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弱者

どうやらインフルエンザだったらしく、

これで五日間は病気療養なのだった。

 弱者のほうが圧倒的に多い世界において、

一部分だけ強さに特化した存在がいることで、

急激に均衡が崩れてしまうなんてことあり得そうで、

弱者中心で社会が回っているから、

弱者を食い物にする輩が存在できて、

結構シビアな世界観にもなる。


 そんな世界で強くなることだけが正義だ、とすると、

なんとなく鉄砲片手に開拓をして回る。

 自分の土地を守るために外敵を狩ってきた、

西部劇の世界観が唐突に浮かんでくる。


 当然、凶暴な存在が出る場所を開拓するとなると、

開拓者達は、強力な抑止力が必要になってくるわけであり、

そういった場所を地図上からごっそり無くしていけば、

またいつもの弱者たちが安心して暮らせる社会を手に入れられる。


 弱い弱いといっても決して弱くないのが人間なのだが、

語り部はその特徴として何よりも弱いのである。

 簡単なことに影響されるし、すぐに語り口を変えてもしまう、

気付いたときには眠くなっているし、朝起きたときののどの渇きは我慢できない。


 実を言って、こうして文字をタイピングしている時間こそが、

弱弱しい時間なのは確かなのである。

人間として集中してなにかをするでもなく、

ただ、悪いこと良いこと、想像してめぐること、

未来を予知するでもなく未来に備えるでもなく、

ただ漠然と物語のことに思いをはせてる時間。

 かなり無防備になる。 本当に。


 弱者のことを考えるなら、救いを求めてる人を、

毎度のように登場させればいい、

救いを求めてる人は自分を脅かしている存在の、

正しい呼び名など知らない、ただ恐れとして、

ずっと前からある気持ちを吐露して、

泣きに入るほどの辛苦を味わってきているのだ。


 で、と、文章をつづるものも本当には弱者だ、

強くないのは当たり前のことだ、それは、

強かった経験から、筆を取る人もいるだろうし、

多くの人は生きている限りには生きるという行為の中から、

強さを見出して、それを平気に行っているのは確かなのだから、

生きれるほどには強い人が書いてるというのも確かだ。


 だが根っこから考えると、

文章をつづるということも、何かを語るということも、

それなりに弱さを認めてないと出来ないことでもある。

 強いのならば、語らずに勝利してしまえばいい、

やがて勝つ方法だけ流布してまわる商法まで取って、

老後のことまで手を伸ばせばベストセラーになりうるだろうから、

強いのならば、勝利を続けていればいい。

 だけど弱いのならば勝利をすることはかなわないことかもしれない。

そんな時、弱いものが重ねることが出来る小さな勝利や、

まったく方向の違った視点や論点からなされる文章を書く行為が、

形を変えて弱者を生かすことが出来る世界を広げるかもしれない。


 はっきりいってどこまでも弱い弱い線である。

人間が何かをしたいといって、すぐに出来るのが良いところなのに、

そこをあえて遠回りして進むことを決めたようで、釈然としない、

弱者のままでも生きれる世の中を構築することは、

想像だにしない苦労を抱えることになるだろうが、

この世界を開拓しつくしたとき、

強者の社会はどの方向にしても終わりを告げる。

 強いことで生きている生物はその強さの絶頂の時を迎えれば、

あとはその力を失っていき、どんどんと数を減らして、

最後には繁茂することなく、わずかな数で保護される、

その様は本当に強者と呼べるのだろうか?と考えさせさえする。


 皆が皆、ライオンのようにはなれないから、

人の住む社会は弱者を主体として回っている、

結果として遅々としてまわらない気持ちが浮かびもするが、

強者のみ生きるにあらずと示してくれるのは良いことである。


 文豪、という文字を見ると強そうだが、

人より多くを読んで多くを見聞きし、

多くを書いて残してと活発に文に関わることをした人に、

与えられた呼び方であって、

実際、そんな生き物はいない。


 いくつも考えが浮かぶ、

だがどれもまとまらない、ならば、

ひとつながりになれ、と願うが、

そういった願いも普通に難しいものでもある。


 気付いた時にはマークをつけるように、

名前を記すようになる。


 望みは弱者が弱者のままでいられる、

世の中の実現のために文を書くこと。


 想像するのは、弱者が弱者のままでいて、

生存できる社会体制のお話か。


 弱弱しくなるのは、

自分から行動するのを恐れること。


 全部が一緒になってまとわりつき、

非常に奇妙に生きることをシビアにする。



 弱者が全滅するのは避けなければならない、

弱者が全滅した時点で、強者も絶滅する。

 それくらいシビアなのが分かりやすく見えている。


 弱者をひとりひとり救済していけば、

結果として全体を救う手立てとなって、

世の中を良い方向に転がす発見を得る。


 よく分かるのは、万人が万人、

平等に受けれる医療というのは良くできたもので、

流行り病の類を未然に防ぐ目的としても、

いち早く、処方薬を出すことで、

早い段階で感染拡大を防げるわけだから、

これほど助かっていることはない。


 恐れるのはそういったシステム全部が、

ある日を境に突然壊れてなくなってしまうこと、

まわっている限り続いていくのが医療だが、

成り立たなくなってガタガタになれば、

そこでおしまいだ。


 数多くの弱者に対する手立てが、

社会をより大きくしていってる。


 人間がぼぉっとしてるだけでも、

それを支えてくれる手が自然と、

伸びてきて、いつだって助けてくれる。

 そんなことも未来には可能になってるかもしれない。


 どこまでも助けられる側として、

生きていくことが弱者にはあって、

強者も弱者が生存していることで、

はじめて強さに意味が与えられる。


 ああ、また失敗したか、

なんとなく気付いてはいたが、

考えもなしに行動をすると、

失敗しやすいな。


 疲れることを求めないと、

文章はバラバラと散在していて、

まとまらないし、

まとめる気もないと腑抜けのようになる。


 出来ないと分かってることを、

また続けてしまうのだから、

悪い癖ではある。


 次やる時は、

弱者のパターン化と、

テンプレートを洗い出してみようか。

予防接種したのに!

感染力強いったらないね!

インフルエンザウィルス!

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