表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/77

序.そして魔王は降臨す――

誤字、脱字、おかしな文章は見つけ次第修正します。

 黒宮秀兎こと俺は魔王だった。やる気の無い無気力な魔王様だった。


 別に世界を滅ぼすわけでもなく、世界を征服するわけでもなく、極東の島国、絶対中立国『日本』のとある場所の魔王城にて、自由に、気ままに、だらだらと人間生活を満喫していた。

 たまに勇者やら騎士やらがやってきて「魔王死ねー!」という展開になるのだが、まぁだてに魔王をやってるわけでは無いので「嫌じゃー!」と適当にあしらったりもした。

 魔王城にはたくさんの人がいて、俺は彼らと共に暮らしていた。

 

 そんな魔王城に一人のお姫様がやってきた。


 ヒナ・ラヴデルト・フリギア。

 彼女は世界最大の軍事大国『フリギア』の第三皇女様にして、《光の姫君》という伝説級にすごいお姫様だった。

 かくゆう俺も《闇の皇帝》という伝説的にすんげぇえええ魔王様だった。

 二人は光と闇を身体に宿した、対の存在だった。


 そして彼女は俺に結婚しようと言った。

 

 俺は困惑した。何言ってんのこの人?

 しかし周囲は何故だか賛成一直線。成り行きで式を挙げ二人はめでたく結婚した。

 それから色々と紆余曲折があり、平和に、それまで通りに、自由に、気ままに、楽しく毎日を過ごし、まぁ俺自身もまんざらでもないなーと思い始めていた。のだが。


 俺こと魔王は裏切られてしまった。

 

 裏切られて封印されてしまった。

 闇の、奥の奥の奥の奥の奥に。

 誰も来ない孤独の城に。

 

 裏切ったのは親友たちだった。

 といっても俺は彼らが親友だという事は忘れていたのだが。

 曰く「闇が地上にある限り争いは無くならない」らしい。

 彼は平和な世界が欲しいらしい。

 争いの無い、平和な世界が欲しいらしい。

 理由はわからないが、その目標は共感できる。

 彼らは俺を裏切ったつもりかもしれないが、俺は全部知っていた。

 裏切る事も、全て。

 

 

 知っていた上で俺は封印された。



 魔王城の皆の記憶を消し、世界にある俺の痕跡を消し、俺は世界から姿を消した。

 でも俺は何かを忘れている気がするのだ。

 大事な大事な何かを忘れている気がするのだ。

 それは思い出さないといけない物のはずなのだ。

 忘れては行けない物のはずなのだ。


 

 それも思い出してやっと、この物語は始まるというのに……。

感想、評価、批評、指摘をお願いしていたりします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