起⑷
♢♢♢♢♢
ホームルームと呼ばれる帰りの話を終えると、麻美は隼人のそばに戻ってきた。
「帰るか」
「うん」
あんなことをやっていても、やはり最後はこうなる。
信頼なんて言葉では足りない。
これだけで通じ合える。
二人はすでに兄弟みたいなものとなっていた。
そこに水を差すようにアホは飛び込んできた。
「俺も一緒に帰る!」
「はぁ。」
アホの名前は秋宮 蛍。
あ・ほ。
まさにそのままだった。
秋宮は先生が言った途端に懐くようになった。餌を与えると喜ぶ。お手はまだできないが、おすわりくらいなら覚えている犬と同じ知能のレベルである。しかし、入学したからにはそれだけの実力があるということなのだろう。
麻美も承諾し、帰路を一緒とした。
♢♢♢♢♢
この学校は、普通に魔法が使える、というレベルでは入学できない。卒業後に国の柱となる生徒ばかりだ。それ相応の実力と頭が必要となる。さらに、その中でもクラス分けは番号とローマ字となり、a・b・c・d・e・f・1・2・3・4・5・6の順に優秀で、つまり隼人を含めるこの4組生は、優秀には程遠かった。この学校の面白いところはもうひとつある。
それがトレードである。
優秀に成長した生徒は、優秀だった生徒と入れ替わる。つまり、常に油断ならないということだ。
校内での生徒順位は常に明確に掲示、表示され、嫌でも勝負の中心に立たされる。
1クラス36人で編成され、1学年で計432人となる。
一年でこの学校を去るのは、無制限である。