序.――そして悪魔は甦る
剣は、剣の形をした杭は無くなった。
崩壊が始まる。
支えを失った《牢獄》が崩れる。
牢獄全体が振動し始める。
ルシアは次元を切り裂いて外へ繋がる道をつくる。
ちょっと前まで、あの杭の所為で何も出来なかったのに、彼女は意図も簡単に次元を裂いて道をつくる。
いやしかし、次元を裂く――異なる空間同士を直結させたり目的地との距離を縮める――という行為は、結構難しいのだが……。
「なんか完全復活って感じじゃね?」
「馬鹿か。まだ一万分の一も出してない」
「嘘!?」
「嘘」
「…………」
魔女には常識はきかないらしい。
「さぁ行くぞ」
「おけ」
そして二人は、神様の籠から抜け出した。
◇◆◇
長い、長い月日が流れていった。
時間的には。
でも俺は、そんなに長くなかった気がする。
彼女との生活はそれはそれで楽しかったし。
けどまぁ、やるべき事はやっておかないといけない。
ヒナ。
シャリー。
城の皆。
それに家族や、もっとたくさんの仲間。
世界を救う、なんて大それた事は出来ないかもしれないけど、やるべき事はやっていやる。
めんどくさいけど。
でもやるって決めた。
魔王だけど。
別に魔王が世界を救ったって、いいじゃないか。
大切な人たちを、救いったっていいじゃないか。
魔王が悪なんていつ誰が決めた。
ここが始まり。
長い長い序章は、もう終わった。
めんどくさいけど。
ホントにもうマジでメンドクセェェェェけど。
やるって決めた。
俺は、神に弓引く悪魔になる。
序章で四話って……なんかしつこいな……。
まぁとりあえず、これからに期待してくれると嬉しいです。
あと感想などお待ちしています。