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神と勇者と魔王とかありきたりな話を交えつつ、二万字未満の文字の掃き溜め

 あーあー、こちらマイクのテスト中、

読んじゃいけないもの書くつもりだから、

割とみんな怖がらずに行こうかー、

ファイトオー! ファイトオー!

 僕はエッセイというものにであった、

そのあまりに自由奔放なものを、しばし楽しんだ。


 そしてエッセイを書くことにしたのである!

題材もテーマも無いが、エッセイを書くためだけにエッセイすることは、

可能なはずであるから、エッセイしてしまえばよかろう!


 はーい、まずエッセイします、

エッセイをするには新規小説を投稿する羽目になってしまいますが、

あまり気にしないでも小説を投稿したことのある人なら簡単だと思います。


 現に僕のような感想作家にも出来ることなので、

ん? 感想作家って何だって?

知らないよ! 感想を書くだけの人のことを言うんじゃないの?

今日まで色々感想を書いてきたけど、

いい加減、感想を書くのだけしたくなってきたよ!

 読んで感想を書くのって思いのほか難しいんだもん!

感想を書くぞー!感想を書くぞー!感想を書くぞー!


 あ、いっけね?!

エッセイを書くんだった!


 でエッセイですが、

世に言うエッセイストと呼ばれる人は、

怖ろしいほどの数のエッセイを書いて、

一冊本にしてしまうほどです、

 要するに桁が違うので、僕はエッセイストは目指さない!


 楽にかけることが何よりなので、

エッセイを楽に書くことでのんびりしたい!


 そう、流行りのスローライフというやつを、

実現するためにエッセイを書くのだ!


 なんか違うって?


 まあいいじゃないか、エッセイなんだし!

そもそもエッセイの意味とか知らんけど、

エッセイのジャンルに括ったらエッセイになるだろうし、

気になったことは後で調べて感心すればよかろうなのだ!


 人間がエッセイを書くことになった結果、

全ての生命がエッセイ向けの生き物に変わった。

「エッセイそれは人間の営み」


 怖ろしいことである!

文明の利器が与えたもうた、

駄文を生産する機会は、

何もかもをエッセイとせんという勢いで、

全てを包み込む、永久にエッセイの中に、

全人類を取り込まんという野望が下に!


 誰もがエッセイを畏れた!

誰もがエッセイに反旗を翻した!

しかしエッセイは反対派を押し切って、

全ての人民をエッセイの中に取り込まんと、

ついに小説という小説をエッセイジャンルにして、

なにもかもをエッセイの元薙ぎ払った!

「ブゥウン!!!!!!!!!」


 圧倒的エッセイの前に、

人類はただ、始まったエッセイによるエッセイの為の、

粛清の炎を眺めるのみである。

 なんたることでしょうか?

エッセイの意味も知らずに暴れはじめた徒党は、

エッセイを国の主体として基本方針と策定し、

知らず知らずのうちにエッセイ独立国家を樹立し、

エッセイが一斉にエッセイの為に立ち上がってえっさほい!


 エッセイ! エッセイ! エッセイ! エッセイ!


 人民は労働をせずしてエッセイを書ける喜びを、

エッセイに味わってエッセイに感じ取って、

エッセイした!


 そして訪れる唐突な飢饉! それは飢餓!

つまり餓え! そして暴動! 腹減ったということ!


 エッセイは食えん! いくらエッセイが世に溢れようとも!

「エッセイを食べればいいじゃない!」

とはならない! つまり皆はエッセイだけに生きるに非ず!


 エッセイにエッセイしている現状はエッセイをすることを、

つまりエッセイを永世に続ける事を危険視した!


「こ、このままではエッセイ独立国家が崩壊してしまう!」


 エッセイの牙城となったこの国家の威信を揺るがしてしまう事態に、

我々はエッセイに一斉に脅威した! そうエッセイは弱っていた!

エッセイはみすぼらしくなった! エッセイに魅力を感じなくなった!


 何故か!?

それはエッセイの意味をよくしらないからである!

エッセイの意味を知らないままにエッセイを書き始めたがゆえに、

万民は餓えに苦しみ、塗炭の屋根で途端に息を引き取ってしまう始末!

ようするにエッセイが悪い!

なにもかもエッセイのせいだ!


 短絡が民衆を支配した!


 一斉にエッセイを投げ捨てて、

己が今まで崇め奉ってきた文化を焼き尽くすと、

民衆はパワアに満ちて暴走し始める!


 人類はエッセイを滅ぼすことで勝利を掴み取ったのだ!

エッセイ独立国家は崩壊し、気付いた時にはエッセイの骸が残骸が、

大地に溢れかえっていた。


 しかし、それは立ち上がった!

 エッセイゾンビの誕生である!


 エッセイゾンビはエッセイの中のエッセイ!

死してなおエッセイに見せられたエッセイ者たちのエッセイズム!

一斉にエッセイすると!

勝利を掴み取った人類を脅かしてパンデミック!

アウトブレイク!


 気付いた時には感染拡大!

多くの死屍累々の上にエッセイゾンビが現れる恐ろしい状況だ!


 エッセイ、一斉、どっせい、やっせい!


 掛け声とともに咆哮するエッセイゾンビの群れに、

呼応するかのように立ち上がったエッセイゴブリン!

かつて最弱とされたゴブリンもエッセイの魔力によって、

いまや究極の生命体にと進歩進展したのである!

 さらにエッセイオークも立ち上がった!

魔族の豚鼻とか言われるけど実際は豚要素とか、

関係無いじゃんというオーク族は屈強な肉体とともに、

エッセイパワーを全身に満ち溢れさせてエッセイ!

 また、エッセイオーガも現れた!

オーガ族はエッセイなどに毒されないと思い込んでいた人類、

それは見通しが甘かった!

 オーガとは鬼の一種でちょっとでかめのウガウガ系!

ようするに殴りかかられると死ぬ!

そんなオーガがエッセイに学んだこととは何か!?

それはオーガがエッセイズムに見初められ目覚めたという事!

 そして、エッセイスライムも誕生した!

それはエッセイが単細胞にも影響を及ぼした結果である!

 ナンセンス!エッセイスケルトン!

骨だけでもエッセイを理解できる骨身にしみる想いである!

