第三話 独白
下らない人生だった、誰からも認められず誰からも相手にされずまるでゾンビの様に自分の意志がない様に惰性で生き、日々のストレスをネットの掃き溜めや日々を楽しく生きている人達に呪詛を撒き散らしていた。
そんな俺は呆気なく死んだ、ネットに書き込みをしながら横断歩道を歩いていた俺目掛けて信号無視の車が突っ込んで来た…身体が宙に舞い激痛が全身を襲うが俺は確かにこの瞬間……清々しい気持ちになり笑顔になっていた。
目が覚めた、そこには小柄だが確かに絶世の美女と呼べる幼女が居て言われるがままに着いて行き部屋に通される、部屋にはまたしても幼女がいたさっきのとは違い強気そうでどこか異様な雰囲気を醸し出していて、子供相手に情けない事に怖かった。
暫く彼女は値踏みする様に俺をジロジロと見つめた後口を開いた
「お前ここが何処か分かる?」
「いっいえ…」
「そうか…まぁちんちくりんな身体にはなってるけど何かあったら守ってやるから安心しろ」
彼女の言葉からは異様な説得力がありつい頷いた
そこからまた沈黙が続き、褐色の幼女と如何にも遊んでそうなフワフワとしたピンクの髪で頭の中もピンクそうな馬鹿そうなギャルが入って来た。
そこからはさっきと比べて話がトントン拍子に進み、ギャルが自分の身体を見て驚きながらこっちに歩み寄り身体を押し付けて来る。
ふわりと良い香りがし身体に柔らかい物が押し付けられる…数秒思考が停止しようやくその柔らかいものが頭に乗っている胸と肩に乗せられている腕だと認識した……初めて触れるそれに心拍数が上がり顔も真っ赤に染まる。
「おーい、オタクくーん」
「ひゃっ!ひゃい!」
「あはは!何その返事と言うか顔真っ赤じゃんおもしろ…それより俺の事本当に女に見える?」
心底可笑しそうに笑いながら、俺の顔を覗き込む…人懐っこそうな顔に可愛らしい声を出しながら、よく分からない質問をしてくる…まるで元は女じゃなかった様な感じだ。
「えっ…はっはい」
その後は女神が説明をし、異世界転生をする事になった、まさかあれ程憧れていた異世界転生が出来るなんて!しかもチート能力に可愛い女の子付き!ただ異世界とか言いながら現代に転生は文句の一つも付けたくなるが特典を付けてくれたから呑み込む事にした。
そして今…目玉焼きとベーコンを食べて泣きそれを宥めていたら、泣き疲れてそのまま寝た二人に寄りかかられて俺は身動きが取れなくなっている。
両耳から聞こえる可愛い寝息に俺の頭はどうかしそうになる、そもそも目が覚めた直後の女神含めた美少女三人組に抱きつかれながらベットで目を覚ましたりと、はっきり言って童貞+女性経験無しの俺には刺激が強すぎる。
男の夢だし俺自身の夢だったハーレムが瞬く間に叶ったのだが感動よりも、残念な事に女性経験が無さすぎて逆に何もできない。
「やぁオタク君、早速ハーレムを堪能してる用だね」
俺の代わりに食器を片付けてくれた女神がクスクスと笑いながら俺の膝に座る、このちんちくりん女神と言い何でこうスキンシップしてくるんだ…!耐えきれなくなってまた異世界転生するぞ!
「俺の心臓が持ちそうにない…美少女に囲まれるって大変なんだな」
はぁっと溜息を吐く、そんな俺を愉快そうに足をブラブラさせながら俺の目の前に紙を渡してくる。
それを取ろうと手を伸ばすがむにゅっと柔らかいものがそれを妨害する…ギャルの胸がデカ過ぎたのだ、慌てて手を引っ込めて幼女の方から手を伸ばして紙を受け取る。
「ラッキードスケベおめでと、其処に君達の戸籍と名前が書いてあるからね」
紙には、神無崎晴人、柊結菜、小嵐彩音、日向結菜と書かれていた。