Summer Street Panic in 歌舞伎町
○Summer Street Panic in Kabuki-Cho
土曜日。新宿へと自転車を漕いだ僕は、空を見上げた。昼下がりの暑い太陽。そして、差し込む夏の風。あの自転車で歌舞伎町まで来たものの、どこかに置いて帰ろうと考えていた。どこか公園でもないかな。そう、勘案していた、そのときだ。パトカーが路面に止まった。ビクっとした。こういうときの警察というのははっきり言って敵だ。オレが捕まるんじゃないか。そういう予期が、脳裏を流れる。パトカーの後ろを見ると、路上で倒れている女性がいた。すぐに救急車が到着した。なんのことかさっぱりだった。よく見ると倒れた女性を救急救命士が介抱している。心臓マッサージまでしている。え?生きてるよな?ふとそんな想いが挙来した。とにかく心配が頭を巡った。結局帰ったが、気になって仕方なかった。家に到着してから気づいた。あれはカモフラージュのマッサージだ。あの女性は、死んでいた。酔っていたか何かで事故に巻き込まれたのだろう。もしかしたら、オレの身にもあり得る話だ。ぶるぶる震えた。まさかの信じられない現実が起きている。東京都は怖い町だと、認識した。