契約
~イリア~
「んっ・・・」
やけに周囲が騒がしく私はむずがりながら目を覚ましました。眠っている間、お兄ちゃんに助けてもらう夢を見ていた気がします。そして騒がしいのはもしかしてゴブリン達のせいなんじゃ、と恐怖がぶり返してくるのを感じながら恐る恐る周囲を見渡すと、
「・・・・?」「・・・・」「・・・・・」「・・・」
何やら言い合っている男女と壁に埋もれたゴブリン達を見つけました。何らかのエンチャント魔法なのか光輝く綺麗な女性に、軽装備の男性が食って掛かるように何か言っています。もしかして救援信号に気付いて私を助けてくれたのでしょうか?
男の人が私が目を覚ましたのに気付き、話しかけてきました。
「よかった、気が付いて!いきなりで悪いんだけど俺を君の召喚獣にしてくれないか?」
「はい?」
この人はいきなり何をいっているのでしょう。新手の口説き文句か何かでしょうか?命の恩人(多分)とは言え軟派な人は好きじゃありません。こういう時はきっぱりと断るに限ります。
「私、あなたとは付き合えません!!」
~神代優護~
「契約するにはどうすればいい?何か条件とかあるのか?」
「本当は召喚獣への礼儀として色々格式ばった文言とかあるんですが、今回は特に必要ありません。あなたの召喚獣にさせて下さい。はい、いいですよ。位で十分です。」
「そんな簡単に契約ってできるものなのか。」
「普通はちゃんとした儀式をしたり、細かい条件を付けたりするのですが今回は時間もない事ですし、サービスして私が設定しておきます。」
(さて、まずは起こさないとな。)
すると、タイミングのいい事に女の子はもう目を覚ましているようでこちらの様子を窺っているのと目が合った。
「よかった、気が付いて。いきなりで悪いんだけど俺を君の召喚獣にさせてくれないか?」
早速本題を切り出したら何か女の子の目が険しくなった。
「私、あなたとは付き合えません!!」
(???なんで付き合うとかって話に・・・あっ、事情知らなきゃ俺の台詞まるで告白じゃないか!うっわ、恥ずかしすぎる!!そして速攻でフラれたことも地味にショック・・・)
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「早とちりしてごめんなさい!」
「いや・・何の説明もなく切り出した俺が悪かった。ごめん」
何とか事情を説明し誤解も解けたので、改めて契約しなければ死んでしまうので助けてほしいとお願いした。(落ち着かせるのに手間取り現在MP7万を切っている。)
「呼び出した私にも責任がありますし、助けて頂いた恩もあります。私でよければ喜んで契約させていただきます。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
「それでは、これより召喚獣契約を行います。契約後MPが尽き次第召喚獣は待機状態となります。また待機状態をマジックアイテムなどに設定すればそこから意識を表出させることが出来ます。再召喚する場合には召喚獣のレベル分MPを消費することで呼び出せます。」
「あの、マジックアイテムってこのペンダントで大丈夫ですか?」
「十分です。これより召喚獣契約を実行します。・・・・・・・・・・・・召喚獣ユーゴ・カミシロの契約完了を確認。・・・・・・・それでは私の役目は終了したのでこれにて失礼。あなたたちの未来が幸福であることを祈っています。」
そう言うが早いか女神様は光の残滓を残し消えていった。
一章終了~お疲れ様でした。次回から第二章へ
死へのカウントダウンもなくなり一息ついてやっと2人の描写を入れる余裕が出来そうです。