わたしが思う感想を書く資格のない読者
自分はどんな感想をもらっても、大抵は笑って許せるし、厳しい意見もありがたく感じています。
だから、批判的な感想や作品の欠点を指摘していただくのは、本心からありがたいし、そういった感想を書かれる事について基本的には肯定的です。
「嫌な気分になった、どうしてくれる」的な感想もありです。それはそれで読んだ上で言っていただけているなら純粋な感想なので。
こういう事は嫌なんだ、と参考になります。自分そういうのサイコパスなんで良くわからないんすよね……(嘘です)
その手の感想は嫌がる人もいるし、素人の投稿に目くじら立てるなボケっていう意見もまあわかるので、そこは人それぞれなんでしょうけど。
ちょっと笑っちゃうぐらい電波な感想をもらった事もあるし、理不尽な感想も「無茶苦茶いうなこの人」ぐらいな感じで逆に楽しく読ませていただいています。
もちろん、いわゆる図星な批判や指摘のなされた感想を読むと、自分も人間なのですごくへこんだりするんですが、これまでこちらから感想を消したことってほとんどないんですね。
善意にしろ悪意にしろ、せっかく自分の作品を読んで文章をひねり出していただいたんだから、何か消すのがもったいなくて……。
でも、それでも「あー、こいつの感想だけは無理」って人が過去にひとりだけいまして。
いや、お前も結局、強がってるけどそういう感想が嫌なんじゃねえかよ、という突っ込みはもっともなんですが、本当にその人の感想は無理で……。
まあ詳細は伏せますが、その人の感想はどう好意的にとらえても「作品を批判するためだけに読んで、作者を嫌な気分にするために書かれた感想」なんですね。
いや、それお前の勘違い、自意識過剰、被害妄想だろ? って、思われるかもしれませんが、その方からいただいた感想の一行目から大爆笑でした。
やべえ、こいつ殺る気満々だ!
いきなり頭から、どうあがいても悪意な百点満点の出だしでした。
もう少し言っちゃうと「気にしない人も多いが、それを言われて喜ぶ人は確実にいない」事が書かれていて、かなり面食らいました。
大多数の人は多分、そこで読むのをやめると思います。
しかも、そのあとに続く文章もいっけんすると「自分はちゃんと作品を読んでいて、その上で真摯にアドバイスしてやってるよ」風なんですが、滲み出る悪意をお漏らし垂れ流しで一周回って、いとおしく感じたほどでした。
本当におかわいい感想だったこと……。
と、今は冷静に振り返り笑い話にしちゃっていますが当時は普通に怖かったです。
嫌な気分とかへこむとかじゃなくて純粋に怖かった。
この人、何に対して怒ってるんだろうと疑問に思いました(お前の作品にだよ!)
何が怖かったって、自分が正気だと本気で信じていそうなところが……。
思わずこんな素人小説にマジになっちゃってどーするの(ワラ
って、煽り返しそうになりました!
やめました!
で、先日、ある完結作品を読もうとしました(このエッセイ執筆のためにその作品のブクマは公開しておりませんので特定しようとしても無駄です)
自分はまず、あらすじ読んで感想とレビューも見るんですね。新しい作品に手を出すときは。
すると、その悪意満点のお方が感想を書いていらっしゃるー!
またもパンチの効いた香ばしい書き出しから、さも「俺様はまともな読者様でございますわよ? 忠告してやってやるぜ!」的な、しかし悪意がまったく隠しきれていない感想を書いていらっしゃるー!
というわけで、素人とはいえ物書きのはしくれ。この人物に興味をいだいた自分は、かの悪意満点毒者のマイページを開きました。
サイコキャラのモデルになるかもしれない……他にどんな感想を書いているのだろうと。
例えば自分は、その方の批判的な感想しか読んでいませんが、お気に入りの作品にはどんな感想を書いているのか?
すげー、デレデレだったら萌えませんか? 萌えませんね。でも燃やしてはいけません。
で、その方のブクマしてある作品を漁ったのですが……なんと、自分のお気に入りの作品には、ぜんぶではありませんでしたがちゃんとまともな感想を書いてらっしゃいました。
ああ、良かった。この人も人間なんだ! と、ほっとしました。悪意に満ちたサイコ野郎なんかどこにもいなかったんだね……と、すごーく、がっかりしました(どっちやねん)。
まあ冗談はさておき、何割かの人がここまで読んで「マイページまで漁るなんて最低のすけべ野郎ね! そんなのマナー違反よ、エッチ!」とか「読者をバカにするな。感想が嫌ならチラシの裏に書いてろファック野郎」と思った事でしょう。
でも、そう思った人にひと言いたいのは「お前は他人の作品に物申す資格はない」です。
多分、何かぼんやりと「作り手は受け手を批判してならない」とか「批判が嫌なら作り手は作品を発表するべきではない」みたいな社会通念があって、何となくそれが正しいと思われている訳ですが、それを盾にとって、受け手は何を言っても構わないと勘違いされている神様が実に多い事。
なぜか受け手である自分は批判を受けたりバカにされる事はないと無条件に思い込んでるんですね。可哀想です。
まあ前言をマッハで翻すようですが、基本的にどんな感想をいだいて、どんな感想を発表しようが受け手の自由というのは正しいと思います。
それが肯定であっても批判であっても。
そうあるべきだと本気で思います。
だから、作品に対してネガティブな事を書くな、と言っている訳では断じてありません。
でも、こうも思います。
その感想をどう受け取ろうがこっちの自由。こうやってネタにするのも自由。
肯定的な感想であっても、批判的な感想であってもバカな事を書けばバカにされますし、恥をかくのはあなたが感想を書いた作者ではなく感想を書いたあなたであるという事を自覚してください。
たとえ的を射た指摘でも、口汚い言葉や誤字、脱字、誤用、勘違い、どう考えても悪意が滲み出た書き方だったりしたら、それは作者に届きません。
あなたも自分の考えを文章にして不特定多数に向けて発信しているという事を忘れないでください。
受け手は安全なところから作り手に向かって石を投げつける事のできる絶対的存在ではありません。
だから気にくわない感想を書いた人のマイページまで漁る最低のすけべ野郎にエッセイのネタにされるのが嫌なら感想を書くのはやめるべきです。
そういう人は自分の考えを公の場で晒す時の覚悟が足りてません。
自分の考えを文字にして不特定多数に向けて公開するっていうのは、そういう事なんです。
そういうすけべ野郎にネタにされたりバカにされるかもしれないっていう事なんです。
……まあブクマは非公開にしちゃえば良いだけなんですけど。それだけで、すけべ野郎死亡。
結局、何が言いたいかというと、
撃っていいのは撃たれる覚悟のあるものだけだ(ドヤァ)
あと決め台詞の丸パクリもやめましょう。
最後になりましたが、いつも拙作を読んでいただいている方々、本当にありがとうございます。感想を書いていただいている方もそうでない方も。
そんな方々の中で「自分の事かも」と不安になられた方、ご安心ください。
狂人は、自分が狂人だと自覚できないものです。
そう思われた時点であなたの書かれた感想は作者の力になっていると思います。それが例え厳しい言葉であっても。