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異世界で俺は最強召喚獣?!  作者: アマツカサ
第二章 すれ違う思い、または見習い卒業
20/23

増えた目的

〜ユーゴ〜


「そういえば聞きそびれたんだけど、コボルトってどんな奴なんだ?」


 ギルドでは慌しくて聞くタイミングを逃していたので、 ダーレスの森へ向かう道中改めて聞いてみた。


「ここら辺じゃ結構メジャーなモンスターなんだけど、もしかしてユーゴ君は遠くの地方の生まれなのかい?」


「ええ・・・まあ、そんなとこです。」


「コボルトっていうのは二足歩行したハイエナみたいな奴で常に腹を空かしてるんだ。レベルは低いが集団で行動しているのが少々厄介だな。」


「火属性が弱点だけど耐久力自体低いから、ある程度攻撃力があれば剣でも楽に戦えるぞ。」


「剣か・・・」


「ユーゴ君は得物持っていないみたいだけど魔法主体なのか?」


「魔法も使いますが基本は拳ですね。魔力で手を覆って戦ってます。」


(でも剣で戦うって憧れるし、ニ刀流スキル試してみようかな。)


 武器系統はゲーム時代に嵩張るからとレア度高いもの以外全て売ってしまったので魔法鞄に入って無いのが悔やまれる。今度武器屋を覗いてみるか。


「魔力を小手代わりにするとは面白い事を考えるね。どんな戦いをするのか今から楽しみだ。」


 街を出て 小一時間ほど歩きダーレスの森へ到着した。今回は戦闘を極力避けて移動したから昨日より早く着く事が出来た。


「森に入る前に昼食にしよう。」


 カルロスの指示により俺達は街で買っておいたパンと干し肉で腹を満たした。


「初めに言っておくけど、私達は試験官という立場上戦闘には参加しない。但し、二人では手に負えない事態になった場合は試験を中止し加勢するからあまり気負わないで頑張って。」


「はい、分かりました。試験官よろしくお願いします。」


「まあ、大抵の事なら二人で何とかなると思うのでカルロスさん達はラルフの捜索に力を入れて下さって大丈夫ですよ。」


「ははっ、それじゃお言葉に甘えさせて貰おうかな?」


 俺の発言は冗談だと捉えられたみたいで軽く返された。


 昨日までレベル1だった訳で強がりだと思われるのは仕方が無い事だが、もし彼らがユーゴのステータスを知る事が出来たとしたら自分達より低いレベルなのにその圧倒的なパラメーターの高さとこれからまだまだ成長するという事実に恐れすら抱いてしまうだろう。ただ、彼らにとって運の良い事にユーゴは自分のステータスがB〜Aランク相当だとは露程にも思ってはいなかった。


 食事を終えた俺達は先頭に俺、中央にイリア後ろにカルロスさん達という隊列で途中見つけたコボルトを何匹か倒しながら洞窟へ向かった。


「ちょっと待って。前方にコボルト2匹発見洞窟前で何かしている。」


「巣の前で騒ぎを起こすと仲間を呼んで乱戦になるから慎重に。」


「探す手間が省けるから乱戦になるのは願ったりなんだけどイリアはどっちがいい?」


「ちょっと?!幾ら何でも無茶だ!死に行く様なものだぞ?!」


「私はユーゴさんを信じています。ユーゴさんが出来ると言うならそれに従います。」


「イリアさんまで?!駄目だ試験官として許可出来ない。ここは慎重に行くべきだ!言う事が聞けないなら試験は不合格にして私達が片付けるぞ!」


「了解、仕方ないけどここは中の奴らに気付かれ無い様に速攻で倒す事にするよ。」


 正直巣から出て来るコボルトをモグラ叩きの様に燃やし尽くした方が手っ取り早いと思っての発言だったが、俺達の事を心配してくれているのが分かるのでここは素直に従っておく。


「それじゃ、早速エアロ・カッター!!」


 俺は手刀を横薙ぎに振るい魔法を唱えると手刀の軌道に沿う様に風の刃が飛びコボルトの頭と胴を二つに分けた。


「さあ、素材を剥ぎ取って洞窟内を探索しちゃいましょう。」


 俺は後続が現れない内にと早速コボルトの牙と武器防具を集めた。


「こ、これは?!」


 カルロスが何かに気付き見る見る顔を蒼ざめて行く。


「ど、どうしたんですか?」


「このシミター・・・間違いないラルフのものだ・・・」


「そんな?!それじゃラルフはもう?」


「望みは薄いだろう。ユーゴ君、済まないがこのシミターをラルフの形見として譲って貰えないか?」


「それは構いませんが、まだ死んだと確認が取れた訳ではないですし、諦めず探しましょう。」


「いや、コボルトに襲われたのだとしたら助からないだろう。気遣い感謝する。」


 どうやらコボルト討伐にもう一つ理由が出来た様だ。

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