表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/40

大好きなお兄様を守れなかったバリキャリウーマンの私が幼女に転生したので、次は絶対に大好きなお兄様を守り切ります!!.04

作:アンジュ・まじゅ

絵:越乃かん

 そんな恋をこじらせている四歳の私、アリッサ・ファーンズワースだけど、困ったことが起きている。


 大好きなお兄ちゃん──なぜこのセカイに居るのかはわからないけれど──レイモンド・ファーンズワース(と私)は、どうやら二週間前にお父さんが亡くなったみたいだ。

 お墓参りに行って、分かった。

 私の中の「四歳のアリッサ」が涙を流すのだ。

 不思議な感覚だった。

 見たことの無い人のために涙が溢れるというのは。


 だがしかし。

 困ったことは、お父さんが亡くなったことではない。

 その後のことなのだ。


「あらー、レイモンドくん、おはよう。……ねえ、()()()()、考えてみてくれたぁ?」


 厚化粧に香水がむんむん。

 五十くらいだろうか。

 年齢を省みもしない若作りが、あの御局様の宮地さんにそっくりだ。


「いいえ、バーバラ叔母さん。この家は、長男の息子である僕が継ぎます。この妹の、アリッサと一緒に」


 きゃ。

 お兄ちゃんが私の肩を抱き寄せる。

 とっても力強くて、七歳にはとても見えなくて、私(広告代理店勤務三十九歳)は年甲斐もなく頬を赤らめてしまった。

 ……でも。


 んふー。

 キッつい化粧の匂いの奥から、これまた気持ちの悪い吐息を吐いて、その御局様は言った。


「そうは言ってもねえ。もともとお母さんもいないし、お父さんもいなくなっちゃったじゃなーい? おうちの色々、オトナに任せちゃうのがいいと思うなあ。たとえばうちのオーウェンとオリヴァーとか」


「やあ、レイモンド君──アリッサちゃん。こんにちは」

「こんにちは、お二人さん」


 醜くて仕方ないバーバラ叔母さんの後ろから現れた七つくらい年上の双子の少年を見た時、私はなぜか知らない記憶がフラッシュバックして、そして気を失った。

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] フラッシュバックした途端、気絶してしまうとは想定外でした。どうなるのか気になります!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