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帰りたい男の話  作者: はるゆめ
7/10

夢現

「起きて!」


夢の途中で起こされる。


「襲われてる!」


スズユフミの緊張した声。


何者かが争う音。

ナハライズミ達が誰かと争ってるのがうっすらと見える。


「じっとしていろ!」


ナハライズミの声が響く。

時折り聞こえる獣の唸り声。


スズユフミを庇うように伏せる。

心臓はまさに早鐘を鳴らすように鼓動し、喉が渇く。

怖いんだな。

そりゃそうだ。


命を狙われるような経験は無い。


敵の姿が少しだけ見える。

ありゃ何だ?

獣のような耳。

尻尾。

ナハライズミの振るう槍と打ち合ってる腕の先には……爪か?

時折り金属音がして火花が飛び散り、一瞬だけその異様な姿を照らす。


前世の記憶にあるな、ありゃ狼男か?

他の三名の護衛もやり合ってる。

物音だけだが。


俺は固唾を飲んで見ていることしか出来ない。

あんなのとやり合ったら秒で叩きのめされる自信はある。


「ナハライズミに伝わるように頭に浮かべて」

スズが俺に耳打ちする。

「獣の鼻を撹乱するから」

「わかった」

俺の思念を感じとるナハラ達。

タイミングよく敵と距離を取る。


スズは何か小袋をそれぞれの方へ投げた。


「!」

狼男らしき人影が明らかに挙動不審になる。

鼻を押さえ、くぐもった声をあげつつ、頭を激しく振るう。


ん?カメムシみたいな匂いが漂ってきたぞ。

こりゃ臭い。


そして敵は素早く逃げていく。


ほっとした瞬間、後ろから引っ張られ、浮遊感。

抱きしめられ、気分は上方向へバンジージャンプ。


あ、これ捕まったな。


耳元で聞こえる女の声。


「捕まえたぁ」


俺の意識は暗転した。

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