003
半妖のオリビアーー彼女は動物や精霊と会話することができ、使役することができる。精霊と協力することで、強い魔法を使うことも可能なようだ。
「オリビア、君は会話できる精霊の数を増やしたらどうかな?そうすればもっと多くの魔法や強い魔法を使えるようにならないかな?」
「なると思うよー。でもでも、あたし動物の方が好きなのよー」
「あ、そうなの。でもこの島に動物ってあまりいないからなぁ」
「そうなのよー。精霊はどこにでもいるから、精霊で我慢するのよー。だけど本当は動物と仲良くなりたいのよー」
「うん、分かった。いつか動物がいっぱいいる場所に行こう。その日を目指して、今は精霊のお友達を増やそっか」
「おお、約束なのよ。じゃあそれだけじゃなく、魔力も高めるのよー。そうじゃないと魔法使えないのよー」
オリビアは思ったよりもやる気が出ているようだ。
「魔力の高めかたって分かってるの?」
「分からないのよー。だから知っている精霊をまずは探すのよー」
ここまで喋ったところでオリビアの瞼は閉じ、座っていた体制から上半身が前に投げ出され土下座のような状態になった。
「……いつも通りか」
「いつも通りね」
イリアがため息まじりに僕の言葉を反芻し、オリビアに毛布をかけた。オリビアが眠るときはいつも突然やってくる。その度に僕は、誰かがスイッチのオンとオフを操っているみたいだなと思う。