少女の前置き。
『プロローグ』
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とあるところに、少女がいた。
「なぁ。……てめぇ、気持ちわりぃんだよ!」
少女は、白の髪を持ち。
「なんでんな態度とんだよ。身分わきまえろっての……」
綺麗で綺麗な、橙色の瞳を持っていた。
「………なん……っで、おめぇは…………」
少女は、魔法使いだった。
「…………そんなになっても、笑ってられんだよ…………」
少女は、何をされても笑っていた。
少女は、笑う事しか許されなかった魔法使い。……魔法少女。
その力はどこから湧いて出た物でもなかった。不思議で、無くてはならない力。
しかし、人から外れた者に待ち受けるのは理不尽に違いなかった。
少女は笑う事しか許されない。
少女は悲しめない。
少女は怒れない。
少女は____泣けない。
涙を流せない少女。
流す事そのものが、許されない少女。
それはもはや、少女を苦しめる呪縛でしか無かった。
……しかし、彼女は『それでもいい』。
その程度の事で_____支障はない。少女は、そんな事を何とも思わなかった。
だが。
少女は魔法使いである前に、人だった。
少女は恋をした。
少女の魔法を憎み、少女と言う人間を嫌悪し、少女の感情の無さに憎悪した。
そんな、ごくごく普通の一般人に。
____________これは、少女の物語。
とある少女の、ちょっと現実離れしている、だが何処にでもある恋の物語。
少女は選ばなくはならなくなる。
『魔法を取る』か『彼を取る』か。
______それはまだまだ、先のお話。




