表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
箱入り娘と5人目の婿候補  作者: 真咲 カナリア
~第1章 箱入り娘と5人目の婿候補~
8/27

今、思うこと。


「ちょっと!どこ行くの!」


私は祐樹に手を引っ張られながらショッピングセンターを歩き回っていた。

私は長距離を歩いたりしたことがない。

あるのは学校までの距離で・・・・・・。

そのせいかヘトヘトだった。


「服屋」

「服屋?」


さっきギリギリでヘリコプターから逃げてきたのに祐樹はなにも焦らず私をショッピングセンターへ連れてきた。

ホントに何を考えているのかわからない。


「ここ、好きな服選べ。」

「へ?」

「嫌か?」


どうやら祐樹の目的地の服屋さんについたみたいだ。

でも、好きな服選べって言われてもどうすればいいのかわからない。


「・・・急には無理か。」


もう、祐樹の行動についていけない。

初めて見るものとか初めて触れるものとかがいっぱいだ。

怖かったりする。不安になったりする。

でも、助けてくれる人がそばにいるから・・・。

安心できる・・・・・少しだけだけど。


「美代さんいる?」

「はい、店長なら奥におられますが・・・知り合いですか?」

「うん、甥っ子。」

「・・・甥っ子さんですか?」

「甥っ子だよ?お願いだから案内して?」

「は、はい。」


今思い出したけど、祐樹は金持ちのお家のお坊ちゃんだったんだ。

このお店の店長さんの甥っ子ってことにはびっくりだけど・・・・・。


「美佑?大丈夫か?」

「うん、大丈夫。えっと、祐樹のお家って・・・。」

「ああ、服を中心に扱ってる企業。」


やっぱり、確かお母さんはモデルだったはず・・・・・・。


「美佑?行くぞ。」

「!うん・・・・。」


私は環境にも慣れきれないままどこかわからない店の奥に連れて行かれた。


「祐ちゃんじゃない!元気にしてた?」

「ああ、元気にしてたよ。あのさ・・・・。」

「あら!その子彼女?」

「・・・・美代さん、今日はいろいろと急ぎの用事できたの。もちろんデートとかじゃない!」

「あら・・・そうなの?残念。でも否定はしないのねぇ、おばさんちょっと期待したのよ?」

「もう、いいから早く美佑の服選んであげて?」

「あら?そういうこと?もっと早く言ってよ~おばさん勘違いして――――。」

「美代さん!早く!」

「・・・え、ああはいはいそんな焦らないでよ~。」

「わかってる。」


なんかわからないけど、この人に私の服を選んでもらうことになった。


「美佑?とりあえず一着選んで貰うけどいい?」

「・・・・・・うん。」



ちょっと時間が過ぎて美代さんっていう人が戻ってきた。


「美佑ちゃん?ちょっとこっちにおいで。」

「は、はい。」

「祐ちゃんの好きな服の種類とかは知ってるからその好みとかに合わせて選んで見たわ。

 あなた、監禁?されてたのね。祐ちゃんいつお家に行ってもいないから仕方なく視させてもらったの。

 ごめんなさいね。今日は祐ちゃんはデートじゃないっていうけど初めてのデートだと思ってかわいく

 してなさい。祐ちゃんを落としちゃう気でいきなさいよ!がんばってね。」

「・・・・・・はい。」


私はその美代さんという人に着替えさせてもらいながら話していた。


でも1つ気になったことがある。あの、『視させてもらった』という言葉だ。

この人は祐樹のおばさんにあたる人、なにかあるんじゃないかと思った。


「すいません、一つお聞きしていいですか?」

「いいわよ?」

「あの、『視させてもらった』ってどういうこと・・・・ですか?」

「ああ、そのことね。祐樹が吸血鬼の末裔ってこと知ってるわよね?」

「はい。」

「私は吸血姫なのよ。でね、吸血鬼・吸血姫ってだけじゃ人の気持ち・過去とかは見えないんだけど蒼鳥

 の末裔と魔龍目鳥の末裔でもある場合・・・どうも人の気持ちとかを視ることができるみたいなの。」

「・・・・ということは。」

「そう、私も祐ちゃんも人の気持ち・過去とかが自然と視えたりするの。

 まあ、私の場合は視たいって思わないと視えないんだけど、どうも祐ちゃんは違うみたいでね。

 いつでも視えちゃうし、ほかの能力もそうだけど使うと体力がすごい減るみたいなの。」

「・・・・・。」

「本当かどうかはわからないけど、本気で戦うとしたら・・・持っても15分ね。」

「・・・・そんな。」


知らなかった。祐樹の事・・・・・・。

吸血鬼と青竜の他にも能力を持ってたなんて。


「美佑ちゃん?大丈夫よ、心配しなくても!あの子は強い子だからね。」

「へ?」

「あの子はどんなつらいことも乗り越えてきたの、一人でね。

 だから、あの子は強い。わかった?」

「・・・はい。」

「じゃあ、鏡を見て?」

「!」


びっくりした。

私はきれいなドレスみたいな服を着てて・・・。


「美佑ちゃん?ずっとあの子のそばにいてあげてね。」

「はい。」

「美佑ちゃん?その服は私からのプレゼント。それじゃあがんばってね。」

「はい!」


祐樹もあの美代さんも・・・きっとつらい目に何度もあったんだろう。

能力を持ってるってせいで。

祐樹の傷を私が埋められるならなんでもしよう・・・・・そう私は今思った。

そして、すべてが解決したら美代さんにも幸せになってもらおう。

そう、今思った。


読んでいただきありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