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読んでくださりのありがとうございます。


「リリー!花ってこれでいいよね?!」


「いいと思うよ。あ、枯れたら困るから花束はそこに置いておいて!!」


「リリー!そろそろ時間やばいかも!!」


「ああ!本当だ!用意しないと…ソフィー!挨拶考えてるの分かるけど、早く!!」


「あぁ…うん……ちょっとまって…」


「ソフィー!!」


あ、皆さんどうもこんにちは。

リリアーネです。

見ての通り、バッタバタで準備してます。


何の準備かですか?

勿論、卒業式です。

あいも変わらず、人数がギリギリの生徒会で寝る間を惜しんで準備していました。

準備は何とか終わったんですが…その…去年と違う事がいくつかありまして…


まず、生徒会長がソフィーだという事です。

生徒会長は、在校生代表として卒業パーティーで、答辞を読み上げなければいけないんですね。

なので、ソフィーはその原稿を用意しなくてはいけないのですが…どうやら、全然書けていなかったようなのです。だから、原稿を書くことに一心不乱になっています。

次に、お送りする卒業生が、お世話になった先輩方だという事です。

ありがとうの気持ちを込めて、花束などを用意しなくてはいけないんです。

なので、カイリとソフィーと一緒に準備しました。花束と、筆記用具的なものと手紙です。花束と筆記用具はみんなで買いに行きましたし、手紙は昨日大号泣しながら書きました。

つまり、私の仕事は終わったんですが…ソフィーは答辞どころか、手紙もきちんと書けてなかったようです。


なので、ソフィーがとんでもない事になっています。

正に修羅場ですね。


ただ、そんな風にのんびり見てもいられないわけでして…

いつだって女性の準備は時間がかかるものですからね。

早くしないと卒業パーティーに遅れてしまいます。


「ソフィー!早く!!」


「ん…よし!終わったあ!!今行く!!」


お、ギリギリ終わったみたいですね。

急ぎましょう!!


「2人ともよく先輩に手紙書けたよね…私、泣いちゃって駄目だった…」


「私、泣きながら書いたもん。」


「すご!字が、見えなくてもう…」


「まあ…ね…字が見えなくなったっちゃあなったし。」


「そーだよね…ってかさ」


「ん?なに?」


「この状況見たら、レリィ先輩に怒られるね。」


「はしたないっ!てね…」


まあ、2人して猛ダッシュしてますからね。

はしたないって目を吊り上げて怒るでしょうね…


「ああ…!また泣けてきた…」


「泣かない泣かない。化粧のり悪くなるよ…」


「うん…」


寂しいし、悲しい気持ちも確かにあります。

でも、感情にまかせて泣きっぱなしじゃ駄目なのが令嬢という生き物でして…


「よし!」


ソフィーは自分の両頬を叩いて、涙を止めてます。

そう、その調子です!


「じゃあ、準備が終わったらね。」


「ん。」


さあ、準備をしに(猫をかぶりに)行きましょう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「…2人とも。キャラ変わりすぎ。ソフィー、涙はどうしたの?」


「あらあら。カイリアス様ったらご冗談を。

社交というのは猫を被り通すものでしてよ。」


「そうですわ。カイリアス様も昨年お分かりになられたでしょう?皆様、普段とは少々変わっていらっしゃったでしょう?」


「…でも、1番普段との乖離が激しいのは2人だと思うよ。私は。」


「カイリアス様。言葉遣いをお気をつけ下さい。」


「…そうですわね、分かりましたわ…ってこの喋り方気持ち悪いんだよね…」


「あら…そろそろお時間ですわよ。」


「本当ですわね。」


「マジじゃん…泣かないようにしないと。」


「忘れ物はされないようにお気をつけ下さいね。」


「勿論です…ソフィア様。お忘れ物です。」


「あら…いやですわ。恥ずかしい。」


え?誰が喋ってるかわからないですか?

雰囲気で察してください。

あ、決してめんどくさくなった訳ではないですからね?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「レラーノ様、テラクレス様、御卒業おめでとうございます。」


「ありがとうございます、リリアーネ様。」


「ありがとう、エクステリアス嬢。」


「いえ。本当にお世話になりましたから。」


始めに出会ったのは、レリィ先輩とテラクレス先輩でした。

日頃の感謝を込めて、花束などをお送りしました。


え?お二人は一緒に来ているのかですか?

勿論です。お二人は仲の良い婚約者同士ですから。


ああ。勿論、王太子様は隣にいません。

あの人は私をエスコートして入場して、1度踊ったら、離れて行きますからね。

ほら、今も、年上年下関係なく女性に挨拶しています。

女性にですからね?

本人曰くは、女性は可愛いから出来るだけたくさん話したいらしいです。

ただの女好きな理由ですよね。

はあ…


「リリアーネ様?」


「あ、はい!何でしょうか。」


「ふふ…急ぎの事情じゃないわよ。リア…レクリア様が来たのよ。」


「ご機嫌よう、リリアーネ様。」


「ご機嫌よう、レクリア様。」


リア先輩はどうやら、リア先輩のお兄様にエスコートをお願いされていたようです。

お兄様ですから、離れてもいいんですよね。

私の所とは少々事情が違います。


「御卒業おめでとうございます。大変お世話になりました。こちらを…」


「ありがとうございます、リリアーネ様。」


「いえ…」


喜んでいただけたみたいです。

良かったですね…


あとはタオイラ先輩ですけど…

どちらにいらっしゃるんでしょうか…あ!


「カーイリちゃん!」


「なんですか…一応、御卒業おめでとうございます。」


「お、祝ってくれるの?ありがと!」


いらっしゃいました。

今日も今日とて、カイリに絡んでいましたね。

一応夜会的なものですから、言葉遣いには気をつけて頂きたいのですが…


本来は、女性から声をかけるのはマナー違反ですが、今回ばかりはいいですよね?

そうでもしないと、気づいて下さいませんもんね。


「タ…」


「あれ?リリーちゃ…これはこれは。リリアーネ嬢。」


あ、今、名前呼びかけて、場の雰囲気を感じ取りましたね。


「ご機嫌よう、タオイラ様。ご卒業おめでとうございます。2年間お世話になりました。」


「いや…構いませんよ。わざわざありがとうございます。」


「いえ…それから、タオイラ様…」


「なんです?」


「言い直された事、気付いていないとでも思われました?」


「ごめん、ごめん。癖で…あ。」


「ごめんなさいね。リクアったらこういう性格で…」


「いえ…お気になさらず。」


「いや、リリー。私は気にしているよ。」


「リリア…あ、これは皆さまお揃いで…」


「ソフィア様…」


「また会いましたわね。」


「レリィ先輩…リア先輩…うっ…ぐす…」


あ、ソフィー泣き出しちゃいましたね。

化粧崩れちゃいますよ…


「ソフィー…泣かないの…」


「ソフィー!」


「うぅ…」


リア先輩とレリィ先輩に慰められて、さらに泣いちゃいましたね。

化粧が酷いことになってますよ…


「ソフィー…泣かないで…」


あーつられて泣いちゃいそうです。

やっぱり寂しいですから…


「リリーまで…!」


「リリーも泣かないで…すぐにまた、会えるわよ…」


「レリィ先輩!リア先輩ぃ!!」


結局、先輩方も含めて4人でわんわん泣いちゃいました。


え?カイリですか?

カイリは…終始、タオイラ先輩が付き纏っていましたよ。

はい。






2年生編終了です!

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