぜなら、毎回、外れるから。


「お嬢様」


 侍女のルネが、花束を抱えて入ってきた。


「また、ハーバル様からです」


 見れば、安価な季節花を寄せ集めた、見栄えだけはいい花束だった。


 毎回同じ。

 札だけ違う。


『埋め合わせはする……?』


 ディアナは笑った。


「ずいぶんとお安い埋め合わせね」


 そう言うと、ルネは困ったように目を伏せた。


「……処分しておきますか」


「いいえ」


 ディアナは花瓶を指した。


「飾っておいて」


「お好きではないでしょうに」


「嫌いだからよ」


 この安っぽい花がゆっくりと色を失い、やがて枯れてゆくのを見ると、少しだけ胸が晴れた。


本気で悩んでいた………


 幼馴染が病弱だというなら、それは気の毒なことだと思った。

 婚約者が状況によってはそちらを優先するのも、責められないと考えた。


 だから、自分で決めた。

 そのはずだった。


 最初は、楽しみにしていた観劇の日だった。

 次は、二人だけで庭園を歩く約束をした午後。

 その次は、彼女の誕生日に合わせて開いた小さな茶会。

 舞踏会の前夜、仕立て上がったばかりの衣装を見せる約束もあった。


 ……けれど、そのたびに届く。


 ――体調が急変しました。

 そして、あみだくじが差し出される。


 一度。

 二度。

 三度。

 十度………


 数えるのをやめた頃には、ようやく気づいていた。


 ――一度も、当たらない。


 最初は偶然だと思った。

 次は運が悪いだけだと思った。

 その次は、今日は当たるかもしれないと願った。


 そして今では、当たりを引くことだけが目的になっていた。


 もし『約束を守る』が出たなら、その場で言ってやるのだ――


 あなたのその偽善じみた取り決めが、どれほど気色悪いか。

 私はとうにあなたを愛していない、と――


 けれど、その機会は訪れない。

 なぜなら、毎回、外れるから。


「お嬢様」


 侍女のルネが、花束を抱えて入ってきた。


「また、ハーバル様からです」


 見れば、安価な季節花を寄せ集めた、見栄えだけはいい花束だった。


 毎回同じ。

 札だけ違う。


『埋め合わせはする……?』


 ディアナは笑った。


「ずいぶんとお安い埋め合わせね」


 そう言うと、ルネは困ったように目を伏せた。


「……処分しておきますか」


「いいえ」


 ディアナは花瓶を指した。


「飾っておいて」


「お好きではないでしょうに」


「嫌いだからよ」


 この安っぽい花がゆっくりと色を失い、やがて枯れてゆくのを見ると、少しだけ胸が晴れた。



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