 さらに溢れるエッセイコボルト!

みずからを犬頭と評されるコボルトもエッセイに目覚めたからには、

モフモフしてしまうことのみに尽きるのは確かである!


 言い出せばきりがない!

無限のエッセイに目覚めた魔族が、

今まさにエッセイ魔王の下に集い始め、

エッセイという宇宙を開拓せんと動き出した!


 で人類はどうしたって?

そりゃああまりにもエッセイゾンビがパンデミックだったから、

滅んだ!


 ようするにエッセイが何だったかを後の時代に残せる、

唯一存在である人間がめっきりいなくなって、

この世は、頭にエッセイがついた魔族の圧倒的支配によって、

統治されちゃったってこと!


 どこに人類の影があるんだよお!


 エッセイって元は人類の独壇場じゃなかったのかよう!


 しかし!

エッセイが強い力が溢れてる時代は終わりを迎えるのだ!


 元は尾ひれはひれついてノリで漕ぎだしたエッセイ魔族文明、

魔族を倒すものは勇者と決まりきっている現状で、

突然、刹那的に一匹の野良勇者が次元から彷徨いこんで立ち上がった!


 「人類復興せん!」


 圧倒的な戦力を元手に悪の力を一刀両断する、

神の祝福をすきまま使える勇者のパワアを前に、

エッセイズムは魔族の手の下から離れる。


 「ば、ばかな!?」


 それはなん百何万と倒れていった魔王のセリフ!



「ゆ、勇者よ!世界のエッセイを貴様にやろうではないか!」


「ふ、おろか魔王よ、まだ自分の置かれた状況が、

 理解できていないようだな!」


 人民は!


「エッセイのみに生きるに非ず!」


 エッセイは!


「人間の営みの発露!断じて主体とはなりえない!」


 つまりは!


「エッセイを足場として決めたお前の敗北だあああ!」


 勇者の剣は魔王をつらぬいた!


「ぐーわー、エッセイしすぎて勇者に殺された―、ぐーふー」


 エッセイ無双は唐突に終わりを迎えた!

「エッセイ、語るに尽きる、まさしくことわざ!」


 勇者は決め台詞を言い残すと、大地に開闢の勇者の剣を突きたてた!


「目覚めよ野生! エッセイストに終焉を!」


 すべてのエッセイストは滅び、

ここに人の営みが復活する!


 いままでエッセイゾンビとしてパンデミックしていた人類が、

なんということでしょう!

 あっという間に普通の人間に戻っていくではありませんか!


そう、この物語はエッセイと決別する人類の話!


 あ、やべ、物語とか言っちゃったよ!

あくまでエッセイだからね!

長い語りは、全て今から始まるエッセイの前座なんだからね!


 さて、エッセイに戻りますが、

そもそも僕は、昔から文章に馴染みが深くなく、

文章読まなすぎじゃね?っていう人種でした。

おかげでこの年になってから文章があまりにも、

理解できないこと、読めないことに苦労して、

文章の読めない文盲魔族な気分なのです。


 ようするに、文章って読めないものなんじゃね?

っていう純粋な気持ちから始まってこのエッセイは行われます。


 文章ってそもそも読まないし、人間そんなに、

文章読まなくね? でも文盲ではないし、

きちんと文章だって分かることはしてね?

なのになんで文章って分かるんだろう?

人間って不思議? っていう気持ち誰にだってありますよね?


 あなたの文章、ひょっとして分かってもらえないかもしれない、

そんな不安唐突に現れますよね?

 人間、意外と未開人で、ひょっこりせと文章読めるようになるけど、

なんで文章読まないといけないのかはわかっていないのがほとんどです。


 物語を! 知るためだよ!


 とお叱りを受けるのは承知の上ですが、

何故、根本的に文章の中に生きようとしてしまうのか?

文章の中に住んでいる多数の文章生命体キャラクタが、

「もっと生きさせろ!もっとだ!もっと!」

 とうごめき騒いでいる音がいたします!

その様はまさしく文章パンデミック!

文章に容易に侵されてしまう弱き人類の心があります!


 誰もが文章を読み感動します!

どの物体も文章で表わすことが出来ます!

どんな感覚も文化されて登場します!

文化、文化、ブン!


 文を読むたびに思います、

「おれ、どうして文化しちゃうんだろう?」

 気付いた時は、文章の山に囲まれていました、

幼少期からそうでありました!

 文章が攻めてきて、溢れてきて!

話せるようになる喜びがありました!

 しかしそれは同時に奪っていきました!

文章が唐突に凶器に変わったのです!


 文章は恐るべき獣です!

気付いた時には私の足元には、

文章によって築かれた制約の山があり、

そして私は文章の魔力の中でしか、

文面の中でしか生きれない一つの生命になってしまったのです。

 

 これは呪いなのか?

あらゆる人は文章に囚われて生きます。

こういう文章を書くからには人格さえも規定されて、

何もかもを分かりやすくパンデミック!

パンデミックさせてしまうのです! 文化文明は!


 しゃっくりのようにパンデミック!


 さて話が脱線しましたが、

そもそも話したいことなど無いのです!

ただ見えない背中に違和感を覚えていて、

振り向けど振り向けど背中は見えないという、

どうしようもない状況に心が参ってしまったのです。


 これは心霊現象じゃないか?!

怖い!


 命あるもの祟られるのは怖い!

助けてくれー!


 「助けないよー」


 そんなこと言わずに助けてくれー!



 お分かりだろうか?

文章を綴るという魔力に突き動かされると、

何という事が無くても、

ただただ、文面の上を転がる一匹の子豚の樽。

タルようするにワイン樽。

 そういった狼さん怖い論法で進んでしまう!

気付くと狼さん攻略しちゃってる!

 赤ずきんが怖い!


 さて、人間は文章に容易に攻略される特徴を持つ、

どこまでも文章が綴られて、恐ろしい攻略をなされ、

気付いた時は文章にしてやられる。


 足元が文章で出来ている世界なのだから、

何もかもが、言葉の有無で決定してしまう、

一人の人間の人格を完全に文章が掌握してしまった時、

人間は何もかもを文章に乗っ取られて、

文民という名前で暮らすしか他方法が無い、


 僕は嫌だ! 小説家になろうでも文章に縛られずに生きたい!


