第9話 覚醒の序ノ口
永野優
本作の主人公。
音無紅寧
永野優の彼女で幼馴染。大人びた性格の持ち主。
黒沢海斗
優の幼馴染で親友。いつも優とふざけあっている。
藤宮雫
海斗の一つ下の彼女。紅寧を尊敬している。
霜月雪乃
転校してきた謎多き少女。
杉山海凛
超能力者保護機構の頭。
佐藤健
超能力者保護機構の副長と運転手である。杉山とは幼馴染である。
優はストレッチ後、3階に向かった。そして豪力の部屋に入った。
「来たか、永野」
「はい、なぜここに呼ばれたんですか?」
「まぁいいからそこに座って」
「はい」
豪力の向かいある3人掛けのソファに座った。
「本日ここに呼んだ理由は2つある。1つ目に毎日やる訓練メニューについてだ」
「訓練メニュー?」
「そうだ、今日やった訓練とそれとは別で自分の気を感じとる訓練だ」
「それらをやるのはわかるんですが、気を感じとる訓練がいまいちイメージできないのですが。」
「簡単だよ。自分が落ち着く場所で目を瞑って頭の中を空にする。自分の中にある異質な力を感じ取れれば成功だ。試しに家でやってみるといいよ」
優はその場で試してみると、周囲の物が突然、揺れ始めた。そして豪力は驚いた様子を見せた。
「ストップ」
優が気を感じ取るのをやめた途端に物が揺れるのも止まった。
「初めてにしてはなかなかやるな、そこまで出来たら結構上出来だ」
「ありがとうございます」
「最後になぜ能力者が訓練すると思う?」
「能力の暴走とかじゃないんですか?」
「それもあるがそれだけじゃない、稀に未知の生物とそれらを崇める宗教団体の殲滅だ」
「未知の生物ってどう言う事ですか?」
聞かれた豪力は15年前に起きた事を話した。
「カエデスを倒した人物は何者なのか、なぜその事件をきっかけに能力を発現する人が現れたのかすらも何も分かってない。それ以降何処からか聞きつけた人々がカエデスを信仰し始めた」
「事情は分かりましたけど、なぜカエデスを崇める人達が出たんですか?完全に歴史から消されたはずですよね?それに当時はSNSは普及したばかりだからそっちから情報が漏れる事はないですよね?」
「詳しくはわからないけど、何処からかカエデスの事を聞きつけた人が人に話して崇める人が増えているみたい」
「それじゃあ、組織の中に情報漏洩した人がいるって言う事ですか?」
「そう言う事になる」
「カエデスの存在が分かったとしても崇拝する理由はないじゃないですか?」
「崇める人達の主張だと人口増加を抑制する為に現れたのが神からの使者カエデスって言ってる。今はカエデス復活を進行している」
「その宗教団体ってなぜこの組織と敵対するしているんですか?」
「能力者がカエデスの脅威になる事と能力者の存在を公表していないからだ」
「能力者の存在なんてSNSを使えば効率に広めれば政府だって認めざるを得ないじゃないですか?」
「今の時代、加工やCGが高度になっているからあまり話題には上がらないからな。そろそろ迎えが来ると思うから、もう帰った方がいい」
「わかりました、ありがとうございます。それでは失礼しました」
優は剛力の部屋を退出して地上に出た。
「やぁ永野くん。また会ったね」
「佐藤さん、今日もお願いします」
軽い挨拶をしてから2人は車に乗り出発した。
「今日訓練所に行く時運転手、佐藤さんじゃなかったですよね?」
「そうだね、色々と立て込んでてね」
「佐藤さん今日はなぜ訓練所いたんですか?」
「ちょっと幼馴染に誘われてこっちに来る事になってね」
「そうなんですね。幼馴染って誰ですか?」
「海凛だよ」
「杉山さんなんですか?じゃあ佐藤さんもすごい人じゃないですか?」
「そうでもないよ、一応、組織の副長的な事をやらせてもらってるけど」
「いや、副長がなぜ運転手をやっているんですか?」
「海凛に言われてね」
「結構雑に扱われていますね」
「まぁそのぐらいの立場が楽なのかもしれないけどね」
「今日は豪力の訓練?」
「はい、そうですね。腹筋、腕立て、スクワットをそれぞれ300回ずつやれって言われてかなり堪えましたけど」
「それはまだ序ノ口だよ。豪力の訓練はこれからが厳しくなると思うよ。豪力はかなり見る目あるから今日の訓練の具合によって明日以降の訓練メニューを決めてると思うよ」
豪力はくしゃみをした。
「風邪かな?風邪を引くキャラじゃないんだけど、それよりも永野の訓練メニューを決めないと」
「多分、豪力は自室でニヤニヤしながら地獄のメニューを決めていると思うよ」
「なるべく勘弁して欲しいですね」
2人は笑った。そして優の家の前についた。
「ついたよ」
「ありがとうございます。お疲れ様です。」
「お疲れ」
優は車を降りてドアを閉めた。佐藤は車を出発させた。優は家の玄関のドアを開けた。
「ただいま」
「おかえり」
家で待っていた紅寧がリビングから飛び出して優に抱きついた。
「何処行ってたの?」
「知り合いの服選びに付き合ってた」
脳裏に浮かんだ言葉を、咄嗟に口にした。
「そうなの?それよりご飯食べた?
