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きみを救う僕は  作者: 柊天馬
第2章 夏休み編
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第11話 相性の概念

永野優ながのゆう

本作の主人公。


音無紅寧おとなしあかね

永野優の彼女で幼馴染。大人びた性格の持ち主。


黒沢海斗くろさわかいと

優の幼馴染で親友。いつも優とふざけあっている。


藤宮雫ふじみやしずく

海斗の一つ下の彼女。紅寧を尊敬している。


霜月雪乃しものつきゆきの

転校してきた謎多き少女。


杉山海凛すぎやまかいり

超能力者保護機構の頭。



「この後、どうしよか?」

「一緒にご飯でも食べに行く?」

「うん、行く」

「何がいい?」

「回転寿司がいいな」

「早速行くか」

 優はタクシーを止めて近くの回転寿司に向かった。その後、2人は寿司を食べ終わった。そして翌日優はインターフォンで目覚めた。

「誰?こんな時間に?って、もう12時!?時間が経つのが早い」

 優は不意に時計を見た。時計には昼の12時を回ってた。

「永野くーん、迎えに来たよ」

 インターフォン越しに身に覚えのない疲弊した顔つきに、一切の感情を宿さない鋭い老練の目を持つ中年の男が立っていた。

「誰ですか?」

「あれ?杉山くんから何も伝わってない?まぁいいや、私は松本直樹だ。家に入らせてくれ少し話をしよう」

「いや、知らない人を家には入れたくないです」

「じゃあ、杉山くんに確認をとってくれ」

「わかりました」

 優はスマホを手に取り杉山に電話を掛けた。

「あ、もしもし?永野から連絡するの珍しいじゃん、どうしたの?」

「どうしたのじゃないよ、なんか家に松本直樹って言う人来ているんだけど?」

「あ、そうだ。今日、永野の訓練に専属で見てくれる人が来る事言い忘れてた」

「なんで、そんな重要な事を忘れたいるんだよ。それに豪力さんの訓練があるじゃないですか?」

「豪力は交代してもらったよ」

「なぜ交代した?豪力さんが監督でいいじゃないですか?」

「豪力の能力と優の能力だと相性が悪いからだ」

「そもそも豪力さんの能力って何ですか?」

「あれ?豪力から聞いてない?豪力の能力は見た目の通り怪力だよ」

「そうなんですか?それでなぜ相性が悪いくなるのって物理的な奴ですか?」

「そうだね、だから交代するのを許可した。そこでそこにいる松本が次の監督官って言う訳。それで豪力の伝言で初日の訓練を毎日やれだって、俺は忙しいからじゃあね」

 杉山は勢いよく電話を切った。

「確認が取れましたので上がってください」

 優は松本を家に入れた。そして松本は席に座り優はお茶を出した。そして松本の対面に座ったり

「いやー申し訳ないですね、急に来てしまってね」

「しょうがないですよ、伝えて忘れた杉山さんが悪いですから」 

「それに今日はいい天気だ、こんな日には外で散歩がしたくなる」

「今日来たのって世間話をしに来たんですか?」

 優は少し食い気味に聞いた。

「そうカリカリするなよ、別にその話をしに来たわけではない。それに杉山は君にあまり情報を伝えてないようだしな」

「というと?」

「今日の用件を今から話す、落ち着いて聞いてくれ。15年前のカエデスがまた起きる」

「え!?また起きそうってどう言う事ですか!?」

 優は立ち上がって言った。

「だから落ち着けって」

 優は座り落ち着いた。

「それはなぜ起きるのですか?」

「それはうちの組織に予言の能力を持つ人物がいてな、その人物が予言したんだよ」

「予言者?そんな能力を持つ人がいたんですね」

「色々制約はあるがな、まぁその人物がいるなら間違いはない。それで早急に新人教育をしなければならない、そこで交代したのが私だ。君となら能力の相性もいいしで選ばれた」

「わかりました、能力の相性とかあるんですか?」

「それはあるよ、例えば豪力だと能力を具現化して使う具現化系能力に対して君の能力は恐らく死に戻り系の能力だから概念系能力に分類される。それぞれ能力が暴走した時にそれぞれの能力系統でしか抑えられないからな」

「そんなの初耳ですよ」

「そこで君と同じ系統の私が監督を変わったて言う訳だ」

「じゃあなぜ最初からそうしなかったんですか?」

「それは能力の発現したばっかりの子は能力をまともに扱えないから、まず最初に体作りをしなければならない。だから体作りを得意とする豪力が選ばれた訳だ」

 優は腕を組み、納得したように頷いた。

「なるほど、松本さんがおっしゃる事はわかりまし。それで訓練はいつから始めるんですか?杉山さんは『豪力の初日の訓練を毎日やれ』って言ってましたけど」

 松本は手に持っていた湯呑みを静かに置いた。その動作一つにも無駄がなく、優は少し身構えた。

「訓練は、今からだ」

「えっ?」

 優は思わず声を上げた。松本は表情を変えずに続ける。

「豪力の伝言は、体を鍛える部分だけだ。概念系の君にとって、今日から毎日やるべきことは、肉体的な鍛錬とは少し違う」

 松本はカバンから、一冊の薄いノートとペンを取り出した。

「君の能力、死に戻りというのは、言ってしまえば未来を作り変える能力だ。これを使いこなすには、君の思考そのものを訓練する必要がある」

 優は緊張しながら、松本が差し出したノートを受け取った。

「これは、君がこれから毎日書き続けてもらう『概念記録』だ。いいか、初日にやってもらうのは、君自身の『未来操作』を明確にすることだ」

 松本は優の目を見た。その鋭い老練の瞳には、一切の迷いがない。

「永野優、お前が思う『未来』とは何だ? それをノートに書いてみろ。それが、お前の最初の訓練だ」

 優は差し出されたノートの表紙を見つめた。表紙には松本の字で『概念系記録』とだけ書かれている。これがこれまでの豪力の訓練とは全く異なる訓練で自分の能力の根幹に関わる訓練なのだろう。

「わかりました」

 優は静かに答えた。そして不意に疑問が出た。

「あの、松本さんなぜ僕の能力を知っているんですか?杉山さんから聞いたんですか?」

 松本は茶を一口すすり優の問いを動じる事なく答えた。

「私が知ってる事、杉山が知ってる事。そして、お前がまだ知らない事、知り得ない事は全てカエデスに繋がっている。そんな事より目の前の訓練だ。いいか、この訓練は誰のためでもない。お前が、お前自身を殺さないためにやるんだ。まぁ用件も済んだし今日は帰る、それじゃあ」

 松本は帰った。松本の言葉は、重い予感となって優の胸にのしかかった。彼の顔つきと目の奥に、優は抗いがたい権威と真実の重さを感じた。


ここまで読んでいただきありがとうございます。更新日を過ぎてしまい申し訳ございません。次回は25日に投稿する予定なのでぜひ続きも読んでいただけると嬉しいです。また、感想など書いていただけると私の励みになります。

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