包まれた瞳
そしてとうとう1人目の婿候補に会う時間が来た。
優葉の準備は早かった。
嗚呼こうして私は使われて死んでいくんだって、今になって少し後悔する。
それでも、もがこうとは思わない。
だって自分の能力さえも分からない知らない私があの鬼に逆らってもどうにもならないことくらいわかっているから。
涙のせいか今は心が弱い、仮面がはがれそうなのかもしれない。
そう思いながらも私の仮面はきれいな笑顔を浮かべていた。
「美佑様、1人目の婿候補の永田直樹様が来られました。」
優葉の悲しそうな声が聞こえた。
「お通しして」
「はい」
そうして私の部屋に入ってきたのは、背の高い同い年ぐらいの少年。
「はじめまして、永田直樹です。美佑さんだよね?」
「はい。」
誠実そうな人・・・でも嫌だ。
金持ちの人だこの人・・・。
「趣味は?」
「読書です。」
「そっか、読書か~僕も好きだよ?」
「そうなんですか。」
「うん、えっと急だけど僕の花嫁になってよ!ほかのやつはおじさんばっかだよ?」
「・・・・。」
どうしよう、なんて言ったら。
『それは無理だな、美佑は俺の花嫁だ。』
だれ?私は急に聞こえたその声に振り向いた。
「美佑様!お逃げください、不法侵入者です!」
「優葉!?」
「誰だ!お前、こいつは世界を総べる力を持つ巫女だ!それを狙ってきたのか!」
「違う、美佑がなんの巫女だろうが関係ない。俺の花嫁だ。」
「は?なんだお前。」
私はその男の人に抱きしめられる。
「美佑様!」
「残念ながら楽しくおしゃべりしている時間はないようだ。」
私は気づいたらお姫様抱っこされて空を飛んでいた。
ありえない。
「夢を見てるような顔してるぜ?」
「え、あ・・・。」
外、外なんだろうかここは・・・。
「美佑、好きだ。」
「え、え、あ、ってそのあなたは。」
言葉が出ない。
「俺?覚えてないの?」
「・・・。」
「じゃあこれで思いだす?」
急に唇に触れたのはその人の唇だった。
「!?」
覚えている、この瞳・・・。
いつも勝手で自己中心的で、学校の授業は受けないくせに頭がよくて・・・。
「ゆう、き?」
「思い出したか、ああもうほんとにお前どこ探してもいないと思ったら・・・。
ごめんな、遅くなった。」
私の瞳から流れるのはうれし涙だった。
「おいおい、泣くなよ!」
嬉しかった。
助けに来てくれたこと。
ホントはわかってたのかもしれない。ゆうきの声も姿も・・・。
そのときの私は今までで一番幸せだった。
どうでしたでしょうか。
誤字等あればすいません・・・。