「いや、まだ食べないよ」
「今、ご飯あるから一緒に食べよう」
「うん、分かった」
2人はご飯が用意されている机に座った。そしてご飯を食べ始めた。
「下校中に話しかけて来た人はどう言う繋がり?」
「親の繋がりでよく遊びに行ってた人だよ」
「そう言えば私まだご両親に会った事ないから挨拶したいのだけど」
「親の仕事次第だけど、また今度ね」
「うん、絶対に挨拶させてね」
「分かった。それより、このオムライス美味しいね」
「ありがとう」
「明後日でテスト終わりだけどテスト大丈夫そう?」
「まぁ大丈夫でしょ」
「大丈夫ならいいけど」
「テスト開けデート場所行きたい所ある?」
「遊園地が行きたいな」
「いいよ、何処がいい?お台場とか後楽園とか色々あるけど」
「それは優に任せるよ」
「分かった」
2人はオムライスの最後の一口を食べた。
「ごちそうさまです」
「おそまつさま」
2人は両手を合わせて言った。
「それじゃ私は家に帰るね」
「うん、分かった気をつけてね」
紅寧はまとめている荷物を持って2人は玄関に行き紅寧の家に向かった。
「優は私の目の前からいなくなったりしないよね?」
「どうした?急に」
「何となく」
「大丈夫だよ、僕は何処にも行かないから」
「そう?それならよかった」
「そうだ、また今度僕も紅寧のご両親に挨拶しないと」
「いいよ、近いうちにね」
2人は紅寧の家の前についた。
「また明日ね。ちゃんとテスト勉強するんだよ」
「わかった、今日はありがとうね」
紅寧は家に入り優は家に帰った。翌日、優は学校についた。そして雪乃が教室に入って来て自席についた。
「霜月、放課後2人で少し話さない?」
「いいよ」
「あれれ?優まさか?浮気ですか?」
「違うよ、ちょっと霜月に聞きたい事があるからね」
「どう思う?紅寧さん」
「私は優を信じてるから何も問題もないよ」
永野達はテストを受けて放課後になった。
「霜月、じゃあちょっと話そうか」
「うん」
2人は屋上に向かった。
「何で呼ばれたか心当たりはあるよね?」
「うん、組織の事でしょ?」
「そうだよ、組織を知ってるって言う事は霜月も能力者?」
「うん、私も能力者だよ」
「何であの組織に入ってるの?」
「昔、杉山さんに助けられてね。その時に能力も発現して組織に入ったからかな」
「この学校に転校したのって、能力者の監視?」
「うん、けど主にあなたの監視。今の所はこの学校は能力者は私達を入れて3人いる」
「3人?あと1人は?」
「あと1人はまだわからない。私の方で手掛かりを探している」
「そうか、わかった。また何か聞きたいことがあったら聞くよ」
「ええ、いつでもいいよ。それにたまに訓練所にもいるからそこで聞いてもらってもいいよ」
「わかった。ありがとう」
2人は自教室に戻り帰る準備をした。
ここまで読んでいただきありがとうございます。もし時間がありましたら感想などよろしくお願いします。