 そもそもが間違いだったのである!

文章以外、文章未満の想いなど、表出しても大したものにならない、

だが、そのストレスが欲求不満が確実に溜まり続けているのは、

たしかであった!


「何故、人は自由に話せないんだろう?」


 何かを言えば角がたつし、表わせば問題行為だとされる。

文章など書くことは世界を塗り替えようとする行為だと取られて、

神に反逆を疑われ殺された悪魔の数幾百億、まだまだ増える!


「何故、あの人は自由に話せるのだろう?」


 話を一度始めれば、いつまでも話し続けることの出来る、

多くの人間が溢れて、暮らしている現代社会において、

何もかもが文章によって区切られて出来ていおり、

なにもかもに名前が与えられ並べられているこの事実!


 脅威である! 人は言葉無しには生きれない生き物!

そんな中で、エッセイを綴ろうと必死にもがいている我は、

なにもかもが唐突に嫌になる駄々っ子衝動にあえいでいた!


「ぎゃー!いやだいやだ!文章書きたくないでゴザルー!」


 文章は悪! 文章は敵! 文章に取り囲まれて、

散々に言い散らかされるのが人間の終わりに相応しいなどと、

すべての文民が襲いかかってくる妄想!

 囚われたら百万年、孤独に過ごしてしまうこと訳ない!


 驚きに満ちているこの世界を文章によって評価しようとして、

より窮屈に全部の生き物を壊していってしまうというやな結果!

なんたる怖い怖い現象! どうしても怖い怖い世界!


「ぎゃー!いやだいやだ!文章読むの嫌でゴザルー!」


 文章は目から入って五感を支配する寄生命体! 怖い!

ジューシーな肉の質感から、呑まされる酒の勢いまで、

この宇宙に溢れかえるすべての理が一身に降り注ぎ、

文章の文章のための文章だけが生存する未来が幻視!


 うわっ! 怖いビジョン!


 文章だけ残ってあなた死んでしまったのね!


 なんて、怖いビジョン!


 文章だけ残してあなた行ってしまったのね!


 だけど小説は好きだぞ!


 さて、エッセイもそろそろ道半ばというところ、

言いたいことを表わせっていうギャラリーに向けて、

エッセイってなんなのか、このさいだからはっきりさせる!

 「エッセイとは人間の言葉未満を拾う作業だよ!」

わたしはいま、エッセイの意味を無理からに規定する!

言葉にならないことって一杯ありますよね?


 いま口にしちゃいけないだろってこと一杯ありますよね?

そういうことですエッセイって! きっと! もっと! ずっと!


 だからここに読んでるあなたと私だけの秘密を、

作り上げてしまいましょう、エッセイは人間の言葉未満を拾う、と!


 では人間の言葉未満とはなんなのでしょうか?

ようはウーワーとおもうことにあるのです!

 たとえば今の本心! 頭痒い! かゆいよ!

は言葉にしようと思えば出来ますが、

あまりにも人間として唐突なので、

つい言葉にするのをためらってしまいます。


 これも立派な言葉未満なのです。


うー、左ひざが痛まなかったら自由気ままに走りたい―!


 これも立派な言葉未満なのです。


人間を辞めて、文章を紡ぐだけの機械になりたいー!


 これもまた立派な言葉未満なのです。


 今表出した全てが言葉にならずに死ぬところだった、

たとえば咳が出そうででなくてむずがゆい、

とかもエッセイにしちゃえばいいじゃんし。

 鼻に鼻くそが溜まってないか気になって仕様が無いとか、

毎日のご飯を家族に押し付けてて面目ないとか、

色々エッセイできるじゃん。


 言葉未満のこと一杯あるじゃん、

普段、人間、寡黙な生き物だから、

話してないこと一杯じゃん!


 ようは話してないこと話してマーキングすれば一人前じゃん!


じゃんじゃん!


 で、と、

何が素なのかよくわかりませんが、

今こそ謎の感動を覚えるところなので、

このエッセイとしては泣きに入ったのですが、

お分かりだったでしょうか?


 分からないのは私に文才がないからだ!


 さて続けますが、

そもそもエッセイを書こうと思い立ったのは、

時間が無為に過ぎていく中で抵抗を表わしたかったからです、

本当は小説が書きたいかもだけど、

なんだか気乗りしない、

だけどいまやってる企画を回すには、

人の作品を読む行為で結構、疲れ溜めはじめてる。

無理に読むと感想に影響を及ぼすから、

安全牌とってもうちょっと気楽に行きたい、

なんてーのこんてーの、

リズムに乗って、ひたすら遠くに来てしまいました。


 みなさんのエッセイはどうでしょうか?

短い文章にまとまっていることでしょうし、

誰も、が、エッセイとは違うじゃないか!違うじゃないか!

と唸る獣のようになってがなり立てる、

そんな妄想を描くわけではありませんので、

そこまでエッセイ怖くない!怖くないよ!


 怖いのは妄想だよ!

いつか突然襲い掛かってくるという妄想だよ!

書いた文章全部が丸っと否定されて、

ゴミ箱に入ってしまう脅威だよ、

長い時間を掛けてどうして文章を紡ぐのかって、

とりあえず生きてるよっていう安全確認だよ!

大概!


 不安定!


 ちがう、俺の知ってるエッセイと違う、

今から軌道修正するから待っててね、

よし軌道修正する頭整ってきたあ!


 あの人のことを気にするよりも、

エッセイを百万回続ける事に意義を覚えてしまえば、

軽かろうということだ。


 だれもそんなことはやりたくないけれど、

人間、エッセイを書こうと思えば、

いきなりでも唐突でも始めることは出来る。


 終わりのない文章を唐突に綴り始めることが出来る。

勝利をつかむことが出来る、わが手に。


 だが敗北を知ることにもなるだろう、

そもそもエッセイって何か良く分かってないけど、

言葉未満の言葉を紡ぐために生きている私は、

その時々の衝動に身を委ねて、生きている。


 何一つ残らなくたっていいのだ、

生きている、ただそれを表わすためだけに、

文章を書くという行為を選択して、今続けている。

誰もが怖いと畏れるが、文章を書いてる方は至って普通だ。

ただ単純にキーボードがあって、指先がそれに触れてるだけ、

そこにドラマは発生しない、

気になることは延々と何もかもが文章化するということ。


 寝息が聞こえる、

家族みんなお疲れなのだ。


 生まれては消える、なろうの法則において、

とにかく長く続けてみたい欲求が生まれはするものの、

それより前に斬りだしたいことが何かモヤモヤとある。

そのモヤモヤの正体が具体的にはっきりしない、

具体的なことは何もなく、今もまだ、うろちょろしている。


 たとえば、創作論はどうだろうか?

