004
ドワーフのカルドーー彼は頑丈で我慢強いことが一番の特徴だと言っている。今までに一度も怪我で泣いたことはなく、病気にかかったことが無いと自負している。
「カルドは筋骨隆々だよね。鍛えてたりするの?」
「いや何もしとらん。こういう体質だと思うぞ」
「そうなの?」
僕はカルドの体を少し強めに叩いてみるが、ビクともしない。岩があるようだ。
「うーん、今でも十分な気がするけど……」
「いや、アルフの考えることなら分かるぞ。魔物に攻撃されたらどうか、だな?」
「うん。耐えられるかな?」
「うーむ、一発か二発か……多くは耐えられんな」
「カルドには盾役をやって欲しいと思ってるんだ。魔物を引きつけたり、いざという時に僕らを庇ったりね」
「うむ。分かった、もっと体を強くすればいいということだな?」
「出来る?」
「何だか出来る気がするぞ。アルフが目標を話してくれてから、何かやらなければならないという気持ちが体に伝播してるみたいだ。」
カルドの言葉に、ウーフとエルドも頷く。オリビアは寝ているが、おそらく皆んな同じ気持ちで、皆んなに足りなかったのは目標だったのだと僕は思った。目標があれば生き物は少し変わる。少しずつ変わるのかもしれない。
「要は強い攻撃にも耐えられるようになればいいってことだな?反復訓練で何とかなるだろう」
カルドの頭の中には訓練内容が思いついているようだ。僕は内容を聞かずにカルドに任せることにした。