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ゲイノウ人に殺される
○ゲイノウ人に殺された夜
ニュース番組を見ていた夜、自宅で過ごしていた僕のところに、気配が来た。天の声にてやってきたゲイノウ人だと認識した。
あいつはいきなり言った。
「おまえ、しねや」
驚いたことにいきなり僕の脳内にバグが生じた。自分をコントロールできない。頭を弄られている針金虫な状況。戸惑う僕。困り果てる。頭痛が酷い。眩暈がする...。そして、ゲイノウ人は言った。
「お前、きえろや。東京から下京せえ。さいならちゃん♪」
これは通告か。僕は、東京から追い出されてしまうのか。自転車を奪ったせいか。軽く、泣けてしまった。なんでオレが。なんでここまでやって来たオレが追い出し線に当てられるんだ。なんでオレなんだ。そこまで選ばれる真実性がなかった。思わず失ってしまいそうな心の火を、自分で吹き消してしまいそうな勢いだった。僕は死んでしまうような気がした。僕は一人、むせびながら、泣いた。