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第7話:せつなさ

『 こんなに空を 眺めるなんて


  今までなかった。



  他人の事が こんなに気になるなんて


  今までなかった。


  何も手につかない。とは


  こういう時の事を指すのだろう。


  まさか 自分がこんなに人間くさいヤツだとは…

  花の散るのにも ため息をつく程せつない…


  何かで読んだような


  まるで自分が違う生き物になったように思う。  』



****************************


最近どうも調子が悪い。風邪ひいたとか気分がどうの…っていう感じではなくて、気がつくとボーッと宙を見つめて"あの時"の光景を思い出している。


あの時とは…先日放課後に一人で部室にいると、生徒会の女子生徒が来て「予餞会の協力要請」の手紙を持ってきた時の事だ。


自分でも可笑しな話だ。

名前も知らないし、ましてや生徒会の人間にだ!…なんで気になるんだ?!昔かららしいが、校内でも知れている程仲の悪い『放送部VS生徒会』

普段は生徒会の事なんて頭の片隅にも存在しない。


しかし、あんな子見た事ないなぁ。外進生かな?

そう、ウチの学校は元々6年間の中高一貫だから、僕のような中学から上がった生徒を内進生と呼び…

高校から入ってきた生徒を外進生と呼ぶ。

だから、たいていは知らないヤツはいない。

よって、彼女は外進生だという可能性が高いってワケ。…だいいちなんで僕は分析しているんだ!?自分でも訳分からないぜ。


モヤモヤした状態は治まらず、気がつくと冬休みに入っていて、冬期講習と部活の毎日だった。

しかも、その間もシックリこないで僕はイラついていた。


年も越し、新学期の準備をしている時に、その謎は一気に解けた。



以前に話した通りにウチの学校は歴史が深い。平たくいえば古い。なので、校舎もアチコチ老朽化している。

新年早々、僕たちの部室がある建物が建て替えになるので、引越ししなければならない。

よりによって生徒会室の隣に引越すのだからオドロキだ!

あぁ進級の中身が関わる大事な3学期なのに…揉め事に巻き込まれるのは勘弁して欲しいなぁ。

ホント犬猿の仲なんだからぁ生徒会とは。。。ハァ。


始業式を目前にしたあの日…生徒会長の船橋先輩と先日のあの子が、楽しそうに話しながら階段を降りてきた。

僕は逆に新しく引越した部室へ向かう途中で階段を上がっていた。

それはすれ違う瞬間―ほんの数秒―なはずだが、今までにない胸騒ぎを感じた。

二人が何を話していたかなんて関係ない。あえて言うなら、すれ違いざまに耳に入ってきた会話も苛立たせた原因かもしれないが…


「資料見たくらいじゃ覚えきれないだろ?何でも教えてあげるから、俺に聞いてよ。すみれちゃん。」

「ありがとうございます!じゃあ、お言葉に甘えて…たくさん聞いちゃおうかなぁ?」



…いや、普通に考えてもヘンな内容じゃないんだけど。。腹が立った。

しかし、『すみれちゃん』と呼んでいた。愛称なのか名前なのか分からないけど僕は"嬉しい"と感じた。




もしかすると、きっと、たぶん、恐らく、絶対に……僕は君を好きになったに違いない。




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