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きみを救う僕は  作者: 柊天馬
第2章 夏休み編
15/15

第15話 重圧とサイレン

永野優ながのゆう

本作の主人公。


音無紅寧おとなしあかね

永野優の彼女で幼馴染。大人びた性格の持ち主。


黒沢海斗くろさわかいと

優の幼馴染で親友。いつも優とふざけあっている。


藤宮雫ふじみやしずく

海斗の一つ下の彼女。紅寧を尊敬している。


霜月雪乃しものつきゆきの

転校してきた謎多き少女。


杉山海凛すぎやまかいり

超能力者保護機構の頭。


佐藤健さとうけん

超能力者保護機構の副長と運転手である。杉山とは幼馴染である。


豪力康雄ごうりきやすお

力が強そうな見た目をしている。訓練司令官である。


「全国?そんな人員いたっけ?」

「いや、いない。うちの組織の半分は非能力者だ。だから部隊のほとんどが非能力者で構成される」

「じゃあ、もしもの時があったらどうするの?」

「周辺にいる部隊と協力して対処する予定である。そこで君に配属してもらう場所はここだ」

 杉山の後ろにあるホワイトボードを回転させた。そこに大きく書いてあったのは国分寺だった。

「国分寺って東京かよ」

「君にとっても嬉しいかなって思ってな。部隊メンバーとかその他諸々全部その資料に書いてあるからよく読んでいてね

「わかった、じゃあ訓練に戻っていい?」

「いいよ、頑張ってね」

 2人は訓練所に向かい杉山は優に手を振って見送った。

「今回は被害少なければいいけど」

 2人は訓練所に行き優はストレッチを始めた。

「今回はどんな訓練ですか?」

「今日は、りんごを狙って能力を使え」

 壁際にあった机にりんごを置いた。

「そのりんごどこから出したんですか?」

「それはあんま言及はするな」

「それより他の物どころか自分ですら1回したっきり能力を使ってないんですけど」

「いいから、やってみろ」

 優は小さく息を吐き、机の上のりんごを見つめた。  かつて一度だけ発動したあの感覚。全身の血液が熱くなり、視界が歪むような。だが、今はいくら意識を集中させても、指先一つ熱くならない。

「……はぁっ!」   

 勢いよく手をかざしてみるが、りんごは赤々と鎮座したままだ。風の一つすら起きない。

「……。これ本当にできると思っているんですか?」

「質問をする余裕があったら集中しろ。実戦じゃ、その一瞬の迷いが命取りになる」

 教官の言葉は重い。国分寺、非能力者の部隊、そして自分。  もし現場で能力が出せなかったら、死ぬのは自分だけじゃない。守るべき非能力者の仲間たちまで巻き添えにする。その重圧が、優の肩にじわじわと食い込んでいく。結局、その日の訓練でりんごが動くことはなかった。 汗だくで更衣室に戻り、杉山から渡された資料を開く。そこには配属先のメンバー表が並んでいた。そこには『カルイ…正体不明の怪獣』など記してあったが、優の目はある一点で止まった。

「……なんだこれ」

 部隊の備考欄に書かれた、奇妙な注釈。 『本任務の真の目的は、対象の討伐ではなく――』

 その先を読もうとした瞬間、訓練所にけたたましいサイレンが鳴り響いた。優は更衣室を出た光景は訓練所にいた人達が慌てた様子だった。

「指令、指令。今すぐ能力者は地上に出てカルイの対処してください」

 建物全体にアナウンスが流れた。

「丁度いい所にいた。永野くん」

「松本さん、これは何ですか?」

「15年前のカエデスがまた繰り返しそうなんだよ。まぁそれよりカルイの対処に行くぞ」

「はい!」

 2人は地上に出て見た光景は街を火の海にしているカルイが暴れていた。

「あ、松本さん。急いでください、今から私の能力で浮遊させるんでカルイの元までお願いします」

「わかった、さっさと頼む」

 近くにいた女性が2人を浮かせた。

「浮かの初めて何だけど」

優は離れながらも浮遊をして2人はカルイがいる場所まで向かった。


ここまで読んでいただきありがとうございます。感想などありましたら気軽に書いて欲しいです。次回以降のモチベになります。

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