徳川家康流バズらせ方
数日後、太郎と家康は松月堂の工房で撮影を開始。職人たちが黙々と羊羹を練る姿、松本社長が若い頃に祖父から学んだ話を語る姿を、太郎がスマホで撮影。花子が加わり、動画にキャッチーなBGMとテロップを付けた。「150年の味、キミの街の誇り」「松月堂、家族の絆を繋ぐ」――シンプルだが、心に刺さるメッセージ。
家康は撮影の合間に、松本と盃を交わした(日本茶で)。「松本殿。某も戦国の世で、家臣や民の心を掴むに苦心した。貴殿の和菓子は、民の心を一つにする力がある。信じよ」
松本は目を潤ませ、「…うちの羊羹、ほんとにそんな力があるのかな」と呟いた。家康は頷き、「力はある。後は、旗を高く掲げるのみ」と答えた。
キャンペーン動画はSNSで公開され、瞬く間に10万いいねを突破。コメント欄には「地元の誇り!」「こんな和菓子屋、知らなかった!」「職人さんカッコいい!」と若者の声が溢れた。店舗には客が殺到し、松本は目を丸くして太郎に礼を言った。「佐藤君、徳川さん。あんたらの言う通りだった。契約、続けてくれ!」
太郎はガッツポーズ。家康は静かに微笑み、「初陣、勝利じゃ」と呟いた。