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『広告』という戦場

翌朝、太郎のアパート。家康は太郎のTシャツ(「I ♥ TOKYO」と書かれたダサいもの)を無理やり着せられ、ソファにドカッと座っていた。「この薄っぺらい鎧、防御力ゼロじゃ!戦場で着れば即死ぞ!」と文句を垂れつつ、コンビニのおにぎりを頬張る。海苔が歯に挟まり、「この黒い布は何だ!?」と騒ぐ姿に、太郎は半笑い。


「じいちゃん…じゃなくて、家康さん。ほんとにあの徳川家康なの?1603年の江戸から来たって、マジで?」


「うむ。某は天下を統一し、江戸幕府を築いたばかり。されど、何者かの妖術か、光に包まれこの世へ飛ばされた。神仏の思し召しか、試練か」


家康の落ち着いた語り口に、太郎は半信半疑ながらも引き込まれる。テレビでは、電王社のCMが流れていた。CEO・黒田龍一がスーツ姿で高笑いし、「我々が広告業界の王だ!未来は電王社が創る!」と豪語。家康は画面をじっと見つめ、ニヤリと笑った。


「ふむ。この『広告』とやらは、民の心を掴む術か。戦国の旗印や調略に似ておるな。民の心を一つにせねば、天下は取れぬ」


「え、広告が戦!?まあ、確かに競争は熾烈だけど…」 太郎は苦笑い。電王社では、上司にこき使われ、アイデアを潰され、クライアントに頭を下げる日々。まるで戦国時代の足軽だ。家康は立ち上がり、太郎の肩をドンと叩いた。


「太郎よ。某と組まぬか?この『広告』の戦場で、天下を取るぞ!」


「天下!?いやいや、俺、ただの営業マンだし、給料も安いし…」


「よい。某が戦国の知恵を授け、貴様がこの世の術を教えよ。まずは、この『スマホ』なる忍び道具を扱えるようにせよ!」


こうして太郎と家康の戦が始まるのであった。

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