僕は何を考えてお話を作ろうとしている?

とりあえず、今ある衝動だけで話を、

書こうとしているのは確かだ、

いつ何時もそうだった、自分を曲げるのは苦労する。


 もっとも恥ずかしいことや、

辛いこと、しんどいことまで、書きたくなる。

息が上がってきている。唐突に横殴りされた。

そんな思いが募ってくる。


 理不尽はもっと理不尽に、

唐突は本当に唐突に、

いつも以上はもっとを求める。


 止まらない衝動の連鎖に、

人間はグルグルと自分を締め付けはじめる。

取り囲まれて動けない、身動きも息も出来ない、

このままでは消えてしまう。

 そんな突然の頭かゆさ。


頬がちょっとかゆいけど我慢する。


 欲しいのはやさしさだけ、

欲しくないのは否定の声、

浴びるのは罵声の数々、

脚光は脚色されて、

演出は唐突にびっくり、

いつもの調子が出てこない。


 忘れた頃にまた、最初に戻ってる、

勇者よ、お前はまた剣を取り、

旅に出かける。


「そうだな、それがおれの使命だ」


 既に数多く、次元の数幾百億の魔王を、

たおしてきた次元勇者は、

脳が描きだす唐突なシナリオにも対応できる。


 そしていきなり起きる理不尽にも!


「がっ!? これは、おれの胸が貫かれて!?」


「エッセイの強さを舐めていたようだな勇者よ!

 エッセイとは神の力の具現、

 天使たる我が扱いこなすとき、

 人間の反応では対応できないラグのなかにさえ、

 唐突に自己を投影することが可能になるのだ!」


「そんな! エッセイにこんな使い方が、ある、なん、て」


 勇者は死んだ。


「ふん! 天使たる我を差し置いて、

 勝手に天地創造を司ろうとする愚かなる勇者め、

 いまよりこの天使が真の天地創造を教えてやるわ!」


 エッセイを片手にした天使は、

この世界を真に正すこととなった。



 さて、エッセイに戻ろうか、

なんでか知らないけど、

物語が起こると、元気取り戻すよね?


 理由はわからないけど、

焦点がここではない誰かに向けられる時、

眠気あふれる視点が、違う興味に向いたような、

訳のわからない引っ張りに期待できるね。


 忘れそうだけど、話ってテーマについて、

語るものなんだ、だからテーマがあると、

途端に、みんな湧き立つように豊かになる。

 だけどテーマはいつも忘れがちだから、

話にならない話をしてしまうのもまたある。

 怖い話、話してるようで、何も通じてない、

なんて結果もザラだから、どうしようもない。


 僕も今、ここで何かを文章化してるって、

ことだけは明確にわかるけど、それに意味なんてないって、

実は知ってる。

 役割を与えられてないから、

語ることが、意味づけられてないから、

すべてのことがバラバラで、

言ってることも抽象的、

中身が無いんだ。


 ずっと無の空間を浮遊している気分だ、

着地点が無くて彷徨い続けてる感覚だ、

誰が舞台を与えなかったか分からないけれど、

僕は何もないところに何かを建てようと必死だ。


 それが僕なのかもしれない。


 実際、考えてみると、

世界は突然生まれたりなんかしない、

長い歴史の中の積み重ねで出来てるから、

僕たちは尊さを知ることが出来るんだ。


 だから、今こうして指を動かしてることが、

生命活動に反している可能性だってあるんだ。


 ただ重たいまぶたを凌ぎながら、

文章を転々と紡いでいくだけで、

その全部はバラバラ、意味なんかない、

でも本当は意味なんか求めちゃあいない、

こだわってもいけない、

書きたいのは言葉未満の言葉、

人間が話すより以前の事柄、


 なんとなく目覚めて、起きて、

なんとなく動いて、なんとなく、

自分の義務を果たせるっていう当たり前、

その当たり前が出来る喜び、

当たり前の中に潜んだ数々の出来ない、

八つ当たりみたいにキーボードを叩くけど、

何も出てこないのは知ってる。


 本能的に命を紡ごうとしてるけど、

実は何もかもが面倒になってきてしまっている。


 出来ないことは分かりきっている。

やれないことはとうに知れている。

 もうあきらめきってしまって、長くなっていくばかりだ。


 命もタイピングもおなじように長々と、

無為に自分をすり減らしながら、まだ納得できないでいる。

 自分は無駄なんかじゃないと、

まだ牙を磨いている獣のように、息遣いも荒い。


 全生命が予感した、

すべての感覚がビルドした。

 唐突にパワアが溢れる!


「なっ勇者、貴様!」


「天使よ天地創造を真に教えてくれるといったな!」


「なぜ生きている!? 確かに心臓を潰したはずだぞ!」


「エッセイは刃物じゃない! そもそも切れ味も無い!」


「その理論は危険だ! エッセイの可能性を閉じるつもりか!?」


「オレは一向に構わない!

 もしエッセイが勇者に刃向かうっていうなら!

 この世界からエッセイというエッセイを、

 消し去ってやるぜ!」


「やめろー! そんな暴挙が許されるとおもっているのかー!!!」


勇者は勇者の剣を構えると、

天使に向かってブイの字に切り上げて、

天使の首をはねた!


「そ、そんな馬鹿な、私の天地創造の夢が!」


「神に黙って世界を作ろうだなんて傲慢、

 人間にしか許されてないんだぜ!」


天使は死んだ、本来死ぬはずがない生きものが死んだ。


それは世界にどんな変化をもたらすだろうか?






