第二話 目玉焼きとベーコン
「本当に女になってる…」
無事に転生して、真新しい家の部屋で鏡を見ながら自分の身体を確認する、腰まで伸びているピンク色でフワフワの髪、誰が見ても人懐っこそうな可愛らしい顔立ちで女にしては高身長の背…どうやら本当に女になっている事に驚きながら、隣にいる相棒も同じくと言うかコイツは自分の背の低さに絶望しているおもしろ。
「まぁ転生出来ただけで儲けもんだろ、俺らがいた世界よりかなり平和そうだし」
「…お前は女神のあんやろうには二物どころかパイも貰ってるから言えんだよ!見ろよこのチンチクリンで貧相な身体!マスコットかよ!?何だよこの胸!!まな板に手足が生えた見たいなもんだぞ!!」
わぁ!!と若干涙目で肩を掴んで来て捲し立てるコイツを見て、外見が外見なだけに可愛いなっと思いながらギャップに爆笑しながら頭に手を乗せながら慰める。
「貧乳はステータスだ希少価値って言葉があるから大丈夫だって」
「うがあぁぁぁ!!」
胸を滅茶苦茶に揉まれてから部屋から追い出されちゃった胸揉むのが乱暴だったけど意外と………あれ?凄く良い匂いする?一階のキッチンからだ
「うわっ良い匂い、オタク君これ何作ってんの?」
「何って目玉焼きとベーコンだけどもしかして知らない?…てか近いって!危ないから離れろって!」
キッチンに行けばオタク君が何か知らないが美味しそうな物を作っていた、初めて見る物だからオタク君にくっつきながら興味津々とそれを見る、顔を赤くするオタク君にどかされ、離れた場所からそれを見る…目玉焼きにベーコン…昔に読んだ本に載っていた食べ物がまさか目の前にあるなんて。
「へぇ〜!!これが目玉焼きにベーコンなんだ!オタク君もう食べれるの?」
「……本当に知らないんだな、もうちょっとで食べれるからあの二人呼んできて」
「やった!!」
ドタドタと騒がしく階段を駆け上り相棒のいる部屋のドアを勢いよく開ける、そこでは女神に詰め寄りながらもみくちゃにしていた。
「うわっ!?」
「君顔怖いよ…」
「目玉焼きにベーコン!!」
いきなりドアを開け尋常じゃない表情と飯の名前を叫ぶ俺に二人の幼女は怯えながらお互いに抱き付くがそれを無視して二人の首根っこを掴み階段を降りる。
「うわっ!離せよデカパイ女!!目玉焼きにベーコンって何だよ!」
「目玉焼きは目玉焼きだしベーコンはベーコンだよ!!」
「だからそれが何なのか知らねぇんだよ!!」
「目玉焼きは卵を美味しく焼いた物で、ベーコンは肉を焼いた料理だよ、なるほどねご飯が出来たから私達を呼びに来たんだね」
「たく…確かにまともな飯なんか食ってないもんな…」
ドン!!っと乱暴に椅子に降ろし二人から非難の声を投げかけられながら俺も椅子に座る、オタク君の「女の子を優しく扱えよ」と言う声にまたもや幼女二人が非難の声を上げる、それを聴きながら早くご飯をと訴える…うんざりしながらオタク君は俺達の分の飯を持って来る…俺と相棒はその余りにも香ばしく食欲を唆る匂いに本能的に貪り食べる…何年もいや何十年も味気なくつまらないレーションは缶詰を食べていたからか箸が止まらず余りの美味しさと温かさに涙を流しながらあっという間に完食してしまった。
そして俺と相棒はお互いを抱き締めながら久しぶりに号泣した。