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起⑵

少し直しました。

♢♢♢♢♢



声をかけようか。


隼人は考えた。

そして、やめる。


目的の障害となるものはいらない。

二度と、あんな思いはしない。


席は縦横六列となっていて、隼人は一番後ろの右から三番目の席に座っていた。


しかし、器用だな。


黒髪を腰ほどまで伸ばし、紫色のシンプルな紐で丁寧に結わえてある。後ろ姿には大人な雰囲気を窺わせるが、時折り辺りを見回す時にみせる横顔にはまだあどけなさを残し、幼い印象を与えた。

それはやはり女の子というより少女であった。

それに反して手元は大人びた動きをみせる。魔法を使っているのか、切れ味の良さそうな彫刻刀で綺麗に形を彫っている。その動きはもう熟練されていた。

石は新しい形を帯びていく。

隼人は出来上がったそれを見て思わず声をあげた。


「おおっ」


またしてもクラスメイトの目線が集まる。何人かは怯えていた。

ただし麻美、お前のは余計だ!


出来上がったそれは石の人形だった。凄いのはそこではない。その精密さである。肩や腕、手首から指、関節まで細かく表現されていた。

ここまでは高度な魔法技術をもってしてもかなり厳しいものがある。

少女は満足そうに頷き、砂と化した石のゴミを袋に詰めて鞄に閉まった。


♢♢♢♢♢


魔法は万能ではない。

今の技術では、最高の魔術師でも狙った場所に想像した形で物質を存在させることが限界である。

技術と原理、想像力と創造力を養い、育てていけば複数の物質を同時に、考える形で存在させることが可能である。世界最高の魔術師、「ウィザード」の名を持つ十人の魔術師は、家を内装も含めてわずか数分の詠唱で存在させることができる。

詠唱は、想像を創造に変えやすくするためのもので、人によってそれらは異なるが、主な詠唱は学校で学ぶ。


逆に、できないことがある。

魔法は身体能力や命、身体の傷の治癒などはできない。

今でも医療機関が存在し、魔法の力を使わずに治療を行っている。

故に、命の寿命には逆らえない。

しかし、身体能力をアシストできる魔法は存在する。

主に、風をイメージ通りに存在させて動かすことである。操作は今の最先端技術であるため、できる人はとても少ない。

しかし追い風をイメージ通りに存在させることができる人は増えていた。


問題は命を存在させることができる魔法である。身体に関わる魔法は禁忌と呼ばれているが、命の魔法はどの国も研究している最大の黒魔術である。


禁忌はあってはならないが故に禁忌という。

しかし、そんな魔法はウィザードでもなし得ないものだ。


存在しない。が、




隼人はひとつの禁忌魔法を持っている。

間違いがありましたら教えてください。

お願いします!

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