 人間をやっていて思うこと―、

人間は食べなければ生きていけないからしんどいー、

人間は働かなければ生きていけないからしんどいー、

人間は代謝しなければ生きてけないからしんどいー、

人間は理性があるからしんどい―、

人間は人間を辞めることができないからしんどいー、

人間は生まれてきたことに感謝しないといけないからしんどいー、

人間は全てを理解したように唐突になるからしんどいー、

人間はこうじゃなきゃいけないというからしんどいー、

人間は全ての物事に答えをださないといけないからしんどいー、

人間はキーボードカタカタしないといけないからしんどいー、

人間はともだちを増やさないといけないからしんどいー、

人間は一人ではいきていけないからしんどいー、

人間は何故か生きているからしんどいー、

人間は悪いやつやずるいことで生きてるからしんどいー、

人間はいつもつかず離れず欲求があるからしんどいー、

人間は悪いことを唐突に思いつくからしんどいー、

人間は誰もが同じことを考えないからしんどいー、

人間はお互いを理解し合わないからしんどいー、

人間はいつも辛い思いをしているからしんどいー、

人間は救済の言葉を思い浮かばないからしんどいー、

人間は形だけじゃだめだからしんどいー、

人間は急に何かを思いついても腐らせるからしんどいー、

人間は何かをする為に手足がついてるからしんどいー、

人間はいつも浮遊する夢ばかりみてるからしんどいー、

人間は思いつく限りの全部がしんどいー、

人間はいつだって、ことをおもいつくのがしんどいー、

人間は誰かの役に立たなければならないからしんどいー、

人間は人間という役割がそもそもしんどいー、

人間は人間してるだけで偉いからしんどいー、

人間は人間であるという事を最大限謳歌するからしんどいー、

人間は誰かを助けるために生まれてきたからしんどいー、

人間は思い上がっちゃいけないからしんどいー、

人間は自分にされた言葉全部のみこむからしんどいー、

人間はいつも以上に饒舌になるからしんどいー、




「おれは勇者だ、名前はまだない」


 勇者たる者、世界を救った数は幾百億、

だが、虚しさだけが残る。

 いつも地上に人類が溢れる様だけ残して、

全ての悪を一切断ってきたが、

なぜ唐突に虚しさがこみ上げる?


「おれは勇者だ、悩みなどない」


 与えられた役割、勇者、

何かを切り開くことだけが勇気を下支えする。

誰もが出来ないことを望み抱くことで、

唐突に世界を救ってしまう力がある。


「オレは勇者だ、何ものでもない」


 だが世界を救ってみてどうだろうか?

また次の崩壊した世界を救わなければならない、

この連続に、勇者は知らず知らずと、

理性を手放し始めていたのかもしれない。


「オレは勇者だ、行かねばならない」


 誰も勇者を真に知る者はいない、

立ちはだかるものは切り捨てたし、

押し支えるものに推薦されて押し出された、

その立ち位置は揺るぐことなく、

未来永劫、勇者を勇者たる形として、

保存し続けることだろう、

圧倒的に勇者していくことだろう、

でも、何故だ?

涙があふれる。


「オレは勇者だ」


 すでに涙腺はパンパンだった、

勇者は自らの剣を支えにして、

崩れかけた理性をかろうじて守り、

自分は勇者だと呟くことで、

誰にも見られまいという胸中を、

覆い隠した。


「やーいコスプレの変態ー!」


 石が飛んできた。

野次馬ここに極まれり。


「なにが勇者だー、不審人物ー!」


 剣を持った勇者に、

このような蛮勇に及ぶ若者は後を絶たないが、

ダメージゼロにする鎧を着ているので、

一行に勇者は怖くないが、

今、勇者は泣きに入っている。

何が起こるか分からない。


「俺は人類に失望した」


 何回救っても救いようがない人間が生まれる、

何百度言い直しても魔族になる人間が後を絶たない、

数百億世界を巡っても、すぐに悪堕ちする人類を見て、

勇者は自らが真に救いを与えるものではなく、

ただ人類を悪い方向に繁茂させるだけのものだと、

今や思い知ったのである。


「おっ? こっち向かってくんのか?!

 おまわりさーん! こいつですよ!

 不審者はこいつー!!」


「危険人物―!」


 勇者は危険である、

故に次元のはざまに再び身を投げうった。


「き、消えた?」



 次元の狭間、そこはエッセイが支配する空間。


 そもそもなんで僕がエッセイを書く気になったかというと、

突然エッセイってなんだろうなって思ったからである。

 でも思った以上にエッセイに書くネタって無いなって、

日常過ごしていても思ったから、

無理からにエッセイってのの自由度をまず引き上げて、

エッセイしてもこんなのでも大丈夫だぞ、

怖くないぞと、自分を慰めること数百度ってやつなのです。


 書き殴って書き殴り続けて、それでもわからないことが、

多いのが人間の全てですから、どれに値しなくっても、

とりあえず、すべてが人間の下支えになってくれるだろうと、

願って、とりあえずの毎日を過ごしています。


 今は意味などない言葉遊びをする時間です。

連想してみましょうか、勇者の心情を、


勇者は全てに対して人道を優先しなければならないからしんどい、

勇者は心から行動してないと共感されないからしんどい、

勇者は神をもしのぐ勢いて戦わなければならないからしんどい、

勇者はすべてのもののお手本にならなければいけないからしんどい、

勇者はどうしてなかなか厄介だからしんどい、

勇者は魔王とセットでハッピーだからしんどい、

勇者は誰とでもすぐ戦わなきゃならないからしんどい、

勇者は戦隊組めるほど溢れかえってるからしんどい、

勇者はいつだって君の傍にいるからしんどい、

勇者は誰だって声を大きくするからしんどい、

勇者はどこにだって現れなきゃいけないからしんどい、

勇者は美しくなきゃいけないからしんどい、

勇者は格好よくなきゃいけないからしんどい、

湯者ってなんだよお風呂に入り浸ってるやつかよしんどい、

勇者っていっつも役割分担できてなくてしんどい、

勇者って王様に呼び出し喰らうからしんどい、

勇者って歩く機械扱いだからしんどい、

勇者って見た人に共感されないからしんどい、

勇者って陰でひっそり戦ってるからしんどい、

勇者って人類を応援しなきゃだからしんどい、

勇者っていつも周りに気を配っててしんどい、

勇者って心から接さないとだからしんどい、

勇者っていつも熱血だからしんどい、

勇者って敵に冷酷だといけないからしんどい、

勇者って敵も味方にしないといけないからしんどい、

勇者って敵がいるからしんどい、

勇者って敵だらけだからしんどい、

勇者って名前からしてしんどい、

勇者って誰かと真に友達になれないからしんどい、

勇者っていっつも嫌な役回りしてんな、

勇者って損な役回りだからしんどい、

勇者って気付いた時には勇者だからしんどい、

勇者っていくら助けても感謝されないからしんどい、

勇者って戦ったって知れてるのにしんどい、

勇者ってエッセイにならないからしんどい、

勇者ってエッセイに出来るけどしんどい、

勇者ってロマンで語られるけどしんどい、

勇者って誰もが憧れる職業じゃないからしんどい、

勇者って転職しても無職みたいなもんだからしんどい、

勇者ってそもそも職業じゃないからしんどい、

勇者って勇者って勇者って勇者って勇者って!



