《4》鋼鉄の獣、狩場に姉妹。
オマージュです。
ハマン貴国。
五大列強国、クアトロリアが陥落し、日本の次の攻略対象になった国。
がしかし、ハマンは独自の兵術、戦略、兵器を製作、駆使する、中央大陸でも中々に有名な国だった。
そうそう簡単に陥落するとは思えない。
クアトロリアと、ハマンの間に存在する、大平原。
その少し手前の丘に、日本軍技術開発総長の柊紅葉はいた。
彼女が率いる軍は、グノーシアが開発したロボット、人型自在戦闘装甲騎を、見直し、改造し、改良し、新しく生まれ変わった人型自在戦闘装甲騎、《ゴーレム》だ。
そのゴーレムが、紅葉の後ろに配備されている。その数千。
紅葉は、ゴーレムたちの中でも特別に造ったゴーレムに乗っていた。
一万のゴーレムの機体情報を逐一把握できる指揮官機。
近接、遠距離、中距離戦闘においても細心の注意を払った特別機。
カラーリングは勇者姫に合わせて白と金。
「むふふふ、凄い数だねぇ」
紅葉が見ているのは、人型二足歩行のロボット。
ハマン特製の、人型自在戦闘装甲騎。元々は科学主義のグノーシアが開発したのだが、ハマンも独自に開発、実用化していたようだ。
ざっと見、五千。
国の総戦力だろうか、数が多い。
だがまぁどちらにせよ、こちらに勝てる事は無いだろうけど。
「これは、良い実戦データがとれるよ〜」
「紅葉、よだれ」
「あ、姉さん!」
紅葉は、コックピットから近くにいたメイドに飛び掛る。
柊萌黄。紅葉の姉であり、勇者姫の直属のメイドであり、全ての使用人を束ねるメイド長であり、武術の秀才。
「私の活躍を見に来てくれたの?」
「そうだねー。可愛い妹の活躍を見れるなんて、私は世界で一番幸せな姉だよ〜」
「またまた〜。姉さん大好き〜」
まぁ、違うのだけれど。
本当は、ハマン貴国にいる、武術の達人――アキス――とかいう人間を、スカウトしにきたのだけれど。
まぁ、可愛い妹の戦を見てからでも、遅くはない。
がしかし、
その可愛い妹は、独自に開発/改造した通信機を手に握りしめ、有ろう事か、こう言った。
「よっしゃあ!自在人型戦闘装甲騎部隊!テメェらのリーダー紅葉様だ聞こえるかぁ!」
誰だ。何のキャラだ。妹。
眼前に居る、人型のゴーレムが一斉に手を上げ「おおお!」叫ぶ。
ゴーレムにはスピーカーもついており、内部の人間が叫んでいるのだ。
「天候快晴視界良好!こんな戦場で負けはありえねぇ!そうだろテメェら!」
『おおー!』
「テメェらは私が自分で選りすぐった精鋭共だ!負けて私の顔に泥なんてぬんじゃねぇぞ!説明書は読んだ?熟知した?あとは気合だクソ野郎共!負けるな!死ぬな!私の願いはそれだけです!」
ここでそのネタを絡めてくる意味が解らない。
ていうか妹がわからない。
教育、間違えたかなぁ。
「うはははは!行け野郎共!ハマンの兵器を潰しまくれぇ!」
ゴーレムたちは、一斉に走り始めた。
◇◆◇
「進軍、始まりました」
見張りの部下がそう伝えてくる。
予想していたとはいえ、いささか早い。
まぁどうにしろ、作戦は決行だ。
「《鎧獣》を準備しろ!自在人型戦闘装甲騎は素早く《鎧獣》に格納!」
作戦は迅速に行われる。
◇◆◇
「んん?敵が逃げてるや」
素早く紅葉は進軍停止を伝達。
「なんだろ?怖気づいた、わけじゃないよね」
と、そこで。
丘の向こうから、巨大な要塞が姿を現した。
ははぁん、と紅葉は笑う。
「なるほど、あれが情報にあった移動要塞《鎧獣》か」
相手が秘かに開発していた兵器。
砲台、堡塁、トーチカ、高射砲陣地、指揮所、観測所、弾薬庫、油脂庫、貯水・給水施設、通信施設、待機所、医療施設、人型自在戦闘装甲騎の格納庫。
要塞の基本的要素を備える、戦車だ。
圧倒的な防御力を誇るという。
しかし、紅葉は笑う。
「あの鈍足で勝てると思ってるんだから、ハマンは馬鹿だねぇ」
事前に隠密部隊が情報を入手していたから、鎧獣対策は万全なのだ。
「全軍に通達だよー。フォックスフォーメーション。対鎧獣専用特殊兵装とジャム波長対策通信に切り替えて」
『了解』
「それから、10分後に《エクスカリバー》使うから」
その言葉に、第一部隊(切り込み部隊)の隊長が驚く。
『ちょ!《THLS》ですか!何もそこまで……」
「良い機会だし、データ採取のためには仕方ないでしょ」
『……はぁ、相変わらずマッドすねぇ総長は』
「うははは!適当に砲台でも潰したら退避してねー!巻き添え食らっても知らないよー!」
笑う。
可愛らしく、愛らしく、そして凄惨に。
彼女は、科学に狂った、狂い過ぎた少女。
パクリジャナイヨ、オマージュダヨ。リスペクトトモイウヨ。
覚えてなかった人も、そうじゃない人も、お久し振り。
知らなかった人はハジメマシテ。
また出てきました。ナイト○ア。
よりによって紅葉が白兜とは。自分でもビックリです。
イメージ的にはそのまま。指揮官機が蜃○楼の白金。他がランス○ットで。
ごめんなさい、細々描写しなくて、ホントごめんなさい。




