吊り広告
通勤中の電車内でふと吊り広告を見上げた。いつもは本を読んでいるのだが、今日は持ってくるのを忘れたので手持無沙汰だった。
ある広告に目が留まった。
男の子が約束の時間は守ろうと言い、女の子が遅れたら許さないわよと言っている、全く持って意味不明な広告だった。左下には見たことのない会社のロゴが印字されている。痴漢はダメというような呼びかけの類のものではなさそうだし、かといって何かを宣伝しているわけでもなさそうである。
いったい何のために広告なのだろう。こんなものにお金をかけてなんの意味があるのだろう。
一枚の広告に、思わず考え込んでしまった。
その後、私は電車を乗り過ごして会社に遅刻し、上司にこっぴどく叱られた。