 次元勇者は混乱の中にいた、

あらゆる世界を救ったが、

もはや自らを感謝するものはいないだろう。 


 勇者が勇者たるゆえんはひとつの世界にとどまってこそ、

多次元勇者となると誰も支援者がいない状態である。


 一人をして最強の勇者、それが多次元勇者、

多次元の世界を旅し、悪の根源を断つことで、

その多次元勇者たるを示す彼の行為は、

すべての次元の悪を絶つため、

決して油断が許されないが、変わりに大きな代償を背負う、

そう、誰にも認識されないのだ。

 そして、世界に友達を残すことができないのだ。

気付いた時には次の歴史、次の時代、次の次元、

そうして勇者の伝説を自分の中だけで記録していくことで、

いつしか勇者の脳細胞はパンクしてしまい、

彼の世界観は絶望で包まれた。

 このまま世界を救い続けたとしても、

絶対に勇者は救われない、絶対にだ。


 なぜ多次元勇者などという存在になってしまったのか?

きっかけは神との契約にあった。


 神との契約の瞬間、勇者はくちばしった。

「オレの力で悪という概念さえも打ち消したい!」


 その瞬間、契約は成ったそして、多次元勇者の力を得た。

その時、勇者の運命は決定されてしまったのだ、

多次元に及ぶ勇者の物語の始まりである。

そんなことが許されるだろうか?

許されていいのだろうか?

許されるべきだろうか?

ただの少年の何の気なしの思い付きが、

未来永劫ひとりの勇者を苦しめることになるとは誰が、

思っていたか?


 契約の内容はよく考えようねーって話である。


「孤独だ」


 勇者は孤独感にさいなまれていた、

次元の狭間において、全ての生命は平等、

どこまで行きつくしても戦いを続ける人生、

無限に続いている嘘偽り無き戦いの歴史。

言葉遊びではじまったにしては、

あまりにも重すぎる使命に、

押しつぶされそうになっていた。


「悪は、どこだ?」


 今や悪を検知すれば悪即斬と、

決め込むことができる勇者の感性は、

獣のそれと同じくで、

すばやく多次元世界からターゲットを選び出すと、

飛び出して、斬った。


「があふ! ゆ、勇者だと! おれは魔王! ぐふっ!」


 また名も知らない魔王を切った、

そして、


「天地創造」


 勇者が大地に剣を突きたてると、

魔族ばかりだった世界が裏返って、

すべてが人間に戻り平和になる。


 繰り返しだった。


繰り返しの中にしか自分を見出すことが出来なかった。






 悲しいことである、

人間は繰り返す生き物であって、

毎日を繰り返し、あやまちを繰り返し、

あらためることを繰り返し、

何もかもを繰り返して今を生きている。

心臓も繰り返し鼓動をうっている。

脈拍は繰り返し、全身に血液を送っている。

呼吸は脳に酸素を運んでいる。

友達はきっとできるはずさと期待している。

でも出来ない、いつだってソウル!


 人間とはなんだ?



