キャラを対立させたら解釈違いで即全消しした新米なろう作家私の話
色んなことにチャレンジしては失敗している迷走なろう作家、雨音みこです。
連載小説が完結するたびに創作の失敗談を綴ったエッセイを書いています。前回(2026年2月)は『プロットをちゃんと組んだら、2話で書けなくなった新米なろう作家私の話』です。この時、私はプロットを組むと書けなくなる、という自分の執筆スタイルに気付きました。
それからノープロットで新作を書き続けていたのですが、私に待っていたのは更なる落とし穴でした。
あくまでも自虐、失敗談です。「あるある」と頷く、もしくは「ねーよ」と笑い飛ばしてやって下さい。
【前作のダイジェスト】
処女作を完結させて調子に乗っていた新米なろう作家私でしたが、「ちゃんとした小説を書こう」と思ってプロットを組んだ結果、なんと2話で筆が止まりました。逆に、最初は続きも何も考えずに書いた話は完結まで書けたので、私は真面目にやると詰むタイプだと判明しました。
という訳で、私はプロットを組むことを諦めました。「プロットなしでどうやって書いてるの?」と思われるかもしれませんが、私にもよくわかってませんでした。
そう、今回の問題に直面するまでは。
事のはじまりは、今執筆中の小説(※5月から連載予定)のとある会議シーンを書いていたことでした。
会議シーン、苦手なんですよね。情報の出し方、飽きさせないためのテンポの作り方、キャラの魅せ方。それらを踏まえて、その会議で出さなきゃいけない結論にキャラを導かなければいけません。
この辺のノウハウは所謂「嵐の山荘系ミステリ」でみんなが集まって方針を話し合うシーンを読み込み、参考にしています。「殺人鬼なんかと一緒にいられるか。俺は部屋に戻る」のアレです。余談ですが、ああいう場を乱すキャラがいると会議シーンは非常に進めやすいです。執筆を始めてから知りました。
勘のいい方はお気付きだと思いますが、この『会議で出さなきゃいけない結論にキャラを導く』って、まさに小さなプロットなんですよ。
つまり私の苦手分野!大丈夫か??(大丈夫じゃないからこのエッセイがある)
初稿は悩みつつも通常の倍くらいの時間をかけて、半分は書きました。さすがにこのシーンまで17万字くらい書いてきた小説ですから、前エッセイの時のように書けずに詰まる、にはなりませんでした。
しかしずっと形容しがたい「気持ち悪さ」と「コレジャナイ感」に襲われていました。(まだプロットに沿って書いていることにすら気付いていない、のほほん作家私です)
完成した初稿(半分)を読み返した私の感想
「なんか無理」
なんか無理って、文字書きとしてその具体性のない感想はどうなんだって思いますけど、初見は本当に「なんか無理」だったんです。
なんか!
無理!!
文字は書けています。会議という体裁にもなっています。出すべき結論にも向かっています。
ただ、キャラが死んでいた……
そのシーンの内容は、ざっくり言うとキャラAとキャラBの意見が対立して、それを主人公の意見が丸く納めるというものでした。書いたところはAとBの対立シーンまで。私が書いたこの話の中で、AとBの意見は割れ、険悪な雰囲気です。ここで私の違和感がMAXへ。
「私のAはこんな言動はしないっっ!」
と全消ししました。気持ち悪くて見ていられなかったのです。作者本人が解釈違いを起こすとかいうレア(かもしれない)現象です。
AとBは本来バディものの主人公と相棒みたいな、性格は全然違うけど息ぴったりみたいなキャラたちなんです。それが不自然にガチ対立してて、それがしんどかった(※オタク的な喜びのしんどさじゃなくて、普通にキツい方です)
で、もう対立させるのはやめようと思いました。AとBが会議に参加して、最後に主人公が意見出ししてまとめればいいじゃん、と。
その方針で書き始めたら、するすると違和感なく書けました。しかも、作中でちゃんとAとBは意見を対立させている。
A「(意見)」
B「確かにAの言うことは一理ある。でも(意見)」
みたいに。AとBは性格が全然違うから、意見が違うことは結構あります。だけど最初は結論ありきで対立していたのに対し、書き直し版では反対の意見を出し合う、になっている。私の理想のふたりは後者です。解釈一致~~~!!
その時思ったんです。ああやっぱり、プロット(型)に当て嵌める書き方は自分には無理なんだと。
その数日後、たまたま小説ではないシナリオを書く練習をする機会がありました。最初から「あ、苦手ジャンルかも。無理かも」と思っていましたが、やっぱり書けなかった。シナリオの冒頭は書ける。でも次の展開で詰まる。
うーん、2ヶ月前の2話目で詰んだ時から何も成長していないということがよくわかりました。
でも、小説なら書けるんですよね。この違いはなんだろうと思いつつ、この冒頭だけ書いたシナリオを、小説要素を足してもっと詳細に書いてみたんです。
++++++
冒頭、主人公が登場する。
主人公がヒロインから声をかけられる。
自分には関係ない相手だと、主人公は立ち去ろうとする。
ヒロインが再度声をかけてくる。
++++++
これを、
++++++
冒頭、主人公が登場する。主人公はマントの立ち襟で口許を隠すように、街を足早に歩いていく。手には剣。
「あのっ!」
声をかけられた。主人公は視線だけを向ける。声をかけてきたのは、16歳くらいの少女だった。手を胸元で握りしめ、小刻みに震わせている。
自分には関係ない相手だと、主人公は立ち去ろうとする。
「待って、貴方にお願いしたいことがあるんです」
ヒロインが再度声をかけてくる。震える体とは裏腹にその瞳には強い光が宿っている。主人公は足を止めた。顔は向けない。
++++++
こうした。主人公やヒロインの行動だけを書くんじゃなくて、そこにどんな感情があるのか、という要素を足したんですよ。そうしたら、不思議と妄想がどんどん膨らんで、ここからの展開が次々と頭に浮かんでくる。妄想楽しい。
このあまりの差に、私はようやく理解しました。
……あれ? もしかして私、プロットが書けないんじゃなくて、感情が乗らないと書けないタイプなのでは!?
私の場合、「こういう展開にしたい」とプロットを書くのなら、キャラの感情も書いておく必要がありそうです。つまり妄想力。妄想力はすべてを解決する!(?)
いやもうこれ、ただの妄想頼み……??
ということに気付くのに、まさかの2ヶ月かかりました。遅ッッ!
七転び八起きな新米なろう作家私、次はどこで転ぶのかな……。というかそろそろ連載小説が完結させられないとか、そういう大事故来るんじゃない?と怯えています。




