表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
救世主さまはヘタレ  作者: 夕籠
旅の始まり
9/27

02




 今、俺の目の前に地獄の門が口を開いている。ポッカリと空いた黒い空間は禍々しい雰囲気を醸し出している。



「ねぇ、顔色悪いわよ?具合でも悪いのかしら」


 俺の顔色を心配するティルカ姫。今の俺の顔色はさぞや青かろう。自覚している。


「姫様、気にしなくていいんですよ。アレはいつもの事ですから」


「いつもの事?」


 ハルの言葉にティルカ姫は俺に視線を向ける。ちなみにその温度は限りなく低い。俺泣きそう。


 そう、俺にとって洞窟の入口は地獄の門に等しい。あの逃げ場が少ない場所にモンスターがうようよしていると考えるだけで鳥肌が立つのだ。


「うっせー。何が楽しくてわざわざ洞窟までモンスター退治に行かなくっちゃいけないんデスカー!マジイミフだ」


「落ち着け」


 涙目で喚く俺にハルは短く言い捨て俺の鳩尾に手刀を入れる。グサッと刺さる手に俺は涙を流した。ついでにうずくまもだえる。マジ痛いハルの鬼畜め。


「さ、サクッと行きますか」


 俺の襟首を引っ掴み、ハルは何事もなかったかのように進み始める。


「えッ?! なんなのそのノリは?え?」


 俺とハルのバイオレンスなやりとりにティルカ姫は困惑しオロオロとした。そのせいでツッコミきれていない。フッ……まだまだ青いな。


 心の中でカッコつけた所で目の前にポッカリと口を開けた黒い空間は変わらない。


 

 ところでハルさん、そろそろ引きずって行くのやめてもらえないですかね。そこそこのスピードで石とか岩とかの上を引きずられるのは痛いんだけど。マジで。





 俺はハルの手刀のダメージで悶えながら洞窟の中に引きずられて行く。









ハルさんとのバイオレンスなやりとり(笑)

※ハルさんは手加減(多少は)していますが、実際にやるのはやめましょう(笑)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