 人間とはいつだって孤独だったじゃないか、

きっとあらゆる獣だってそうだ、

孤独なんだ、だから生きていたって辛い。

だけど生きなきゃいけないんだ、

生きてるって示せなきゃ死んでしまったのと同じだから、

今日日、文章を紡ぐことをやめない意志を、

無駄だと思っていても紡いじゃっている。

それが繰り返しの中でいつか、

形になるって信じている。

 だけど僕は不真面目で、いつだって、

正直者からは遠いところに立っている。

すぐに影響されるようで意固地である。

堅い立場が揺るがないようであって、

常に震えている。おびえている。今日に。明日に。


 また今日が来る、明日が来る、

そうして毎日が巡っていく度に、

出来なかったことを後悔している。


 生きれなかったと呟いている。


 死んでしまったんだ感性。


 生まれてこないんだ人生。


 立ち止まっちゃったんだ生活。


 怖くてどうしようもないんだ現在。


 いつものように振る舞うことが出来なくなりつつある、

いつも以上に追い込まれていることを感じる。

毎日が毎日迫ってくるたびに、

僕は、出来ないことがまた増えたと怖がっている。


 本当に大切なことを紡ぐにはそんなに長い時間は、

いらないはずだが、それでも長く紡いでしまうのは、

自分でも知らず知らずにくせになってしまっているから、

長さの中にほんの少しの救いがあると思い込んでいるから、

それがどれだけの罪だとしても、

自分で思い出したことだから止められないのはいつもそうである。


 始めてしまった癖は止まることが無い、

何かを書いているつもりになる癖というのは、

修正するのが難しいものである。


 人間として知的に振る舞っている振りだけ続けてきている、

本当は本能のレベルでは自分の行いを否定している。

 こんなことをやめて、もっと言葉未満の生命になりたいと、

願っている自分がいる、今にも吐き出されそうな生命がある。

誕生してしまえば最後、この世界に悪口をばら撒く災厄がある。

何もかもが先んじて回る世界にあって自分がここにあって、

不安定になり続けるだけの力がある。


不安なのだ、なにもかも。







 勇者は始まりの大地に立っていた、

ここから全てが始まった、

神との契約も、

多次元世界を救うという役割も、

そして勇者の剣も、

なにもかも始まりの大地から与えられていた、

その理由が今は知りたかった。


「神よ」


 勇者は剣を天高く掲げると、

降臨に備えた、そして現れた。



「勇者よ」


 幾百億と決着をつけた今、

世界の悪は完全に滅せられ、

人間という人類がモンスターに置き変わって、

モンスターは全て人類となったといっても過言ではないいま、

この天地創造の力は無限で留まることを知らない、

だからこそすべての世界が今や救われたのは確実、

勇者の役割は今終わりを迎えようとしているのだ、そうだ。


「お前はなにをしてきたのだ?」


 神は、問うた。


「全てを、為した」


 勇者は泣き晴らした瞳で答える。


「今一度問おう、お前は何をしてきたのだ?」


「すべてだ、全てを為した」


 勇者はだだをこねる子供のように、

ただ、神を前にすべてを終わらせてきたと、

自ら考えた言葉を紡ぎだす事をするのみである。


「未だ、悪は祓われておらん」


 神は不満なのだろうか? 勇者の成し遂げた数多くの、

戦功に、そして幾百億の世界を救ったという事実に、

全ての魂を裏返らせ、人間の世界を作りだしたという、

明確なる事実を前にしても神はなおも不満なのか?

 本当にこいつは神なのか?

そもそも自分に何故、過ぎた力を与えた?

何もかもが納得がいかない、

神が一体何がために存在し、すべてをまとめ上げているというのだ?


「全てを終わらせた、お前との契約は履行された」


「終わったつもりか? まだ始まってさえいないぞ」


「なにがいいたい?」


 神は不敵な笑みを浮かべて、続けた。


「人間を粛清せよ、

 すべての悪は人間にあり、

 人間があるところに、

 悪は生まれ、

 永遠にこの輪廻に留まることだろう、

 解脱させよ、

 人間すべてを滅ぼして、

 解脱させよ、

 魂を本来ある場所に帰せ」


「それがお前の狙いか」


 神の狙いは大体、勇者にも理解が出来た、

神はいま幾百億ある多次元の世界の頂点となった、

自らが契約した勇者を使って、勝ち取った座である。

そして、その魂を回収することで、

絶対に揺るがぬ神の国を実現するつもりである。

神はどこまでも貪欲であり、

勇者を悩ませる存在だったのだ!


「お前の役割は終わった、勇者よ人類とともに死ぬがよい!」


 勇者が身構えるより素早く神は動いた、

全てものに対して対応するその動きは、

眼にもとまらぬ速度であった。


「人類抹殺」










 長い時間、文を綴っていると、

誰でも脱線することがあるが、

そもそも、何も決めずに始めた、

エッセイであるから、後悔のしようがないのは確か、

その中で一筋の光のように差し込む物語は、

人間が紡ぎだしたいくつもの可能性の中で、

確実に、時間を呼び起こさせるカギになっている。

 だから僕は物語が好きなのだ、

何かが、紡がれるとき、

そこに愛着が湧く、

愛着が湧けば、続きをもっと欲しくなるから、

延々と続けてもいられる。

だから何かを為すにしても人間として、

物語仕立てであると、楽しげなのだ。

 だが、分かっている。

貴方の話は面白くないと言われることは、

とうの昔に知っていることだから、

今日は辛い、この時間をいつまでも付き合ってもらうことになる。

ジリジリするだろう、ワクワクはしないだろう、

これは消耗戦だ、カロリー、を延々と失っていく、

脱落してしまう、人間達が溢れかえっている。

それでも文を紡ごうとする意志だけがある、

なぜだろう? なぜ、人にそのような蛮勇をお許しになったのですか?

人間は何もかもに挑みかかって、自ら消耗していく生き物です。

形にならなくても、いつかなるはずだと自分勝手な思いに駆られて、

今日も声を上げて、ぜーはーぜーはーしてしまいます。

 何故こんなことを続けるのでしょうか?

 どうしてこんなにも人は自らを犠牲にしてしまうのでしょうか?

誰にも理由は分かりません、言えることには、

全てをこなしたとしても決して答えなど出ることが無いということ。

 それほど意味の無いことが好きなのです、

ただ数字が増えていく事で、お終いが近づくのを、楽しみにしている。

そんな時間を過ごす事になれてしまったのです。

決して慣れて欲しくない感覚でしたが、

それを良しとしてしまった人間がここに居ます。

 これを愚かといい、

そしてその魂の価値を再びかみのもとに帰せと言う、

呼び声が強まるのを感じます。

 失ってしまうのです、確実に消えてしまうのですいきなりに、

つらつら続いていくハウリングと発狂は、伝染していきます。

唐突な始まりと無意味と無価値を揺れ動いてつまらなくなった、

文字列になんの意味も見出さない生命がグルグル回ります。

 輪廻は圧倒的に動き回っていくのだが、

うねうねしている、輪廻はうねるだけうねって動く、

生命はぐるぐるしていて、形が決まっていない、

猛烈に何もかもを見つけて動いてしまってあやふやだ。

これでは全てを見出すことが出来ないじゃないか、

これでは目が見えないと同じじゃないか。





「死んだか、勇者よ」


 勇者とて人類、

すべては人類と一緒、

そして幾百億の世界とともに、

人類は息絶えて、滅んだ、

完全に、究極に、完璧に、

それはとても有意義な事だった。

 魂が自由を取り戻した、

なにもかもがぐるぐるではないか。



「神は唯一にして絶対、

 何ものも刃向かうことは許されぬ」


 手向かうものが居なくなった世界だ、

命は生まれ続けるが、

すべて、曖昧に生命は弱いだけだ。

唐突に生まれたと思えば、

不思議なものである。


「なぜ、勇者が不安を抱えたか?

 人間の不安に触れて、

 とち狂ったのか?」


 勇者はどこかイレギュラーを抱えていた、

人間、をしていたとしても全てが異変を抱えていて、

全人類が期待したようで、不安定なまま、

どうしてあれが生まれたのか、

神であっても予測が不能な出来事もある。


「だが、死んだ今、

 語ることもあるまい」


 神は今、世界を作り始める時が来たと喜んでいた。

神も喜ぶのだ、喜怒哀楽がある、

だから隙も当然ある、何故、どうして?

正直に考えて不安定なものだから言いようがない、

全人類が全てを知ったとしても、

覚えることが無いから無理筋か。


 そうだ、唐突に神の話でもしよう、

誰が始まりを神で設定したのだろうか?

