夕焼け色の悲劇~中篇~
「なんでここに・・・・。」
鬼は怒りを露にした表情でこっちを見ていた。
急に裕樹が私の服の袖を掴む。
まるで私がいなくなるのを怖がるかのように・・・。
でも、守り抜いてみせるというように。
「何しにきた。」
裕樹の怒りをこめた声が響く。
「俺の所有物を取り返しに来ただけだよ?」
鬼の言葉に体は逃げるかのように震える。
一歩下がろうと踏み出しそうになる脚を必死に抑える。
「美佑は物じゃない!お前の道具でもない!俺の花嫁だ!」
裕樹と鬼は睨み合う。
私は怖かった。裕樹になにかあったらどうしようって怖かった。
苦しかった・・・。
でも、裕樹の言葉を聴いてうれしかった。
「言ってもわからないか・・・・。
美佑の前で人を殺したくはなかったのだけど、しょうがない。
君がそう言うならどんな手を使ってでも美佑を取り替えそう。」
鬼の冷静で冷たい言葉が響く。
きれいな花もおびえるかのように揺れる。
「1対1でどうだ?」
裕樹の発したありえない言葉に私は心から驚いた。
空は夕焼け色に染まりながら輝いている。
裕樹は私に下がれとささやき、私は不安な気持ちのまま後ろへ下がる。そ
「ふ、いいだろう。受けてやる。」
鬼はその言葉を発すると左腕にいつも巻いている包帯を取った。
すると手に口付けをした。
すると何匹もの蛇が現れ鬼の左腕全体に鱗が現れた。
裕樹は背中から大きな黒い羽を出した。
その後自分の指を噛んで血を出しそのまま円を書く。
すると、あたり一面に目が現れた。
魔龍目鳥だ・・・。
裕樹の周りには目が現れるのと同時に鳥が3匹現れた。
それは青色ではなく黒と紫と紺の混じった色だった。
「魔龍目鳥と吸血鬼・・・蒼鳥、ほかにもあるのか。」
「大蛇と火犬と火鬼と黒蝶乃神楽と青カラス・・・。
錯乱埜眼異と紫鎌血剣か。
さすがに姫の能力はもらえないから自分のところに置いてるんだな。
千里からも能力を取ったんだなやっぱり・・・・・。」
「ああ、では雑談はここまでにしてさあはじめよう?
戦いを・・・・。」
「ああ、やってやろうじゃねーか。」
二人の会話を聞くこともやっとだった私にはこの後なにが起こるかなんて予想することは不可能だった。




