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50 安堵の後の休息の地

「ふぅ……」


倒された魔物を持って一息。

なんとか……助かった。

その事実が俺の心の中で回り続ける。


「スカレア」


名前を呼び、俺は半分に千切れた魔物の半分を投げる。

水の抵抗を受けながらも、強引に飛ばした魔物はまっすぐと進み、スカレアの手の中に収まる。


手元にある残った半分にかじりつき、胃の中に収める。


「新しい能力は……これか」


手元に現れた紙をみて、大体の能力を予想する。

手に入った能力は二つ。片方は『変化』のレパートリーの一つ。

そして、もう一つは『変化』と似たような物だが……まぁ、いいだろう。


「スカレア、大丈夫か?」

「うん……大丈夫」


意識をようやく取り戻したのか、スカレアが泳ぎながらこちらに近づいてくる。

さっきは、困惑の表情でおぼれかけたような感じになっていたが水中の中の動きになれたのか、今はもうすいすい泳いでいる。


「とりあえず……適当な休息の地でも見つけるか」

「そうだね。水中で休めるか分からないけど……心を休めないと疲れちゃうからね」


体のあちこちにあった傷は、すでに自動回復で治っているが、水中の移動などによる疲労は回復しない。

適度に休息を取らないと、後で大変な事になるだろう。


「このダンジョンの特性も大体掴んできたからね。安全地帯は私でもわかるようになったの」

「そうか。それは便利だな」


水中でふわりと浮いたように見えるスカレアの髪をワシャワシャと撫でる。

人の気配がないここで、スカレアは唯一の心の拠り所だ。スカレアの無邪気な笑顔で、心に小さな安息感が生まれる。


実の事を言うと、俺ももうすでにダンジョンの仕組みは分かっている。

魔物の発生条件は、詳しくは分かっていないが、発生しない条件は解析済みだ。

一つは、人がいる場所では魔物は発生しない。詳しくみると、特定の部屋にいる場合は、特定の部屋から。特定の通路に要る場合は、その通路の間だけ。

だから、部屋に入った後、中にいる魔物を殲滅させれば、もうそこには魔物は発生しないというわけだ。


「えっと!とりあえず、部屋を探しすの。そこの魔物を倒せば、安全地帯の出来上がり!」

「分かった。じゃぁ、適当な部屋でいいかな」


水を泳ぐように突き進む。すると、あっという間に一つの扉が見つかった。


「ここでいいか?」

「うん、これでイイと思うの!」


喜々とした表情で、スカレアは言う。

微かな違和感を抱くものの、大した事はないだろうと断定する。ただの扉だ。


「じゃぁ、行こう」


戦闘態勢だけを整えて、中の敵に備える。


「せーの!」


思いっきり扉を押しあけて、中に押し入る。

警戒態勢を取り続けながら、慎重に中を見渡す。


「……敵の様子はないか」


ひとまず、警戒を軽く解いて中に入る。

後ろに追従するようにスカレアが近づいてきた。


「大丈夫……かな」


警戒を解いて、安堵の息を突いた瞬間……扉が大きな音をたてた。

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