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二人の決意
その夜、太郎と家康はオフィスで遅くまで残り、コンビニ弁当を食べながら話した。家康はふと、戦国時代の話を始めた。「某は天下を取ったが、失ったものも多い。息子・信康を、己の手で…」 家康の声は震え、目を伏せた。太郎は初めて見る家康の弱さに驚きつつ、自身の過去を語った。
「俺もさ、昔は広告で世界を変えるって夢見てた。でも、電王社でアイデア潰されて、自信なくして…。じいちゃんに出会って、初めてまた夢見てるんだ」
家康は太郎を見据え、静かに言った。「太郎よ。天下とは、金や力ではない。民の心を掴み、共に未来を創ることじゃ。某はもう一度、それを証明したい」
二人は缶コーヒーで乾杯し、「天下統一」を誓った。渋谷の夜空に、星は見えなかったが、太郎の胸には希望の光が灯っていた。