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読んで下さりありがとうございます。

今回は、挿話みたいな物です。

まだまだ、悪役令嬢まではほど遠いですね…

「リリー?リリー?」


あら?

お母様が呼んでいらっしゃいますね…

なんでしょう…


「はい、今行きます。」


これは…なんかありそうですね。

そんな予感をビシビシ感じます。


ちょっとドキドキしながら、お母様用のサロンへ向かいます。


「いらっしゃい。リリー。」


「なんですか?お母様。」


相変わらず、のほほん、ふわーっとした雰囲気を振りまいてるんですよね…


ってそうじゃないです。

用件を聞かなきゃです。


「リリーの先生がいらっしゃったから、ご紹介をと思ったの。」


「先生…ですか?」


何の先生でしょうか。


家庭教師の方なら、初老の感じのいいお婆様が着いてくださってますよ…


あ、この世界では20歳が成人で10歳で半人前と考えられています。なので、半人前から一人前まで成長する為に、10歳から親元を離れて修行をしたり学校で寮に入る事がほとんどです。

ちなみに、貴族の場合少し違って10歳から貴族用の学園に進学し寮に入ります。それより前に、必要な知識を叩き込んでいくので、だいたい中学高等学校程度のものです。


え?どうでもいいですか?

そうですか?

続き、話しますね?


「リリー?」


「あ、なんですか?」


「だから、先生が来てるのよ。」


「何の先生なのですか?」


「ふふ…見たらわかるわ。入ってきて下さい。」


見たらわかるって…丸投げじゃないですか。

ちゃんとした説明が欲しいです…


「はい。かしこまりました。失礼しますね。」


入ってきたのは、凛とした雰囲気を持つ女性でした。

なんか、バリバリ仕事してそうです…


「リリー?」


お母様が何か忘れてない?と言う顔で、見てきます。

なんでしょう…


あ!


「リリアーネ・トパーズ・エクステリアスと申します。これからよろしくお願いします。」


本当は、以後お見知り置きをが正しいんですけど、ここはあえて、です。


「アデナ・スー・ジュエリーと申します。よろしくお願いしますね。」


にっこり笑った顔が、リヒト殿下にそっくりです。

さすが、リヒト殿下と血の繋がった相手ですね。


あ、ちゃんと説明してませんでしたね!

彼女は、リヒト殿下の叔母様です。殿下のお父様の異母妹で、王族ですが頭が良かった為、ある研究所の所長さんになっています。ちなみに、旦那様を早くに亡くされた未亡人でもあります。

っと、これ以上は不敬にあたりますね。


「アデナ先生は、今日からリリーの王妃教育をしてくれるのよ。」


やっぱりですか…


とうとう来ましたね。王妃教育。


過去の記憶で王族だった事もあるので、ある程度の常識的な部分でしたら分かりますが、細かい所は国によりますしね…

覚悟を決めなくては、身も心もズタボロになります。


この先生…たぶん怒らすと恐ろしくなる予感がしますし…


「今日からよろしくお願いしますね…えっと…」


何と呼べば…


「アデナでも、ジュエリーでも、何でもいいですよ。」


「アデナ先生で!」


「はい。」


ほんわか笑顔でそう言っていただけると、大変安心しますが…相反して怒った時を考えてしまうんですよね…

この先生は怒らせない方がいいでしょうね(二回目)


「じゃあ、早速授業をしましょうか。リリアーネ様。」


「あ、リリーでお願いします。」


「分かりました。リリー様。」


「様抜きで」


「…えっと…」


「抜きの方向でお願いします。」


「わっ…かりました…リリー。」


ごめんなさい。かなり困惑してますね。

わかります。教え子にこんな事言われて、困惑しない方はいませんよね。

でも、これだけはどうしても譲れません。

一国のお姫様だった時も、教育係には呼び捨てでお願いしてたので。


え?なぜかですか…

んー…ちょこちょこ挟んだ日本での記憶のせいでしょうか。先生に様付けで呼ばれるとむず痒いんですよね…


それだけの理由です。

はい。


「では、早速挨拶の練習からしましょうか?」


「はい。」


「まずはカーテンシーからですね。」


「カーテンシー…ですか?」


「はい。まずはやってみて下さい。」


カーテンシーですか…

それこそ基本中の基本ですね。


これくらいは…


「まずは、ひとついいでしょうか。」


「はい。」


「足を曲げすぎです。腰の角度はこのくらい。それから、身体が小刻みに震えています。体幹を鍛えて下さい。」


「はい!」


こっ怖いです!

スパルタですね?


「まだです!もっと!それから頭が下がりすぎです。普通の令嬢ならそれくらいでいいですが、仮にも王太子の婚約者です。王妃になった時のことを考えてください!」


「はい!」


「返事をする暇があったらさっさとやって下さい!」


「はいい!」


うわーん!

怖いですーーー!!


私が王族だった時の先生より怖いですーー!


優しそうだと言った人誰ですか?!(自分だ)


「ぼんやりしない!練習する!」


だんだん言葉遣いが崩れてきてます…


じゃないです!ぼんやりしてるとまた檄が…


「足が震えてます!」


「はいい!!」




***


はい。


王妃鬼レッスンが終わりました。


怖かったですー!!


鬼コーチというのがあんなにピッタリな方、他にいらっしゃらないと思うほどです。


結局、今日はひたすら挨拶の練習をしましたが、それだけで足が笑ってます。

発声練習もして、魅力的な声を出すレッスンまでさせられましたが、そのお陰か腹筋が痛いです。

明日は筋肉痛コースですね…


「お疲れ様でした。リリーお嬢様。」


「ラナンー!足が痛いーー!」


「今日は、マッサージしましょうね。」


にっこり笑顔でそう言っていただけると、とても嬉しいですね…


「明日もレッスンがあるので、疲れは今日の内に取っちゃいましょう!」


やっぱり、前言撤回です!

嬉しくない理由でした!!


「お姉様。お疲れ様です。」


「あー!タグラスーー!」


可愛い私の癒しですーーー!

彼に会えるだけで、疲れが吹き飛びますね。


「ったぁ!」


「大丈夫ですか?!」


「全く…お嬢様、筋肉痛気味なのに抱っこできるわけありませんよ。諦めて下さい。」


「ええ!私の癒し…」


「諦めて下さい。」


「癒し…」


「…」


はい。わかりました。諦めます。

わがまま言ってすみませんでした。


「お姉様?どうして遠い目を?」


ちょっと、お姉様にも色々あるんですよ。

放っておいてくれて大丈夫です。


「タグラス様。お嬢様はお疲れの様なので、そっとしておきましょう。」


「うん。わかった。」


タグラスは本当にいい子ですね…


ーコンコン


「はい。」


「失礼いたします。」


ん?この制服は…王宮?


「どうしました?」


「お疲れでしょうから、エステをする様にと、アデナ様が。」


なぬ!

わざわざエステ隊を派遣して下さったという事でしょうか…


なるほど、できた方ですね。

感謝しなければいけませんね。


「ぜひ、お願いします。」


「かしこまりました。」


それからのひと時は、至福でした。

まるで天国の様でしたとも。


ほへ〜




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーパン屋の娘になりたい令嬢は、スパルタ先生に王妃教育を開始されるが、マッサージですべてリセットされた。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




沢山のブクマありがとうございます。

評価して下さった方もありがとうございます。


短編の方も総合評価が増えていて何が増えたんだ?!となっています。


拙い物語ですが、引き続き宜しくお願いします。

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