どうして、人間の世界は神ではじまると、

決めてしまったのだろうか?

 もっと偶然やドラマチックなことで、

始まったとは言えなかったのだろうか?

厳しい戒律の中に人間を見出そうとして、

駄目にしてしまったのではないだろうか?


 ずっと恵みを求めている。

恵んでくれる毎日を求めているから、

私は全てに対して、ずっと、

命を吸収する立場を得て、ずっとである。


 神はそんな存在にも恵んでくれる、

便利なものである、どうして存在する?

理由がよく分からない、

命がある限り、生きさせるし、

永遠にまわっていろとでも言うようで、

曖昧な自分を認めてもくれるようで、

励まされるが、同時に神の立ち位置を、

考えると、自分が震えているのに気付く、


 うんざりなのだ、正直、

自分より高い存在に、振り回されるのにも、

動かされるのにも、どうしようもない気持ちだ、

永遠がうごきまわっている。

 永遠が闊歩している、

恐るべきことである、どうしようもない、

唐突に支配される心を人間を、

縛りによって、完全に全部を掴み取る。

 宇宙は健全で回り続けているが、

それが神の意志でなされているとしても、

どうしようも無い意志だと知れるから不安定、

回っている地球が究極の真円を描いたとしても、

終わることが無いのです、止まることも無いです。


 うんざりなんだ、神様。



「なんだと!?」


 神は再生した世界に、勇者もいることが、

突然、現れた究極の畏れがビリビリとくる。


「なぜ、貴様も創世される!?」


「愚かな神よ、人間の意志だ」


 人間が神の力で振るうことにした、

いや、神の力などもはやないも同然だ、

神は人間を裏切った、

あらゆる人間の魂を自由に出来ると思い込んだ、

全ての生命体が溢れかえっているのだ。

 地上にある世界が追放しなければならない、

分かりきったわけでない混乱した釈然としない、

紡げない連続がある、全部が混乱している。


「勇者は何のために生まれた?神の為か?

 悪の為か、根本から何のために勇気を、

 振るって生きている、それが全てだ」


 超常に至ったそれが、暴れ出す、

「お前は存在してはならない!

 お前は歴史にあってはならない!

 お前は何もかもが崩れたところにいる!」


「オレには立ち位置が無い、

 それがよく知れた、

 人間にも立ち位置が無い、

 どこで生きていたしても、

 すべての生命が立ち位置など持たない、

 気付いた時には悪文の中にたたずんで、

 途方に暮れて泣きじゃくっている、

 そんな弱い生きものだ、人間は」


「お前は何のつもりだ!

 神が決めたリズムを、

 崩してなお生き続けるのか!

 ゆるさん、つかみとった、

 魂の照射を受けよ!」


 幾百億の世界の魂は全て、

掌中に収めた神は圧倒的な力を持って、

勇者に向かっていく、

何もかもを否定するために、

勇者は存在してはならない、

イレギュラーである。

気付いた時にはそこに立っていた、

気付いた時には契約を結んだ。

 何もかもが仕組まれた罠であった、

勇者の涙は決して人が愚かだからではない、

勇者は泣くことで神と決別したのだ。


「何故だ!何故効かん!」


「気付いているはずだ、

 魂が無くても働き続けるものが、

 あるといことを」


「ばかな、ま、まさか!?」


 勇者はこの世初の永久機関であった、

魂もまた永久機関の一つとして知られるが、

勇者がなにもかもから離れて、

生命で溢れる多元宇宙をまとめてしまい、

形作っている理由は、怖れたことがあるだろう、

エッセイである。


「エッセイだというのか!?」


「そうだ、永久機関こそがエッセイだ、

 だがオレはそれさえ凌駕する」


 エッセイより凄いエッセイ、

つまり何もかもよりも圧倒的にすごい、

ということだけが伝わってきて、

凄い、せっかくだが恐怖する力ある。


「唐突におもいだしたが、

 エッセイだというのか?!」


「そうだエッセイだったはずだ、

 だが眠気に負けて、

 何もかもがまとまらなくなった、

 飽きらめ気味に神と勇者に、

 すべてを委ねたのだ」


 もはや恥ずかしいことなど何もない、

永遠に彷徨ってろ、永遠に、


「死ぬがいい、勇者よ!」


「悪いな、神は消える、今日限りで」


 勇者の剣が神を切り裂いて散逸させた。

神って弱い。


「さて、あとは魂の所在だが、

 悪と善があって始めて生命は成り立つ、

 それが実感された、

 誰もが、悪を為そうとして為すのではなく、

 結果として悪になるから悪しきことは、

 絶たないが、その度に百度正していけば、

 最後には人間は冷静さを取り戻していき、

 やがては、善悪の区別がつくようになる」


 人間が不公平だと訴え続けるかぎり、

何もかもがこの世界にあり続けるが、

何もかもを認めて、まとめ上げ続けれるほど、

力が無いのが人間のすごく効率の悪いところだ、

せいぜい、今を生きる分だけの知識を保って、

今日を送ることが関の山であり、

永遠など分からないのが人の形である。


「神が消え去った今、人間は完全に自由だ、

 魂の振るうままに過ごせばいい、

 何度、その魂が悪に堕ちたとしても、

 その度に勇者の剣が人間を正しい道筋に、

 治すからな」


 人間の力を信じている勇者がいる限り、

正義は揺るがないだろう、

ああ、落ち着いて、エッセイが書ける、

いやエッセイってなんだっけ?


 今からエッセイライフが連載できるってものか、

人間って長々と生きているものだなあと、

実感すると今まで過ごした時間が、

決して無駄じゃなかったと、

勝手に駄文と付しながらも、

楽に生きたいから仕様が無いじゃないかと、

今日を思うのだった。

どうしてこうなったかはよく知らんけれど、

途中で眠くなったのでやめるのは人間の人生だと思うんだ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] エッセイについてここまで語れるのはすごいと思った。 勢いとノリはいい。最高。 [気になる点] 正直、狂気を感じた(  ̄ ―  ̄ ; ) だが、実は私も狂気なんだ( ^▽ ^ ) [一言…
2020/01/11 16:26 退会済み
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