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異世界で俺は最強召喚獣?!  作者: アマツカサ
第二章 すれ違う思い、または見習い卒業
19/23

一方、その頃

 少し時間は遡りラルフが食堂を飛び出した所から始まります。

〜ラルフ〜


「くそっ!ユーゴとかいう奴レベル1の癖に!」


 店から飛び出した俺は苛立っており、道端の石を蹴りながら悪態を着いていた。


(何とかして俺の方があいつより凄いって見せつけてイリアの目を覚まさせる方法は無いか。)


 ユーゴの事を召喚獣だと知らずイリアと付き合っていると勘違いしているラルフは、その事が認められずユーゴはイリアを誑かす悪い奴だと決め付けてイリアを助けないと、と可笑しな方向へ突っ走っていた。


 そして何かハッキリとあいつより凄いと証明出来るものは無いかとギルドでクエストを探していると丁度新しく【コボルトの群れの討伐】というクエストが貼られる所でEランクで中々手頃そうな事もあり即決で受注しコボルトの巣があるダーレスの森奥の洞窟へ向かった。


 洞窟内で大体4.50匹はいるであろうコボルトと戦うのは流石に無理なので、まずは狩りなどで出掛ける少数のコボルトを追いかけ巣から離れた所を不意打ちして数を減らす事にした。


「ギギッ?!」ザシュッ!!


「ふぅ〜、これで10匹達成。休暇するか。」


 俺は洞窟を見張れる場所に戻り魔法鞄から水筒を取り出し喉を潤す。


(一つの巣には多くても50匹を越える事は無い筈だから後15.6狩ったら巣に乗り込むか。)


 そんな事を考えていると獣道から狩りを終えたであろうコボルト達が戻って来た。


(ちっ、チャンスだけど巣の前で騒ぎを起こして中の連中に気付かれるのはまずいし手は出さないでおくか。)


 俺が静観を決めて洞窟に入るのを見ていると、1匹何か大きな荷物を担いでいるのが気になり目を凝らしてみるとそれは12歳位の女の子だった!


(イリア?!いや、全然似てないし見間違いだ。)


 俺は女の子がイリアでない事に安堵し、同時にそんな事を思った自分に対して嫌悪した。そして、そんな葛藤をしている内にコボルトはもう巣の中に入ってしまった。


(巣の中に入られちゃ勝ち目はない。まだあの中には30匹以上のコボルトがいるんだ。可哀想だけど俺に出来る事は何もない。)


(本当に何もないのか?助けに行くべきじゃないのか?)


(無理だ。俺一人で助けに行った所で無駄死するだけだ。)


(それであの子を見殺しにしてもいい事になるのか?)


(ああ、そうだ。)


(もしあの子がイリアだったとしても同じ事が言えるのか?)


(!!!!!)


「言えるわけない。」


 自問自答は終わりだ。覚悟は決まった。ならこんな所でぐずぐずしてる暇はない。


「さあ、助けるぞ。」


 俺は僅かだが隠蔽効果を持つ外套を鞄から取り出し気付かれ無いようにこっそりと洞窟内を進んだ。


 洞窟内は入り組んでいて隠れる場所に困る事は無かった。暫く探索していると木枠で囲まれた牢屋の様な部屋でコボルトが気絶した女の子を檻の内側に入れる所だった。


 俺はすかさずコボルトの首目掛けてシミターを振るった。


「おい、大丈夫か?」


「・・・」


 運いいのか悪いのか女の子はまだ気を失ったままみたいだ。


 俺は女の子を担ぎ部屋を出ようとした。が、そこで俺の運は尽きた様だ。


「ウォォーーン!!」


 傷が浅かったらしくまだ生きていたコボルトが雄叫びを上げた。


「しまった!!」


 コボルトにトドメを刺したがもう遅い。雄叫びは洞窟内に響き渡り荒々しい足音がこちらへ向かってくるのが聞こえてくる。


(ここまで来て駄目なのか。)


 せめて一匹でも多く道ずれにしてやると切り掛かったが、数の暴力の前になす術無く一匹も倒せないまま俺は負けた。

 ラルフ、そうあいつは最初から言う事をを聞かなかった。私の言う通りにしておけばな、まあいい奴だったよ。(○ャダイ風)

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