魔の森
0章から数えて3話目にしてやっと始まり。一章のあらすじにどうなったか簡単に書くつもりです。初めが肝心ということでしつこいかも知れませんが説明口調で書いときます。
~イリア~
今日から私も大人の仲間入りし念願の冒険者ギルド登録の許可を師匠から頂くため、「魔法使い見習い」の卒業試験と評し、マンドラゴラの葉を入手するため野原を駆け巡っている最中です。
あ、師匠というのは元A級冒険者のレイゲンお爺様の事です。12歳の頃冒険者を目指すならと両親から紹介され、故郷のルイエ村で先生をしているお爺様に弟子入りをしました。元々魔力が高く、良くも悪くも幼少の頃から身体を巡る魔力を意識して生きてきた私にとって魔法を使うというのは手足を動かすのと変わりなく、低レベルながら師匠が感心するほどの魔法の応用が出来るようになりました。
今は村の近くにある野原に生息するマンドラゴラを見つけ追いかけている途中です。マンドラゴラというのは普段身体のほとんどを地中に埋め、頭頂にある葉っぱで光合成をしているのですが引っこ抜こうとすると金切り声をあげ周囲の同族に助けを求め一斉に攻撃してくる為、まず大きな音を発して驚かし、地上に飛び出して逃げる途中を狙い倒す必要があります。
なのになぜ、追いかけているのかって?私だって途中まではうまくいったんです。去年マンドラゴラが大量に狩られ数が減少しているせいで村から大分離れた所まで行ってようやく一匹見つけたと思い、そっと近づいてから破裂玉を使って驚かせるつもりでした。しかし、昨日の雨で出来たぬかるみに足を取られ顔からビタンッと地面に突っ伏し、その拍子に破裂玉が暴発して驚いたマンドラゴラが逃げ出してしまったのです。
ぬかるみのせいで!そうぬかるみが悪い!!断じて私はドジなんかじゃない!!
コホン・・・まあそんな訳でもう他にマンドラゴラもいそうにないしこれを逃したら試験に落ちると思い泥だらけのまま必死に追いかけた結果、ようやく森の中で追い詰めマンドラゴラの葉を入手できました。
葉も無事入手し無くさないように鞄に入れ、取り敢えず顔を洗いたいなと思い、追いかけてる途中見つけた小川へと向かいました。
顔も洗いさっぱりし、帰ろうとした所向こう岸の茂みがガサガサと揺れゴブリン達が現れました。
(ゴブリン?!ってことはもしかして私危険だからって立ち入り禁止になってる魔の森まで来ちゃったの?!)
お互いに数瞬見詰め合いなんでここに、と?マークを量産させていたましたが、ゴブリンの方が先に気を取り直し「ゴァァァーー!!」と叫び襲い掛かってきました。
(やばっ!ゴブリンの平均レベルは確か15位それが5匹、今の私じゃ殺される!!!)
早く逃げないとと動き出した頃にはもうゴブリン達は小川へと足を踏み入れていました。
(そ、そうだ。逃げるにしても足止めはしないとっ!)
そうと決まれば行動は早いです。私は小川に向かって杖を振り下ろし、
「アイス・ウォール!!」
と唱えました。するとゴブリン達を中心に小川が半径1mほど凍り付き、ゴブリン達はバランスを崩して倒れていきました。とにかくこれで時間は稼げるはずと今度は自分に向けて、
「エアロ・プロテクション」
と唱えると、身体が軽くなり全力疾走で村へ向かって逃げ出しました。この二つの魔法は本来は攻撃を防ぐ盾と鎧の役割を持ち普通はこんな使い方をしません。今回はアイス・ウォールの空中の水分を凍らせる性質を利用し川の水を凍らせ足枷代わりにし、エアロ・プロテクションの強化範囲を靴に集中させ逃げ足に特化させた私の特製魔法です。
(村に着けば魔除けの結界もあるし、師匠もいる。今はとにかく逃げなきゃ!)
森を抜け、村はずれにある今は朽ちて久しい祠の近くまで来てホッとしたのがいけなかったのか太腿に激痛が走り、転んでしまった。
(いぎっッッ!!何っ?!)
視線を下ろすとスカートを貫通し矢が右の太腿から生えていた!そして怯んでいる隙に今度は左の肩甲骨と右の脇腹に焼けるような痛みが走った。咄嗟に押さえようとすると生暖かい感触が、
(これって血?まさかっ!)
振り返るとそこには100mほど離れた所で矢を番えている者と今まさに矢を放とうとするゴブリンの姿が
(村まで後少しなのに!!もう足を引きずって歩くのがやっと。もうダメなの?)
諦め掛けたその時、すぐそばにある召喚の祠についての昔話を思い出した。
(そうだ、確か召喚の祠は契約中何人たりとも邪魔をすることが出来ない様に結界を張る事が出来るって聞いたことが今でも使えるか分からないけどこのまま殺されるよりはまし、駄目でも入口を塞いで助けが来るまでの時間稼ぎ位は出来るはず!)
(まずは助けを呼ばないと!)
「ファイア・クラッカー」
残った破裂玉を混ぜて作った火の玉を空に向かって打ち上げ即席の信号弾にする。
(よし、後は音で誰か気付いてくれれば助けが来る。それまでなんとしても生きないと)
傷口から大量に血を流しながらも何とか祠の中に入り、地下にある召喚陣までたどり着いたがそこでイリアは力を使い果たしてしまい倒れ込んでしまう。
(もう、無理うご・・け・ない・・・。いしきが・と・・なっ・・・)
「たす・・・け・・て、おにい・・ちゃ・・ん・・・」
遠のく意識の中、彼女が最後に見たのは薄ら光ったように見える召喚陣だけだった。
とにかく、思いが赴くまま一気に1話仕上げてみました。読み直しもせずに一気に書いたら一時間で完成
次回、やっと主人公登場です。いやー長かったです
作者の裏事情
世界観とキャラ設定だけして見切り発車したせいで、作者の元を離れイリアが一人歩きを始めてしまいました。どう森へ誘い入れたもんかと考えてたら知らないうちにドジっ子になっていました。0章の歳の割に大人びたイリアは何処へいったのでしょうか。私が一番知りたいです。