鎖の巻きついた体
ヘリコプターの中は空気が悪かった。
気を失っていたからか体が重かった。
心も、重かった。
「気がついたか、みゆう?」
傷ついた、傷つけた・・・・。
守ってもらったのに。
嗚呼私はまた独りになるんだ。
笑われても侮辱されてもなにも感じないよ、もう。
哀しいも虚しさも苦しみも痛みも・・・
喜びも楽しさも幸せでさえも、もう何も感じないよ。
「はい、お父様」
嗚呼、私のなくなった感情は表にはやっぱり出ないんだな・・・。
仮面はもう深く張り付いちゃってるよ。
道化なのかな・・・これは。
「みゆう、お前にはこれから死ぬまでお前の部屋を出ることは許さない」
鬼は私に冷たく告げる。
硬い鎖が体に巻きつく。
でも私には人を守れないから、守られることしかできないから。
そうするしかない。
迷惑をかけないために。
その人を傷つけないために。
「は、い・・・おとう、さま」
声が震える。
自由を奪われる・・・・。
怖い。
私は、私は従うしかないのだ。
他に選択肢はないのだ。
「みゆう?次、逃げたら、あいつは死ぬぞ?」
脅し、だ。
私は邪魔なのだ、裕樹・・・いやあの人の。
名前なんて呼んじゃいけない。
あんなことをしたのだから・・・・。
「みゆう、お前は俺のモノだ」
「・・・はい、おとう、さま・・・・・・私の命に代えて、お使え、いたしま、す」
震える声を私の口が発する。
哀しみに染まる夕焼け空、もし夜だったら星が守ってくれたのだろうか。
そんなことまで考えてしまうほど、私は狂っていた。




