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弱者として異世界を彷徨う

読み読みしながらなんか、

思いついたことをつづってみる、

指を動かす感覚を忘れないように。

 弱者が馬鹿湧きする世界において、

弱者が彷徨う異世界において、

とりあえず物語りの骨子が築かれ始める。


 生まれた時に運命は決定付けられ、

気付いた時には死んでいる。

 そんなことにはならないと、

してたまるかとがんばってみても倒れる。

弱者としての立場が始まった。


 身なりはみすぼらしく、

きたものはきたままで生活が続き、

つぎはぎだらけのぼろをして日常を送る。

 糸と針はなによりも貴重なものであるし、

革紐でつなぎとめた皮の上着も大事だ。


 調子は崩したら最後、

死に向かうだろう事は知れていたが、

毎日を考えると生活していかなければなるまい、

あまりにも毎日は弱者にとって厳しいものだった。


 それでも働くのである。

与えられた必要なだけの仕事を淡々とこなす、

農作業、土木作業、治水工事も土木か、

なんにしてもこの世の中で必要とされる、

ありとあらゆる箇所にあてがわれる応急パッチとして、

弱者はあてがわれては捨てられていった。


 社会は着々と弱者のことを忘れていった、

誇る栄華の影にうずもれて、孤独に死んでいくものも、

多くあり、また、いまだに数だけは勝って、

記録され続けるものも努力の中で生存していた。


 生きていれば弱者にとっては勝ち組である。


 死んでしまえば記録されること無くおしまいである。


 弱者が正当な評価をなされる時代はくることが無い、

どこまでいっても弱者が多数誕生して、

彼らが仕事を求める限り、低賃金、低日当で、

仕事をあてがわれて、延々と終わりなき労苦を求められる。

 積み重ねで社会が出来ていると説得されても、

納得できない社会システムが存続しているのは確かだ。

 誰もが変革を望んでいるが、みな弱者ゆえに、

その兆しのようなものがあれば密告しあい、

自ら変化を拒んだ、迷惑なのだ、世の中が変わることは、

勇者が生まれようが、魔王が現れようが、

変わらないのが世の常である。


 いくら強い冒険者が冒険を続けたとしても、

その冒険譚はとても長く高価な書物となって、

高貴な人間に買われる本というだけであって、

高い位を持つものの啓蒙主義に拍車が掛かって、

偉い人が偉い人のことを語る学校が多々生まれるだけである。

 弱者にはなにも還元されないのだ。


 年に数回ある、備蓄食料の施しは、

本当はあまりにたくわえがあったとしても、

古くなってしまった麦や穀物類は売れないので、

そういった類を無償で喜ばれるからと、

裁いてるだけなのは大体、量から考えて知れてることである。

 あまって腐らせる暇があるなら、

もっと頻繁に恵んでくれればいいものを、

そして厳しい年貢の取立てをもう少しやさしくしてくれれば、

いいものをと願うばかりである。


 決して強くない手のひらを握ぎ握ぎしながら、

まだ世の中捨てたものではないはずと信じて、

自分のほうに来もしない運がめぐってくることを、

妄想して一日を過ごすが、

いまだに手のひらのしわが深さを増し、

乾いた手の豆がパンパンに伸びて硬くなり、

つめも分厚くなったのが感じられるぐらいであり、

弱いなりに日々をおくった結果がそこにはあった。


「強くなれたらなあ」


 この手に収まる一振りの剣があれば、

人生も変わっただろうか?


 敵を薙いで勝ちを誇る、

そんな緊張感のあふれる毎日を送っていれば、

弱者として孤立することも無かっただろうか?

 英雄譚がうたわれる世界で、

ひとつでもやり方を変えていれば、

弱者でさえ強者に成り上がれたのだろうか?

まったくなにも分かったものではない、


 ただ手に残された感覚は、

すごしてきた毎日である。

 ここには無かった日々のことは、

頭に浮かぶ妄想である。


「キィイィィィィヤアッィィイィイィ!」

 と、奇声を発するものがいるのか、

この鳴き方はゴブリンだ、

家畜を追い立てているのだ、

はやく撃退しなければ。


 手にそのまま農具を持って、

ゴブリンに大きな声でさけぶ。


「こらー!うちの大切な子に手を出すなー!」


 体よく森まで家畜を追い込めれば、

ゴブリンの勝ち、

それまでにこちらがゴブリンを追っ払えば、

こっちの勝ち、簡単なことだ。


 今回は気付いたのが早かったから良かった、

一匹も家畜を見失うことなく、

ゴブリンを森まで追い払うことが出来た。

 もちろん、途中で、

数多くの農家が参加して手伝ってくれたのも、

あったことだったのだが、

何にしても助かった。


 広大な農地があてがわれたもので、

その農地から得られる収入の大半は、

年貢で消えるというものの、

ほかの奴隷のような生活をしてるものからすれば、

待遇は格別のものであったのは確かである。

 土地持ちの身分というわけではないが、

貸し与えられた土地を懸命に耕せば、

その分だけ返ってくるものが多いという、

反面、天候に左右されやすいのも難点だが、

今の暮らしには満足している。


「とにかくゴブリンらの討伐は、

 騎士様たちにたのまにゃいけんな」


 こうしてゴブリン征伐の嘆願書が、

騎士団へと持ち込まれ、

近く森をゴブリン狩りの一隊が、

くるらしく、もてなしの準備をしなければ、

やれやれ忙しくなるったらない。



 ゴブリンも人間のほうに分があれば、

そう簡単には命のやりとりにまで、

発展させない知能はあるようですね。

次はゴブリンについて、

もう少し、書いてみるのも、

悪くないかな?

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