星の釣り人
ぼくは釣り人。
星を釣る釣り人だ。
空に浮かぶこの島に
住んでいる釣り人。
夜がいつも暗いのを
小さな君は怖いと思っているかい。
夜がいつも暗いのは
ホタルイカのせいなのだ。
小さな君が知っている
小さなホタルイカではない。
それなりの大きさで
かがやく星を食べる
ホタルイカさ。
彼はたいそう目が良くて
お月さまといっしょに
山から飛び出すと
いつものように
一番に
星をたべにくる。
でも彼はたいそうわがままでもあって
あっちの星や
こっちの星
いやいやそっちの星だと
一晩中、スミをはきながら動くものだから
空が真っ黒になっていくのだ。
でもおかげでぼくは
かがやく星を見つけやすくなる。
まっしろに光る星は
白い空の中では
あまりにまぶしいから。
今日もお月さまの下で
この小さな島から
釣り糸をたらせば
見える見える星たちが。
とれるとれる星たちが。
小さな君も
夜の空を
見上げてほしい。
君は見つけられるかな。
ぼくのことを、ホタルイカのことを。